智昭はずっと忙しく、清司にかまっている暇もなかった。しばらく座っていたが、清司は退屈でたまらなくなって言った。「まあいい、やっぱり辰也のとこに行ってくる」智昭は頭も上げず、淡々と言った。「辰也ならかまってくれる暇があるとでも?」「……」智昭の予想通り、清司が島村グループに到着した時、辰也は確かに忙しかった。辰也もかまってくれないのを見て、清司はたまらなくなって言った。「一緒に昼ご飯を食べる時間くらいはあるだろう?」辰也は書類を1ページめくって言った。「昼はお見合いに行く」「……」しかし、清司はこの話題にはかなり興味を示した。「おばさんはまだお前にお見合いを勧め続けているのか?この前お見合いした人、会ってから猛アタックしてきたそうだけど、今どうなってる?諦めた?」辰也がまだ話していないうちに、秘書が花束を持ちながら、ノックして入ってきて、ためらいがちに言った。「社長、先日のあの方から送られてきたお花です。私では対応できず、配達員さんを困らせるのもよくないと思い……」辰也は淡々と言った。「わかった。花は適当に処分して、出て行ってくれ」「はい」辰也の秘書が去った後、清司は眉を上げて笑った。「ここ数日動きがなかったから、諦めたかと思ったけど、まさか……」ここまで来て、彼は我慢できずに言った。「正直言って、入江お嬢さんは容姿も学歴も家柄も性格も、すべて申し分ないようなのに、いったいどこが気に入らない?」辰也は少し手を止め、横目で清司を見て、かなり嫌そうに言った。「お前はわざわざ噂話をしに来たのか?」清司は笑った。「今さら気づいた?」「これ以上うるさく言うと追い出すぞ」「いや、真面目な話だよ」清司は言った。「この入江さん、俺には会ったことがあるけど、本当にいい人だぞ。考え直したらどうだ?」辰也がちらりと投げかけた視線を見て、清司は急いで言った。「お前もそろそろ年だし、おばさんが焦るのも理解できるぜ。もし入江さんが好きじゃないなら、どんなタイプが好きなんだ?言ってみなよ、紹介してあげるから——」辰也はペンを置いた。「もう一言でも言ったら、マジで追い出すぞ?」「……」まぁいいか。辰也の様子を見ると、確かに我慢の限界に達しているようだった。清司もこれ以上煩わせるのは気が引けて言った。「昼は無理でも、夜
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