「桃は俺たちが海辺に休暇に行くって聞いて、子供を連れて一緒に行きたいって言ってるんだ」「俺は皆に航空券を予約した。美香、君は荷物を持って車で行ってくれ。俺たちは海辺で君を待つから」私は荷物を片付けていた手が突然止まり、信じられなくなった。「何の意味よ?永田桃が一緒に飛行機で行くのに、なぜ私が車で行くの?」「桃の息子の亜貴は海辺に行ったことがないんだ。一緒に行こうと思って、君の航空券を予約しようとしたら、ちょうど『完売』と表示されてた」夫の弟・健介はクリスマス休暇に海辺でウェイクサーフィンに行きたがって、その頃、夫の伊藤啓介もめったにない年次休暇を取っていた。健介の願いを叶えるために、そして家族全員が楽しめるように、ちょうど新しい車を買ったばかりだったので、両親も連れて海辺に旅行に行くことにした。この間、私は骨を折って家族旅行の用品を用意し、宿泊先を探し、旅行計画を立て、お金も力も出していた。今、永田が行きたいと一言言っただけで、彼は私の計画を直接変えてしまった。「最初私が飛行機で行こうって言ったとき、あなたは高いと言って、必ず自動車旅行をしたいと主張したのに、どうして永田桃が行くとなると航空券を惜しまないの?」「桃は子供を連れているし、亜貴がそんなに長い時間車に乗っているのはとても大変だからだ。それに、桃は俺の義理の妹だけど、本当の妹みたいな存在なんだ。だから亜貴のことを、ちゃんと世話しなければならないんだ」私は怒って服を床に投げつけた。「知ってる人にはあなたの妹の子供とわかるけど、知らない人にはあなたの実の息子だと思われるわ!」啓介は少しイライラして、「君は何をでたらめを言っているんだ。いつも車の運転ができないって文句を言っているじゃないか。今回の自動車旅行は運転の練習になるんだ」といった。「家からマリブビーチまで車でどのくらいかかるか知ってるの?途中で危険に遭ったらどうするの!」そのとき、お義母さんが果物を持ってきた。「あなた二人、またケンカしてるの?啓介、あなたは男だから、美香に譲ってあげなさい」普段お義母さんはけっこう味方してくれるので、私はつらそうに彼女に苦情を言った。思いも寄らないことに、彼女は逆に私を諭し始めた。「啓介と桃は小さいころから一緒に育ったんだ。亜貴も私た
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