「……なんで疑問形なんだよ」 俺が思わずそう返すと、ミリアはふわりと微笑んだ。「ユウヤ様と一緒にいると、普通に楽しいですし……命を助けられていなくても、もし知り合っていたら――きっと、結婚を考えていたと思いますわ」 その言葉に、俺の心臓がドクンと跳ねた。不意を突かれたような感覚。息が少しだけ詰まる。「……そうなの?」 思わず問い返すと、ミリアはにこにこと笑顔を浮かべて、迷いなく答えた。「そうなんですっ♡」 その笑顔は、まるで春の陽だまりのようにあたたかくて、まっすぐで―― 俺の胸の奥に、じんわりと何かが広がっていくのを感じた。「そっか……じゃあ、キスしてくれる?」 俺がそう尋ねると、ミリアは一瞬きょとんとしたあと、頬をぱっと赤く染めて戸惑いの表情を浮かべた。 その反応があまりにも可愛くて――つい、意地悪な気持ちが湧いてしまう。「え……?」 ミリアが戸惑いながら見上げてくる。「あはは……♪ 冗談だよ」 俺が笑いながらそう言うと、ミリアはぷくっと頬を膨らませ、唇を尖らせた。「むぅ~っ、ヒドイですっ!」 その拗ねた顔がまた可愛くて、ついニヤけてしまう。「でもさ、ふと思ったんだよね。ミリアからキスって、まだ無かったな~って」「そ、それは……普通は男性からするもので、女性からは……しないのですっ!」 ミリアは真っ赤になりながら、必死に言い訳をするように言った。「そっか。なら、仕方ないか……」 俺は肩をすくめて笑ってみせた。 ミリアはまだ少し不満そうに唇を尖らせていたが、その表情の奥には、どこか満足げな色が浮かんでいた。 ――照れて、怒って、でも嬉しそうで。 そんな彼女の姿が、たまらなく
Terakhir Diperbarui : 2025-07-11 Baca selengkapnya