「まあまあ、今は良いじゃろ。それよりもカナタがこの場にいるのは世界樹の精霊との約束があるからじゃ」唐突にクロウリーさんが会話に割り込んでくると話をすり替えてくれた。危ない……もう少しでアレンさんどころかこの場にいる人みんなにバレるところだった。ここにはアカリやフェリスさんだっているし、言及されたらヤバかった。 「世界樹の精霊との約束は魔神を倒すこと。そうじゃろ?」「はい」「ならばこの場にいなくてはのぉ。だってそうじゃろ?カナタを除け者にして儂らが倒してしまえばそれはカナタの功績になるんかいの?」確かに言われてみればそれもそうだ。頼り切りではいけない。僕が作戦の中心にいなければならないんだ。 「しかし……失礼だが貴殿の魔力量はあまりにも……」「少ない、だろう?ロルフ団長。でも大丈夫さ、彼には絶対に離れない護衛がついているからね」そう言いながらアレンさんは僕の隣にいるアカリへと視線を移した。アカリがいれば大抵の事は対処できる。もしアカリで対処できない相手が出てこれば、もはやそれはアレンさんレベルの人が必須になる。アカリは四天王すらをも倒せる実力者なのだから。 「なるほど……神速がついているのか。それならば安心できる。……分かった、私はアレン殿の指示通りその作戦を支持しよう」「俺も異論ねぇぜ」「団長に従います」「私も同意です」部隊長を務める彼らが賛成すると、今度はアレンさんが地図を取り出した。魔族国の地図なんてどうやって手に入れたのかなんて聞くのは野暮だ。まあ……何かしらの手段があるのだろうがここは深く聞かないでおこう。
Terakhir Diperbarui : 2025-06-15 Baca selengkapnya