「で、俺に血を吸わせろと?」「いや、人工血液を少し分けてもらえないだろうか。僕が自覚している事は、ヌェーヴェルとあの2人以外知らないだろう。だから、君にしか頼めなくてね。それに、君に負担をかけるのは嫌なんだ」 こいつらは揃いも揃って····。「バカかお前は。ほら、飲め」 俺は襟を開き、首筋を差し出した。「なっ、何をしているんだい!? やっ、ダメだよ。君の血は吸わない。際限なく吸ってしまいそうだから」「限界だと思ったら、殴ってでも止めてやるよ。お前がお母上のように摂食障害にでもなってみろ。隠し通せないだろう」「ヌェーヴェル····本当にいいのかい?」「俺が吸えと言ったんだぞ。俺だって、お前を大切に思っているんだ。愛だの恋だのではないがな!」 頬が熱くなった。我ながらアホらしいと思う。 ノウェルはおずおずと俺の肩を押さえ、首筋にそっと牙をあてがう。そして、グッと食い込ませると、ノウェルは初めて人間の血を啜った。 泣きながら、美味そうに吸い続ける。こいつの心情は計り知れんが、少し憐れに思ってしまったのは失礼だっただろうか。「んっ、ノウェル、もういいだろう····そろそろ、やめ····んぁっ」「んくっ、んっ、んっ、ぷはぁ····ごめんよ、ヌェーヴェル。もう少しだけ····喉の乾きが癒えないんだ」「待て、も、無理だって····はぁ··ん····」 ダメだ。目が回ってきた。殴って止めないと。だが、力が入らない。「ノウェル、その辺でやめておきなさい。まったく貴方は&middo
Last Updated : 2025-04-06 Read more