「そ、そんなはずが……」朝日が言い終わらないうちに、七海が目の前に突きつけた証拠書類に目を通した。望月家の別荘で医者に扮した暗殺者に遭遇した件が、まさか本当に柚希の仕業だったとは?!柚希は表向きは朝日を匿うと言いながら、裏ではすでに彼を始末するつもりでいたのか?朝日は涙を流した。大翔と七海が整理した証拠が、偽物であるはずがない。そのことを知っているからこそ、朝日は傷つき、心臓が苦しくて窒息しそうだった。柚希はこんなにも長い間、彼を騙していた。騙されて、苦しんできた……「すまない!ボスを裏切り、信頼を無駄にしてしまって。どんな処分でも受ける」朝日がそんなに惨めに泣いているのを見て、大翔はため息をついた。「お前が以前、柚希を手伝ってやったことを、一言一句間違えずに話せ」「はい……」朝日が話す傍らで、大翔は耳を傾け、七海は隣でパソコンにその言葉を記録していった。「……以上だ。ハイジャック事件以来、俺は風歌に捕まって牢屋に入れられました」七海はパソコンを大翔に見せ、大翔はそれを注意深く一通り確認した後、パソコンを閉じて、わずかに複雑な眼差しを朝日に向けた。「かつて肩を並べて戦った兄弟として、これが俺たちがお前に会う最後だ。何か言い残すことはあるか?」朝日は目を閉じ、心は死んだように静かだった。「ない。俺が愚かだっただけだ。俺を始末しろ」大翔は笑った。「ボスがお前を殺すと思っているのか?ボスは、お前が生きて懺悔することを望んでいる」大翔は再び時間を確認し、七海に命じた。「誰かを呼んで、こいつを百回くらい鞭打ちにしろ。息の根は止めずに送り返し、刑務所の二つの派閥の親玉に伝えろ。今後こいつに優しくする者は、ボスに逆らうことになると」「はっ」大翔はパソコンを手に取り、振り返りもせずに小屋を去った。間もなく、小屋の中には鞭が空気を切り裂く音と、男の苦痛に満ちたうめき声が混じり合い、それは凄惨で不気味に響いた。翌日、風歌は朝食を終えて出勤した。俊永は食器を片付け終えると、風歌と前後してそれぞれ家を出た。御門グループの当主という身分はなくなったが、俊永が長年築き上げてきた威厳はまだ残っており、加えて40%の株式を保有しているため、御門グループでの発言権は依然として高かった。
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