All Chapters of 見習い魔女竜胆白緑は四十六歳: Chapter 41 - Chapter 42

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第40話 見習い魔女と大人の金策

 さて、仕事はどっぺる君に丸投げ……もとい依頼したからいいとして、神社巡りをするにおいて解決しなくちゃいけない重要事項がある。 お金よ。私だけなら御神木をに甘い言葉を囁いて誘惑し、樹液をチューチュー吸わせてもらえば無料で楽しめる。 でも使い魔たち、特にベリーは屋台の祭り飯を心いくまで食べるはず。当然、小学生レベルのお小遣いを渡したとて足りるわけもない。かといって私の財布も温もりを忘れていく久しい……。「良司さんに頼るか」 ぼそっとこぼれ出た言葉にシラーがまたも侮蔑の表情を見せた。「パパ活するんですか? また?」「人聞きの悪いこと言わないで。ただ同年代に奢ってもらうってだけよ」『同年代だけど良司は白緑より何個も下でしょ? 歳下にタカるなんて恥ずかしくないの?』 ほとんどベリーのための行為なのになんたるもの言いかしら。でもこいつの機嫌を損ねては寒空に下着一枚で放り出されるかもしれない。仕方ないからグッと堪えて回答する。「ひとっつも恥ずかしくないわ。今は歳なんて関係なく割勘や奢り奢られが普通の時代よ。もう昭和や平成じゃないんだから」『昭和や平成でも白緑が奢ってるとこ見たことないけどね~』「ああ情けない」 やかましいベリーとシラーは無視して良司さんへ連絡するためポケットからスマホを取り出す。 安全性は疑わしいけれど、すべての昨日が無料のマラインと書かれた緑色のアイコンをタップする。 片手でパパっと入力した『一緒に初詣へ行きませんか?』を見てしばし……削除ね。たぶん良司さんは『一年の始めは良司さんに会いたいです』とか言った方が釣れると思うのよ。「もうちょっと色気を出した方がいいじゃんないですか? 良司は男姿の白緑に興奮するわけですし、ア●ルが疼いて仕方ないとか書くべきですよ」「は? 俺と良司さんはそんな関係じゃないぞ」 偉そうな態度で蔑んてきたくせにスマホを覗き込み下品な提案をするシラーに、つい、男口調で応えてしまった……ていうか仕事に行かないんだ、このタイミングで俺に戻ろう。『でも良司は狙ってる思うんだよね、白緑のア●ル。だいたいさ、男盛りの真っ只中の中年からお金を巻き上げようってんだから色気は必須だよ?』 今度はベリーがシラーと似たようなことを言う。 なんだこいつら。変な文面を送って人格を疑われるのは俺だ
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第41話 見習い魔女と大事なお財布

七環鳴神社の上空は思ったより静かだった。 ただ、眼下には年始の神社特有の神秘と活気の混じり合った景色が広がっている。 一の鳥居から続く参道の両脇にズラリと並んだ屋台の明かりは賑やかしいのに、ニ鳥居より先、拝殿へ続く階段に設けられた苔むした灯篭は厳かな雰囲気を醸していて、油断すると異世界へ迷い込みそうに感じる。 そのくせ三の鳥居の先にある拝殿の周りは再び活気を帯びはじめ、御守りや御朱印の授所だけでなく、甘酒やら名物の七つの環っかを模した七つ餅やリングポテトなんかの屋台に人が群がっている。 「おい、着いたぞ」 未だ決着のつかない話し合いを続けるシラーとベリーに声をかけ、金蔓――もとい、意思ある財布の良司さんを探すよう指示する。 良司さんは仕事終わりに部下たちと初詣へ来ているらしく、JRRの制服を着ているとマラインのメッセージには書かれていた。 『それにしても、まさか良司がJRR職員だったなんて驚きだね』 「本当に。こちら関係の人間だとは気付きませんでした」 なんてことない感じでシラーは言うけど、その顔には痛々しいアザがいくつもある。食が絡んだベリーの容赦のないことよ……。 「何駅勤務かにもよるだろ。JRRの表の顔しか知らないなら一般人だ」 JRRは国鉄の時代よりずっと、神々から幽霊、妖怪に至るまで、普通の人間にはなかなか視認できない存在の為の駅や路線も運営してきたのだ。 民営化するときに、そっち関係だけは国営のままにって声も多かったらしいが、普通の路線に混じってそれら用の駅も設置されているから、会社を分けると管理が難しいって理由でまるっと民営化されたという。 つまり皆が知らないだけで、実は神々や幽霊、ヤバい妖怪も日常的に同じ電車に乗ってたりするから、電車内の迷惑行為って文字どおり命がけの行為なのだ。 まあ見えなくとも、幼い頃から日本で育った人であれば、無意識にでも何かしら気配を感じ取ってる人が多いから問題はあまりないらしいし、そうじゃなくても常識ある人は普通は問題を起こさない。 だからたまに動画で流れてきたりする強烈な迷惑行為者はだいたい、後に悲惨な末路を辿ってるって話だ。 しかしあれだな。 JRR職員って儲かるんだな。 毎度毎度、良司さんは高額なご飯を御馳走してくれてお小遣いまでくれるんだから……あ、だからアイツは一時期JRR職員ばか
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