伝説の男、無双しながらショーバイする。

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last updateLast Updated : 2025-07-21
By:  satomiCompleted
Language: Japanese
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伝説の男、ルーフェスは商人をしている。もちろんただの商人ではない。ちょっと弱そうな武器や防具も実は彼が付与魔法をかけてあるので、強力。 当初は看板犬(?)のリルリル(フェンリル)だけだったけど、徐々になんだか従魔が増えています!

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Chapter 1

第1話 伝説の男の店

「いらっしゃいませ!」

「なんだ、外のボロいのは見せかけで、掘り出し物があったりするかと思ったら最悪だな」

男は店に飾ってある鉄の盾の値段を見て言った。

「はぁ?ぼったくりか?ただの鉄の盾でこれはないだろ?」

「はぁ、ただの鉄の盾ではなくちょっとした魔法を付与してあるので」

「よく見たら、店中初心者用の武器や防具だらけじゃねーか?」

(それで間に合うから…)

「だいたい、俺の事知らないってモグリか?俺はあの(・・)有名な新進気鋭パーティー‘紅蓮の獅子’のリーダーだぜ?」

「はぁ(だからどうした?)」

「初心者用の武器や防具に用はないな」

そのとき、うちで飼ってるリルリルが「グルルルル」と威嚇した。

「へっ、犬ころの威嚇なんて怖くねーよ。多分もう来ねーよ」

俺の店はただの武器や防具を売っているわけではなく、それにその時に適した魔法を付与しているので、値が張る。

あいつが見た鉄の盾は…確か防御力マシマシの魔法を付与してるし、盾も自動再生するようにしていたはず!

 それと、看板犬のリルリルは俺が使役しているフェンリルの仔犬バージョン。そのままの姿で店にいさせられないからね。

 そんな俺は、知る人ぞ知る伝説の剣士&魔法使いのルーフェス(平民)。

 いやぁ、功績から騎士爵って話もあったんだけど、貴族の付き合いは面倒だから断った。

 多分さっきの‘赤い猫?のリーダー’と戦っても俺が勝つ自信はある。駆け出しのひよっこと戦ってもなぁ。若手は育てた方がいいに決まっている。

 そんなわけだけど、王様からの依頼で剣と盾がそれぞれ100。弓も100。矢が1000。と依頼があったけど、「無理です」と突っぱねて、(だって剣は切れ味抜群に付与。盾は前述の付与。弓は弦が切れないように、矢は命中率100%を付与)は体力的に無理。「全部10分の1しか納品できませ~ん」とお返事をしました。

 矢の命中率100%は魔法で付与できるけど、弓矢を扱う人間の技量がド下手になっては元も子もないだろう?

 剣だって、愛剣を大事に自分で研いでナンボじゃないのか?俺だけなのか?俺は研いでたぞ?

 店の宣伝もしなきゃなぁ。

「いらっしゃいませ~」

 ん?俺はその時に来た超初心者のパーティーを店の宣伝に使おうと考えた!隠れ王家御用達なんだけどね。そう言えば店の名前決めてなかったなぁ。

 店の名前、『リルリルがいるよ♪』でいいかな?面白そうだからこれで決定しちゃおう。そのうち、うちの武器をイカツイ戦士のオッサンとかが買いに来るようになったら、そのオッサンはこの店に来るときに「うむ、ちょっと『リルリルがいるよ♪』で武器を調達してくる」とか言うんだぜ?ちょっと笑える。看板で出すわけじゃないし、もっと楽しめる名前にしようかな♪

 『リルリルLOVE♡』とか?

 あ、お客さんがいるんだった。うん、初心者っぽいから合格!俺も付き合うから、一緒にダンジョンに潜ろう!リルリルもいるよ♪

 「うちの商品は全部無料で提供するから、俺とこのリルリルと一緒にダンジョンに潜ろう!」

 初心者パーティーのリーダーらしき男は答えた。

「俺らは初心者の集まりだし…」

 リーダーらしき男は頬をポリポリ掻いている。

 無視して話を進めよう!

「うーん、リルリル…実はフェンリルなんだよね」

 俺は顔をポリポリ掻きながら答えた。仔犬姿じゃ信じられないかな?

「えっ、伝説の…魔獣…。今は仔犬にしか見えない……」

 リーダーらしき男は腰を抜かしかけた。…そんなに驚かなくても。可愛いのに…。

「一応、この店の看板犬してもらってるから。それで、ダンジョンなんだけどさぁ。リルリルも連れて行こうと思ってるし」

「いやいや、伝説の魔獣を従えているんですか?あなたは何者なんですか?」

「平民のルーフェスって名前です。特技は武器とかに魔法を付与できること。職業は剣士と魔法使い。今は魔剣士って言うの?いやぁ、最近の言葉はわかんないね。もうすっかりオジサンだよ(笑)」

「「ははーっ」」

 初心者パーティーの皆様が平身低頭どころかドゲザをした。俺の話は聞いてたんだろうか?

「いやいや、頭を上げてください。俺の目的は、この店の宣伝をすること。君達はダンジョンに潜れば多分かなりレベルアップするだろう?」

「たしかに……」

よし、もう一押しだ。

「そ・こ・で、俺が魔法を付与した武器・防具を装備してもらう。見た目、弱々の超初心者装備だけど、俺が魔法を付与してるからねぇ」

「付与で普通レベルの武器・防具まで上がってるんですか?」

「うーん、まず剣の切れ味は最高だろ?防具は軽くて魔法も効かないし、物理攻撃に耐性もある」

「それって無敵じゃないですか?」

 まあ、そうなんだけど。今回はこの店の宣伝用で大サービスだな。

「装備に胡坐をかいて本質的に弱くなってもらうのは、俺の望むところじゃないからな。武器・防具の提供は今回限りだ」

「楽しそうですね」

「だろ?普段バカにしてくるようなアホなパーティーを出し抜けるんだ、最高じゃないか?‘赤の猫’だっけ?」

「……もしかして‘紅蓮の獅子’ですか?彼らなんてきっと俺達みたいな弱小パーティーなんか眼中にないだろうなぁ」

遠い目でどこかを見てる。俺はちょっと呆れられた。……ショック。だってオジサンは物覚えが悪いんだもん!

「あー、それが本名?馬鹿にしてきたし、本質が見えてないからどうでもいい」

 興味ないし。ダンジョンで多分俺らの敵じゃない。

「じゃ、契約な」

 俺と超初心者パーティーは契約をした。俺の方からは100%魔法付与した武器・防具を貸すから、一緒にダンジョンに潜る。彼らは一緒にいることで得られる経験値で大幅レベルアップ。

 商人としては、きちんと契約書を書いた。

 そういえば、俺の名前売れてるんだな。知らなかった……。店の看板には出さないでおこう……。思えば、初心者パーティーにはリルリルが威嚇しなかったな。威嚇する・しないの基準はなんなのだろう?不思議だなぁ?

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第1話 伝説の男の店
「いらっしゃいませ!」「なんだ、外のボロいのは見せかけで、掘り出し物があったりするかと思ったら最悪だな」男は店に飾ってある鉄の盾の値段を見て言った。「はぁ?ぼったくりか?ただの鉄の盾でこれはないだろ?」「はぁ、ただの鉄の盾ではなくちょっとした魔法を付与してあるので」「よく見たら、店中初心者用の武器や防具だらけじゃねーか?」(それで間に合うから…)「だいたい、俺の事知らないってモグリか?俺はあの(・・)有名な新進気鋭パーティー‘紅蓮の獅子’のリーダーだぜ?」「はぁ(だからどうした?)」「初心者用の武器や防具に用はないな」そのとき、うちで飼ってるリルリルが「グルルルル」と威嚇した。「へっ、犬ころの威嚇なんて怖くねーよ。多分もう来ねーよ」俺の店はただの武器や防具を売っているわけではなく、それにその時に適した魔法を付与しているので、値が張る。あいつが見た鉄の盾は…確か防御力マシマシの魔法を付与してるし、盾も自動再生するようにしていたはず! それと、看板犬のリルリルは俺が使役しているフェンリルの仔犬バージョン。そのままの姿で店にいさせられないからね。  そんな俺は、知る人ぞ知る伝説の剣士&魔法使いのルーフェス(平民)。 いやぁ、功績から騎士爵って話もあったんだけど、貴族の付き合いは面倒だから断った。 多分さっきの‘赤い猫?のリーダー’と戦っても俺が勝つ自信はある。駆け出しのひよっこと戦ってもなぁ。若手は育てた方がいいに決まっている。 そんなわけだけど、王様からの依頼で剣と盾がそれぞれ100。弓も100。矢が1000。と依頼があったけど、「無理です」と突っぱねて、(だって剣は切れ味抜群に付与。盾は前述の付与。弓は弦が切れないように、矢は命中率100%を付与)は体力的に無理。「全部10分の1しか納品できませ~ん」とお返事をしました。 矢の命中率100%は魔法で付与できるけど、弓矢を扱う人間の技量がド下手になっては元も子もないだろう? 剣だって、愛剣を大事に自分で研いでナンボじゃないのか?俺だけなのか?俺は研いでたぞ? 店の宣伝もしなきゃなぁ。「いらっしゃいませ~」 ん?俺はその時に来た超初心者のパーティーを店の宣伝に使おうと考えた!隠れ王家御用達なんだけどね。そう言えば店の名前決めてなかったなぁ。 店の名前、『リルリルがいるよ♪
last updateLast Updated : 2025-07-10
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第2話 伝説の男 ダンジョンに行く
マグゥ王家も参加する(?)ダンジョン攻略に俺達も参加することにした。マグゥ王家には俺が魔法を付与した武器・防具を売りつけてある。俺達は、俺は普段通りで、超初心者パーティーの皆様には強力に魔法を付与してある武器・防具を装備してもらった。赤猫ちゃんも参加するみたいだ。「あれあれ~?超初心者パーティーが王家が参加するようなダンジョンの攻略に参加するみたいだぞ?命知らずだな。あぁ、ダンジョン内にギルドで採集しなきゃなんない薬草とかあるのかな?ガハハッ」と笑っている。正直なところ……この場で一番脆弱な装備をしてるのは赤猫ちゃんのパーティーなんだけどなぁ……。 早速ダンジョンに潜ることにした。ダンジョンに潜るだけだし、俺は魔法を使う必要は恐らくないだろう。 マグゥ王家の連中も結構苦戦している。普段の鍛錬が足りないからだ。俺は心を鬼にする。 赤猫ちゃんのパーティーはもうボロボロ。「こんなはずじゃないのに……俺らがダンジョンを攻略して、陛下に報償を貰い、確固たる地位を確立するはずだったのに、なんてザマだよ」 ほう、煩悩まみれだな。地位と名声と財産目当てか。まぁ冒険者なんてそんなもんだよな。 超初心者パーティーはというと、魔法は効かないし、物理攻撃も効かない。メンバーは「ギャー!」とか怯えた声あげてるけど、怪我はまるでしていない。  しかたがないので、ダンジョンの敵は俺とリルリルで倒している。マグゥ王家の面々も頑張ってはいるけど、倒し漏れというのがあるわけで……。  第56層、結構下層の方まで潜ったと思う。敵がアンテッド一色となった。アンテッドは面倒だなぁ。聖水使うのはもったいないし……。お金はあるけど、貧乏性は治らない。 やむを得ない、最後の手段。俺が魔法を使おう。面倒だなぁ。でもアンテッドだし。リルリルすら使えない。 俺は聖属性の魔法を使って第56層のアンテッドを一掃した。(つもり) マグゥ王家のパーティーにやたらと拝まれた。倒し漏れは燃やせばいいかな?物理攻撃は中途半端にしても復活しちゃうからなぁ。 ちなみに俺は全属性の魔法が使えます。全属性というか、俺に限りなんでもアリです。マグゥ国王陛下にも言ってない。コキ使われそうだから。 第57層が最奥のようだ。ボス?リルリルの仲間?「リルリル?知り合い?」「知っている奴ではない。どっちかとい
last updateLast Updated : 2025-07-10
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第3話 フェンリルが二匹ですけど、何か?
 マグゥ王家の連中暇なの?鍛錬に時間割いた方が有益だよ? というのも、ダンジョンから出たらいきなり攻撃された。まだ結界解いてないんだけど。「最初から仕組まれていたのだな?伝説の男だと思っていたのに我らを裏切るとは!」 裏切ってないし。裏切るならもっと地味ーに裏切るよ。そもそもその装備はマグゥ王家の要求通りに魔法付与してんじゃん。「その証拠に討伐すべきフェンリルを仲間としている!」 うーん従魔になったんだけどなぁ。俺の方がダンチで強いから。超初心者パーティーの連中がビビるからそういうのやめてほしいな。「俺が一人でマグゥ国王陛下に会うよ。それでいい?」「元・伝説の男ルーフェスを連行する!」 結界を解いた。 こうして俺は連行された。あぁ、赤猫ちゃんパーティーは息も絶え絶え、ダンジョンの崩れた壁(?)から出てきて、なんか「覚えてろよ!」と去っていった。何を覚えていればいいのだろう? 話は戻すが、何?この弱い連行。他の連中もこんな感じなの?捕縛したならきっちりしないと逃げちゃうよ?「もっとちゃんと捕縛しないとー。陛下に奏上して兵の鍛錬の強化してもらわないとダメだなぁ。こんなに弱々なのかぁ。期待はずれだな」「なんだ、お前マゾなのか?」 お前扱いになった。ちょっと前まで『ルーフェス殿』だったのに、変わり身速いよなぁ。「違うけど、こんな方法だったらいくらでも逃走できちゃう。本気で捕縛しないとー。そもそも、俺を連行してるんだ。俺は大人しくしてるけどさぁ。俺レベルなら本来二重・三重の檻にでも入れて連行すべきだと思うんだ。あ、本人には魔術使えませーんって手錠つけて」 俺は目隠しもされていないし、魔術も使い放題で檻にも入っていない。後手を縄で結ばれてるだけ。でもこれだと、縄抜けができる人ならいくらでも逃走可能。魔術を使えばさらに逃走が楽に!やはり、陛下に奏上すべき問題だよなぁ。うん。「着いたぞ」 俺は陛下の前に蹴り出された。何も蹴らなくても……。「ご無沙汰してます。陛下はご機嫌麗しゅうございます」 言いながら、俺は魔術で縄を解いた。「恐れながら、陛下に申し上げます。この連行方法は非常にしょぼいです。誰の考案ですか?私のような人物を連行するならば、魔術封じの手錠をし、手・足を縛り、猿轡をし、目隠しをし、その上でせめて…せめて、一重の檻に入れるべき
last updateLast Updated : 2025-07-11
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第4話 伝説の男は商人です。
 リルリルに乗って移動したので、すぐに火龍の元についた。 なるほど、暑いな。 へー、あれが火龍かぁ。せっかくだから、氷で作った檻に入れてみよう。「今までのやつよりも強いやつが現れたな。しかし、この私に勝てるかな?」火龍は氷を解かそうとブレスを吐いた。灼熱の吐息。「熱そうなんだけど、一応檻に入れた段階でブレス対策はしてるんだよね」 ルーフェスが言ったように、火龍のブレスが檻の中に戻っている。決して檻からは外に漏れない。ただでさえ暑いのに。「熱くない?」 檻の中はさっきのブレスの火で満ちている。「火龍だから平気だが、精神的にダメージを受ける……」「物理的にも強力な檻だよ♪俺は思うんだよね。対話をしないで蹂躙するのはいかがなものかと……」「そうだな」「今回、火龍の貴方が暴れた理由は?」「…っ、それはだなぁ。なんだか、俺の封印が解けたんだよ。理由は不明。封印されていた場所なんだが、久しく封印されていたからなんだろうな。なんだか、神殿のようになっていた」 あぁ、龍ってよく神聖化されているからなぁ。なんだか苦労してるんだなぁ。「それで、解放感から空に向かって一発咆哮した。遠目で見ても火柱が上がったと思う」 そうだろうな……。でもそれは、やり過ぎと言えばやり過ぎだけど……。解放感からだもんなぁ。やりたくもなるだろう。「だってもう数百年以上封印されてたんだぜ?そこからの解放ったらないぜ?」 そう思う。しかしだ!今現在の人間からすると火龍の解放は脅威でしかない。「しばらくしたら大軍が押し寄せてよぉ。まぁ、俺様の相手じゃなかったけど?」 俺は現在の人間の軟弱さとか常識をこの俺様火龍にコンコンと説明をした。なんと3徹をするハメになった。 リルリルは途中から寝ていた。『いいなぁ』と横目で見ながらの説明だった。 結果:俺様火龍も俺の従魔となった。サイズは胸ポケットに入るくらいにしてもらった。店ではふよふよと浮かんでいる。 正体は客に伏せておくことにした。とりあえず、『ドラゴン』とだけ伝えた。 俺の店はというと、赤猫ちゃんのパーティーメンバーも買いに来るようになった。リーダーはプライド高いのか?「行かない!」と言ったらしい。 日常の装備でも俺の魔法の付与でかなりのレベルアップが期待できる。 本音は「技術を鍛えた方がいいよ」なんだけどなぁ
last updateLast Updated : 2025-07-12
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第5話 伝説の男の従魔は増える。
 そういうわけで、俺は店に帰った後にみんな(リルリルとフェンと俺様火龍)に報告した。「俺は思うんだけど、オロチっていくら頭が8つあっても、でかい蛇だろ?俺に比べたら赤子みたいなものじゃないか?」 そう言われても…俺様火龍の赤子バージョン知らないから何とも言えない……。リルリルとフェンも閉口してる……。「そんじゃあ、今回はリルリルとフェンがお留守番しててね。美味しそうな獣がいたら途中で狩ってくるから~♪」 と、俺と火龍で東の邪悪な気配がする方へ行った。お遣いのように出掛けた。「なあ、俺を火龍の背中に乗せてくれねぇ?そんでひとっ飛び~♪とはいかないのか?」「それは火龍のプライドだ」 そのプライドだって俺の従魔みたいのになってる時点でないじゃん。「それに、逆鱗があるから触ると危ない。付近が文字通り火の海になる。と思う。今まで触った人いないからわからん」「えー?逆鱗に媚薬的効果があるかもしれないじゃん」「それはそれで俺は嫌だ」 俺も嫌だ。 そんなわけで、俺と火龍は徒歩で東へと進んでる。とはいえ、普通の人のダッシュ位のスピードか?火龍は浮いてるからいいよなぁ。「浮いてるだけだと思うなよ。これはこれで、結構疲れるんだ」「休息はどうやるんだ?」「最悪、寝る。ヒトとか他の動物と変わらないなぁ、そこら辺は」 ※これらの会話は移動中のもの(ダッシュしながらの会話)です。「邪悪な感じがする東の方……」そんなで多分4日くらい走り続けたんじゃないかなぁ?途中「疲れた!」って火龍から苦情が何度もきたからなぁ。 フェンが鍛えたはずの軍がなす術もなかったんだから、それなりに強いんだろう。 多分あいつだ!「すいませんが、あなたが最近ここら辺を騒がせている8つの頭を持つという大蛇さんですか?」「あ゛あ゛っ?煩いなぁ。そうだが?」「なんか、苦情が出ていまして討伐依頼なんですよ~」「出来るもんならやってみろ!」 多分できるけど、まずは話し合いをしたいんだよね。「生意気な蛇だな?シメるか?」 話し合いって言ってるのに、俺様火龍は物騒なこと言うなぁ。「あ、これはこれは火龍の旦那!お久しゅうございます!」「うむ。大人しく言う事を聞け。我が主には逆らうな!」「しかし、たかが人間一匹ですよ?」「我が主を侮辱するか?」「申し訳ありません!」 なんだか
last updateLast Updated : 2025-07-13
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第6話 伝説の男、の従魔について告げ口される。
 そんなわけで、今俺の店は俺の従魔で大賑わい。ふよふよと二匹浮かんでいるし、足元には看板犬(?)が2匹いる。 火龍の時は、火龍バブルみたいのがあったけど、今は暇だな~。「噂が聞こえてくるんですけど、ヤマタノオロチ君も従魔にしてるから最近の騒ぎは自作自演とか」 なんだと?あの助けてやった恩知らず達が嘘を言いやがったのか?リルリルもフェンも耳がいいからな。「誰だ?そんな嘘を言ってるのは?」「結構多くの冒険者かと……」 つまり客足が遠のくという話だな。「クソゥ、陛下の所に直訴に行くか。お前ら!俺の影に入れ」「「「「出来ません!!」」」」「…仕方ない。ポケットサイズになるんだ」  こんな準備をして俺ら1人と4匹は王城に行く。なんなら、戦争だー!!「たのもうぉおぉぉぉぉ!」 俺は王宮の門で叫んだ。当然相手にされない。「ヤマタノオロチ君、門番の二人をちょっと寝かせてくれる?」 我ながら優しいと思う。「これから陛下の所に行くぞぉぉぉおぉぉぉおぉぉおおぉ!」 きちんと宣言をしてから行くことにした。アポイントはちゃんと取らないとね。 ヤマタノオロチ君に行く先々で会う人を眠らせてもらって、謁見の間まで到着した。 俺は謁見の間の戸を開けた。戸が重い。いつもはそこらで寝てる兵士の人が開けてくれてるからなぁ。「陛下!管理不行き届きです!この間石化を解いてこちらに帰した偵察の人、またしても自作自演とか吹聴してくれちゃってるみたいですね。おかげでお店の収入があがったりです。ヤマタノオロチ君は彼から従魔になると言ってくれたので、全くそれまでは私と面識はありません。従魔にしている火龍とは面識があるようですが、火龍自体復活が数百年ぶりですから、私の自作自演というのは難しいでしょう。もう、こんなならやはり石化を解かないでそのままおいてくればよかったかなぁ?」「なんと!?そのようなことがあるのか!?恩を仇で返すようなことをして、全くもって情けない。遅れて帰ってきた偵察のやつ2人だな?」「人数もあっているのでそうでしょう」「その2人にはキツイ処罰を下そう」「せっかく石化を解いたってのにお礼もなしだったしな。減俸とかは生温い!いっそのこと、去勢してしまうというのはどうでしょう?石化したままよりも動けるようになったんだから御の字ですよ!」「なかなかエグイ処罰
last updateLast Updated : 2025-07-14
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第7話 伝説の男、鍛錬する。
 はてさて、俺も自分の鍛錬をしたいところだ。 どっか荒野あるかな?そこで4匹の従魔と対戦しよう。最近魔法は使ったけど、剣は使ってないから、剣術の腕が鈍ってるかもしれないしなぁ。 そうだ!隣国へ行こう! 隣国の兵士は剣術に長けていると聞く。ここは一つ手合わせを……。 早速俺は店を休業にして隣国へと旅立った。 マグゥ国王には隣国に拠点を移したと誤解され、かなり焦った。確かにマグゥ国の軍隊はヘッポコだけど、店があるし。 いつものようにダッシュで旅を続けた。 5日間くらいかかったかなぁ?リルリルとフェンは走ってついてきてたけど、俺様火龍とヤマタノオロチ君は手のひらサイズになって、俺かリルリルに乗っかってたなぁ。正直、ズルい。 そして着いた、隣国・ルージュライブ。 軍隊が強いことを祈ろう。王女を輿入れするくらいだし、ルージュライブ自体国力あるんじゃないかと俺は見る! ルージュライブ国王に謁見を求めた。ルーフェスって名前、便利だね。こういう時。アポイントなしなのに会ってくれるって。ありがたや~。 「従魔共々この国にお邪魔しています。用件はこの国の兵士が強いとお聞きしまして、ひとつお手合わせを願いたいと思いました。お手合わせできるでしょうか?」「ルーフェス殿にそう言ってもらえるとは有り難いやら、この国の兵でよろしければいくらでもお貸しします。場所はいつも騎士達が鍛錬している場所でよろしいかと…」「いやぁ、最近魔術を使う機会は多いのですが、剣術を使う機会になかなか恵まれず鈍ってそうで。いやはやお恥ずかしい限りです」「ご謙遜を。どうぞうちの騎士達を使ってください。なんなら騎士達に御指南頂けるとありがたいですな。はははっ」 王族も貴族みたいなものだ。恐ろしい。隣国のルージュライブが強くなったあかつきには、うちの国に侵攻でしょうか?恐ろしいなぁ、全く。 騎士達の鍛錬場に着いた。 男のむさくるしい声が轟いている。はれ?女性の騎士もいるようだ。珍しいな。「彼女はうちで一番強いんですよ」 どこから現れたんだ?この男は?「陛下から案内を仰せつかりましたトーマスと申します。よろしくお願いします」「はぁ、よろしくお願いします。トーマスさんは前職暗殺業とか?気配を消すのがお上手だから」 トーマスさんは内緒というように口の前に人差し指を立てた。「俺は何を
last updateLast Updated : 2025-07-15
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第8話 伝説の男、スカウトされる。
そんな時に、のん気にルージュライブ国王が現れた。「いやいや、素晴らしいなぁ」 (そうか?地獄絵図…。一方的に見えなくもないけどいいのかな?)「ルーフェス君、ルージュライブに移住しない?」  おお、向こうの国王が恐れていた事態が起きた。「俺は今は一介の商人ですから」「そんな謙遜をして、今でもうちの兵力が全く歯が立たないじゃないか!素晴らしい」 それが?「俺は商人として生きたいので、兵力としてならゴメンですね」 俺は商人として生きたいんだ。副業が魔剣士(最近覚えた☆剣士+魔法使い=魔剣士)。「フーム。では店をこの国で開くといい。マグゥ国王に反対されてる?あぁ、隣国だが、あの国はなぁ…領土ばかり広くて中身がスッカスカという感じなんだよなぁ」 わかるぅ。あのヘッポコ軍隊とか、赤猫ちゃんとか。中身が伴ってないんだよ。「近々侵攻して吸収合併する予定だったから、いいだろ?」 うん、まぁ。あの国王が俺の事を国の戦力の一部と考えているかもしれないが、そういうわけにはいかないんだよなぁ。なにせ俺は今は一介の『商人』だからなっ。本当に近々だった……俺がルージュライブにいる間に吸収合併は終わっていた。マグゥ国王に『裏切者!』とか言われたが、裏切ったつもりは全くない。偶然、ルージュライブにいただけだし。俺はマグゥ国の戦力じゃないし。そんなことを考えている間も従魔達は修行中。そちらは皆(兵士を含め)疲労しているようなので、遠くからだけど俺は疲労回復の魔術を唱えた。皆が元のように元気になるといいな。 そのころの従魔のあたり「なんだ?今までの疲れがなくなった。もう3日は続けて戦ってるから疲労困憊・睡眠不足でヘロヘロフラフラだったのに!」「「「俺も!」」」「主がお主らにも回復するように魔術を唱えたんだろう。俺達4匹もピチピチに元気だけどな。さて、第2ラウンドだ!」 そう言ってリルリル達は戦い(修行)を続けた。 俺はというと、乱取りで少しは剣術の勘を取り戻したんだろうか?女性騎士との1対1の対戦となった。「女だからって舐めてかかると、痛い目に遭うわよ?」「あのー、戦いの前にお名前をお聞きしてもいいですか?あ、俺はルーフェスです。平民です」 女性騎士はすごくためらっている。何故だろう?「トーマスさん、教えてもらえますか?」「私には大事な家族がいる
last updateLast Updated : 2025-07-15
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第9話 伝説の男、妙な噂になる。
 近頃、商売をしているとやたらと絡まれる。魔法で拘束して、店の前に捨てるけど。あ、拘束したあとに理由を聞いたらビックリ。「ルーフェスなんて、カコの栄光だろ?従魔は確かに強いけど、本人はどうだかね?本人を叩けば実は弱かったりするんじゃね?」 などという噂がルージュライブでは立っているらしい。 うーん……俺自身が強いから強い子が従魔になってくれているんだけどなぁ。今はそんな時代じゃないのかな? さすがに騎士さん(とその関係者さん)はこの間王宮で滅多打ちにしたからこないけど、滅多打ちにしたけどその後ちゃんと治療したし。 流れ者がなぁ。 うちの従魔達が憤慨して、店の雰囲気がピリピリしちゃってるからどうもなぁ。 どうしたらいいもんか。「いいか?よく聞け!東の方の言葉で‘弱い犬ほどよく吠える’という言葉がある。それと同様に、今の状態があるんだ。よ~く考えろ。俺に挑んでくるやつは増えたが、全員拘束して店の外に捨てているだろう?弱い犬が勝手に吠えて自滅してるだけなんだ。なにも従魔をしているお前たちがピリピリした空気を出さなくてもいい。でもなぁ、店で大暴れするわけにいかないし…。ルージュライブの国王に言って、武闘会みたいの開けないか相談しよう。俺が強いのが証明されればいいんだよな?場所も国王に決めてもらい、優勝でもすればいいだろう」「「「「わかりました」」」」 そうして、俺は国王に挨拶に行く前まで時間があるから、どっからどう見ても初心者装備にめちゃ強い魔術を付与していた。……内職のようだ。魔力使うから疲れるんだけど。  ルージュライブの国王に謁見する日。俺は一応ちょっとは緊張した。「あのですね、噂で『連れてる従魔は強いけど本人は実は弱いんじゃね?』というものがありまして、最近店にならずものがやってくるのです。営業妨害ですね」「で、ルーフェス君はどのように対処を?」「とりあえず拘束して、店の外に捨ててます。でも正直埒が明かないんですよ。店で大暴れはできないし……。そこで、ルージュライブ国王主催で武闘会とか開催してもらえませんか?トーナメント方式にして、そこでなら俺も大暴れできます。相手が強い場合ですけど。相手次第で拘束して武舞台から退場になるように拘束して、場外に捨てます。そこで、俺が優勝でもすれば噂など吹っ飛んでいくでしょう?」「しかし、新たに伝
last updateLast Updated : 2025-07-16
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第10話 伝説の男、活躍する。
 武闘会当日。天高く馬肥ゆる秋。肌寒いけど、動けば熱いだろう。 ルーフェスは従魔達を店に置いてきて、単身戦うことにした。 控室で、「あれあれ?あれはもしかして伝説の男のルーフェス様?でももう何年も昔の話だよな」「一緒にいる従魔は強いけど、本人は平和ボケしてるんじゃないか?」 俺もそれは思う。とくに剣術については使う機会がなくて鈍ってないかドキドキ。魔術はホラ。付与で使ってるからいいんだけど、剣術はなぁ。今日は剣術を主に使っていこうかな?せっかくだから愛剣を磨いておこう。 「ぷっ、伝説の男の愛剣はどんなに立派な剣かと思ってたけど、見た目普通じゃん」 見た目はな。一応切れ味について良くなるように付与したが、愛剣だし自らも心をこめて研いだ。ほぼ実践で使うのは久しぶりだなぁ。 この久しぶり感に浸っている間も俺は結構周りの選手から罵詈雑言言われていたみたいだが、まさに聞く耳は持っていなかった。というか、本当に聞いていなかった。 試合が始まる。「第一試合、マイス対エレフ」 俺が見たところ筋肉のつき方が違うな。これは……エレフの勝ちか?およっ?マイスがいい感じに魔術を放って逆転勝利かぁ。そうだよな。これは実践に近いんだよな、魔術だってアリだよな。 やっとこさ、俺の出番となった。参加者多いんだな。まぁ、優勝賞金かなりあるもんな。一生遊んで暮らせる?ってくらい出るし。「第17試合、ルーフェス対イボヂキレヂ!」 わぁー!っと歓声が上がるが。それよりもだ。俺はこんな名前のやつに負けたくない。「俺は優勝賞金で改名をしたい!切実だ!」 そうだなぁ。この名前で生活を強いられるのはきついな……。「俺もその名前の人間に負けたくない。陰口で『アレがイボヂキレヂに負けたルーフェス』って言われるんだろ?それはちょっと…。それと改名なんだけど、役所にいけば必要書類を提出すれば無料で改名できる」「そ、そうなのか?……改名してから参加するって書類提出すればよかったな。なにしろ、俺は優勝するつもりでいるから」 そうなのか??俺の求めるような猛者だろうか?楽しみだ。「試合開始!!」 試合が始まった。 イボヂキレヂは動きが鈍かった。ガッカリ。太刀筋はまぁまぁ。これで優勝するつもりだったのか?どこからきた田舎者だ? 剣を受けた時に、イボヂキレヂの剣に脆くなるような魔術を付与
last updateLast Updated : 2025-07-17
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