涙は枯れ果て僕は昔の夢を見続ける。 目を閉じていないのに『見える』のはあの時の光景。 虚ろな瞳が映すのは『あの人』の微笑みと…泣き顔。 約束の地で待ちながら『いつかきっと…』と淡い期待を胸に抱く。 瞬きをすると悲しくもないのに涙が溢れる。 毀れる心の雫のように、いつまでもいつまでも夢幻の中で。 「きっと迎えにいくから」 悲しく微笑む『あの人』は幼い僕の心を置き去りにして消滅した。 「まって行かないで」 そう言えていたあの時とは違くて、今の僕はただの壊れたドール。 どこを探しても見つからない、どうして?なんで? 現実なんて見てもいい事ないから、あの時の思い出に揺られる。 目を瞑れば…もう泣きはしない。 そう思い込みながら、僕は待ち続ける。 例えこの身体が朽ちようとも、関係なんてないから。 「焔(ほむら)君は誰を見ているんだい?付き合っているのは僕だろう?」 「…」 「誰と僕を重ねているの?本当は誰を愛しているの?」 「それは…」 「…僕じゃないのだね。君の心の一番には誰もなれないのか…」 「そんな事…」 「僕を見て『誰』かと重ねないで…傷つく。君は誰も愛するべきじゃないよ」 「…そうかもしれないね」 「焔(ほむら)の心をさらった人以外…君を受け入れてくれると思うのかい?」 「…」 「その人の所に行きなよ。そうすれば一番いい」 「…」 「焔(ほむら)?」 「…それ…が……出来たらいいね」 「え」 「もういいよ。理解してもらおうとは思わないから」 僕を思い出して、君の心を支配するのは他の男なんかじゃないよ焔(ほむら)
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-05-16 อ่านเพิ่มเติม