五か月後、白木家からいい知らせが伝えられた。次女の夏希が身ごもったのだ。彼女が先天的に不妊とされていたが、茂人との新婚旅行の折、秘術を得意とする名医に出会った。医師は「しばらく処方した薬を飲めば、不妊も癒える」と断言した。本来、夏希と茂人は一生子を持たない覚悟を固めていた。彼女の信頼を得るために、茂人は不妊手術さえ受けていたのだから。しかし名医との出会いにより、夏希の説得で彼は手術を解除し、試してみることにした。そして奇跡は起こった。夏希の体は癒え、茂人との間に新しい命が宿ったのだ。白木家も明石家も歓喜に包まれた。まるで神様から授かった祝福のようだった。夏希自身も、この子を心から大切に思った。数か月後、二人の子供たちが誕生した。男女の双子だった。両家は満月の祝いの日に盛大な宴を開き、茂人はその折、子どもたちの写真を刑務所の伸光へ送りつけた。伸光がすでに転落の衝撃で知能を失っていた。それでも写真を目にした瞬間、一晩中狂ったように叫び続けた。だが、看守たちは哀れむどころか冷ややかに吐き捨てる。「自業自得だ。お嬢様を裏切り、不倫して子まで作り、最後は正気を失った。家も潰れた」「聞いたか?継母が死んだと知った途端、親父も病院で息を引き取ったらしい」「こいつも時間の問題だな。重婚なんて、大胆不敵にも程がある……」その三日後、同房の囚人が朝目覚めて悲鳴を上げた。伸光は、すでに房内で首を吊って果てていたのだ。一方その頃、遠く異国にいる夏希は、国内での出来事を何も知らずにいた。彼女の毎日は幸せに満ちていた。とりわけ、双子の愛らしい寝顔を見つめるたび、胸いっぱいの感謝が込み上げる。「茂人、ずっとそばにいてくれてありがとう。あなたのおかげで、もう一度人生の美しさを信じられるようになった」夏希は茂人の胸に身を寄せ、揺りかごを優しく揺らす。二人の子は安らかに眠っていた。「こちらこそ、ありがとう」茂人は彼女の頬に口づけ、低く囁いた。「僕を受け入れてくれて、一緒に家庭を築いてくれてありがとう」夏希は笑みを浮かべ、茂人の腕を抱きしめ、顔を上げて彼の口づけに応える。風が庭を吹き抜け、花がそよぎ、花びらは舞い散り、甘い香りが漂っていく。
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