魔神が瓦礫を跳ね除けながら血に塗れたマントを翻しゆっくりと歩み寄ってくる。致命傷のはずなのに未だに闘志は消えていないようだ。 「人間が邪法を使うだと……?有り得ん……貴様、向こうの世界の人間ではなかったのか」魔神も驚いていたが答えてやる義理などない。僕が黙っていると魔神は片手を持ち上げ僕へと向ける。 「させはしないよ!ブラストルイン!」アレンさんが横から魔神に向けて複数の光線を放つと、魔神は咄嗟にそちらへと障壁を展開した。 その隙を逃さず魔神の死角からテスタロッサさんが大剣を振るう。 「こちらも忘れてもらっては困るぞ!」二方向から攻められれば負傷した状態の魔神でも対処に難航するのかアレンさんからの攻撃だけは防いだがテスタロッサさんの斬撃はモロに受けてしまいまたも古城へと吹き飛ばされた。 一気に立場が逆転したみたいで、アカリから受けた核への一突きがかなり効いているようだった。 「貴様ら……」「儂もおるぞ?メテオストライク」クロウリーさんが片手を頭上に掲げると何処からともなく熱を帯びた隕石が魔神へと降ってくる。 「ヌゥ!この程度でやられると思うなよ人間!カオスブラスト!」かなり疲弊しているはずなのにそれでも迎え撃てるだけの魔力を残している。クロウリーさんの魔法を相殺すると、魔神の視線は僕へと向けられた。 「ただの人間かと思っていれば……まさか邪法に手を染めているとは思わなかったぞ。その意気だけは認めてやる」「お前に認められても嬉しくも何ともない」「この我に認められるなどそうそうない事なのだがな……
Terakhir Diperbarui : 2025-07-05 Baca selengkapnya