そもそも、ふだん仕事以外のことには一切口を出さない白夜が、どうして急にこの件に割って入ってきたのか――樹理はそこまで深く考えていなかった。ましてや、この男の本音が、亮を病院に残したくないからだなどとは、まるで気づいてもいなかった。A市の病院で、亮がいちばん親しい相手といえば、樹理しかいない。もし亮がこのまま残れば、彼の世話をする役目は真っ先に樹理に回るはずだった。白夜は京城にいて、そこまでは手が届かない。ただ、自分の見えないところで、この二人が毎日のように顔を合わせ、あれこれ言葉を交わしているところを想像するだけで、白夜の目元には知らず冷えた気配がにじんだ。一方の樹理は、エアコンが効き
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