「僕の経験からすると、近藤はあなたが盗聴とか調査してるの、もう気づいてるはずですよ。あいつ、相当頭キレるし、僕たちが思ってる以上に対抗手段も持っているんです」成田は険しい表情で私をじっと見ながら言った。「あいつが掴んでる情報は、たぶん僕たちの想像を超えてると思います」私はふっと笑って、「その日が来るなんて、最初から分かってたわよ」と当たり前のように返した。「明がバカだったら、私をこんなに長く騙せるわけないでしょ?」「どうするつもりですか?今のあなた、かなり危険な状況ですよ」成田の問いかけに、私はまた微笑んでみせた。「ずっと危険の中で生きてきたじゃない。今に始まったことじゃないわ」「その余裕、さすがですね」「仕方ないでしょ。来るもんは止められないし、その場で動くしかないの。あるいは、流れに任せるとか」「僕に何かできることはありますか?」「うん、実はね、あるの」「何でも言ってください」「明が私に飲ませた牛乳、あれに精神系の薬が入ってた気がするの。それで思ったんだけど、彼、私を精神病院に送るつもりなんじゃないかなって。だから調べてほしいの、この間に彼がそういう施設と接触してないかどうか。できれば、どういう理由で連絡してたのかも」「もしそれが見つかったら、どうするつもりなんですか?」「証拠になるかもしれないわ。健康な妻を精神病院に送ろうとしてたっていうね。どうやってそこまで持って行こうとしたか、その手口も大事でしょ?」成田は少し黙り込んでから、「分かりました」と静かに答えた。私はコーヒーを一口飲んで、ふと思い出したようにカップを置き、真剣な顔で成田に言った。「ねえ、ボディガードを探してくれない?二人か三人くらいでいいの。頭が切れて、腕っぷしもある人。私の身を常に守れる人がいい。金額のことは、もちろん相談するわ」「わかりました。でも、それって、あなたを陰から守るってことですよね?まるで護衛みたいな」「ふふ、探偵さん、その言い方ちょっと面白いわね。でもまあ、実際そんな感じよ。それとね、理奈に20万円送ってもらうように頼んだから、そのお金で中古のスマホを何台か買ってくれない?ちょっと使う目的があるの」「分かりました。ただ、何をするつもりなのか、教えていただけますか?」私はにっこりと成田を見
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