成田からまたメッセージが届いた。【麻美が入学した学校のことを調べたんですが、年間の学費がなんと800万円もするんです。それに生活費やその他の費用を加えると、どんなに節約しても年間で1200万円はかかります。麻美の母親に、その金額を負担できるとは思えません。気になりませんか?その留学資金、一体誰が払ってるのかって】ちょうどその疑問を口にしようとした瞬間、さらにメッセージが届いた。【たまたまなんですけど、志穂についてもう少し調べようと思ってたら、テクノマックス株式会社の公式サイトで気になる記事を見つけたんです】数秒後、リンクが送られてきた。それは、テクノマックス株式会社が経済的に困窮している学生たちを支援するという慈善活動についての投稿だった。こういう活動は、企業イメージの向上や他の目的のために、よく行われているものだ。でも、その「海外留学支援リスト」の中に、麻美の名前を見つけてしまった。成田:【もう一度冷静に考えてみてほしい。あなたと志穂、本当に全くの他人だったのか?僕の考えすぎかもしれないけど、半年前の追突事故から今日までの出来事を振り返ると......志穂は、あなたに強い憎しみを抱いてるようにしか思えないんです。どう考えても、麻美が近藤の指示やお金で動いていたとは思えません。むしろ、志穂から直接指示を受けていた可能性の方が高い。 あなたが出産してたった一ヶ月後に退職し、カナダに留学した。そんな出来事が、ただの偶然で済むと思いますか? 留学申請は、最低でも半年前から準備が必要なんです。前にも話したけど、志穂が付き合ってきた男性たちは、近藤よりもはるかに優秀で、バックグラウンドも完璧だった。彼女は、ただのお嬢様なんかじゃない。豪門の中で育ってきた人間です。 僕が調べた限りでは、彼女と近藤の恋愛経緯を見ても、彼女は見た目こそ甘えん坊なか弱いお嬢様に見えるけど、実際は心理操作のプロです。 前に彼女が近藤と電話してたときもそうでした。運命に翻弄されて、心を痛めながら別れを選んだように見せかけてたけど、僕の見方では、あれは彼女が近藤にプレッシャーをかけてたんです。つまり、『あなたという厄介な存在を、早く片付けろ』って、遠回しに命じてたんですよ。そして成田は、こんなふうに問いかけてきた。【志穂のやり方、ある
Baca selengkapnya