俺は試合が終わって一大決心をしていた。「あのー、ノワール殿下。俺に剣術の稽古をつけてくれませんか?今回は魔術アリだったので、俺が勝ったのです。剣術のみだったら、どうでしょう?俺が危惧しているのは剣術の衰えです。殿下の剣術は素晴らしい。是非殿下に剣術を指南していただきたいのです!」「うーん、愛刀の礼もあるし。いいよ。私の時間が空いてるときに。ルーフェス殿の従魔たちにも会いたいなぁ」「従魔達にも伝えておきます」「私との時間以外は騎士達の所にいると助かる」 それは……騎士達が嫌がるだろうなぁ。しかし、殿下の命ならば……。俺も木刀のみにしよう。剣術を鍛えたいし。従魔達は一匹ずつだな……。あの地獄絵図が頭から離れない……。 その日のうちに従魔達には俺が殿下に剣術指南を頼んだという話をした。「主なら直ぐに剣術も達人になるだろう」と従魔達にお墨付きをもらった。そ・う・す・る・と?俺は晴れて『魔術騎士』というものになれるのか!!なんだか響きがいいな♪気分が上がる。今まではかなり魔術に頼った生活してたもんなぁ。主に付与魔術。はて?剣術って日々の生活にどう役立てるんだろう?包丁はきれいに研げる。しかし、これは剣術ではないだろう。護衛とか?だとどっかのギルドに登録しなきゃならないのだろうか?まぁ、それは追々だな。今から頭の中で捕らぬ狸の皮算用しなくてもいいだろう。ある程度上達したら、殿下に相談しようかな? 「そうだな。剣術は日々の生活には役に立たないなぁ。騎士なら……しかしそれだって護衛対象や賊がいてこそだし。難問を持ってくるとは、流石だなルーフェス殿」 「いやぁ、『魔術剣士』という響きは今はいいのですが、日々の生活ではどう役に立てましょう?と思いまして。魔術でしたら、付与魔術を用いて生計を立てることができます。しかし、剣術となると、どうでしょう?包丁を上手く研げるようになるでしょうね。それだけでしょうか?」 「うむ、私もその点は思う所がある。今よりもずーっと平和な世の中になった場合、剣術はどうなるのだろうか?と。包丁を研いで生計を立ててもよいが、それだけだろうか?と」 やはり殿下をもってしても悩む問題のようだ。ムズカシイ。 「とりあえず現段階では剣術大会として剣術を残そうと思う。同時に研鑽してもらえればとも思う。私は魔術より剣術派だ」 そうか、剣術
Huling Na-update : 2025-07-18 Magbasa pa