凛々は最初は何も感じていなかったが、悠里の連続の質問で、彼女の顔は一瞬で熱くなり、見るまでもなく赤くなっているのが分かった。そのことを思うと、凛々はさらに恥ずかしくなった。その時、悠里が突然、自分の手首を凛々の前に差し出した。「見覚えある?」悠里の手にある少し古びたブレスレットを見て、凛々は一瞬言葉を失った。それは子供の頃に流行ったおもちゃで、悠里が欲しがって彼女が買ってあげたものだった。まさか、悠里が今まで大事にしているとは思わなかった。「深く考えないでさ。ただずっと持ってただけだ。今回帰ってきて、君を探そうと思って、またつけたんだ。君がこれを見て、昔の気持ちを思い出してくれたらいいなって」凛々はその場で固まり、どう返せばいいのか分からなかった。その時、青凪から電話がかかってきて、凛々はほっとして急いで出た。「凛々、稲葉は本気であなたを見つけようとしてる。早めに対策を考えたほうがいいよ」青凪の声には疲れがにじんでいた。ここ数日、彼女は辰一に付きまとわれて疲れ果てていた。凛々の笑顔は一瞬で消え、低い声で言った。「分かったわ。彼のことは気にしないで。どう騒ごうと私には関係ない」青凪はため息をついた。「私、本当に大変だったわ。今度会いに行くときは、絶対ご飯をおごってね!」凛々が答える前に、悠里が先に走ってきて電話に向かって大声で言った。「青凪、俺が凛々の代わりにご馳走するよ!」「悠里?」青凪の声が怪しくなり、正気に戻るとからかうように笑った。「凛々、いいご縁だね!」そしてすぐに電話を切った。凛々は電話を握ったまま呆然とした。隣の悠里は彼女の肩に頭を乗せて、無邪気にウインクした。「悠里、お願いだから……ちょっと起きてくれない?」その言葉に、悠里の顔はすぐに拗ねた表情になった。「凛々、そんなに俺が嫌いか?」凛々は悠里が冗談を言っているのを知っていたが、傷つける言葉は言えなかった。凛々が悩む様子を見て、悠里は思わず笑った。「明日は一緒に日の出を見に行くぞ!これは罰だ」そう言いながらスマホを取り出すと、悠里は凛々を友達に追加し、にっこり笑って台所へ食べ物をもらいに行った。凛々は無意識に悠里のSNSを開き、そこには日の出の写真ばかりが並んでいることに
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