私は待ち合わせ場所に向かった。 今日、私は彼と会う。 私の気持ちは、今卓也さんに傾いている。 傾いているけど、まだ迷いがある。 運命で足りないのであれば、何があればいいのだろう。 もし彼と会い、運命、そして現実を超えるものが見つからなければ、今日彼にお別れの言葉を言う。 それぐらいの覚悟がないとすぐに揺らいでしまいそうだから。 もう二人の間でふらふらしない。「今回は、一番初めに行ったカフェなんだね」 彼はそう言いながら、私の隣りまで走ってきた。 急いで私のもとに来るワンコのような彼の姿を見て、私は自然と笑顔になっていた。「そうだよ。佐々木くんとの再会の場所だからね」 私は小さな嘘をつきながら、店内に入っていった。 本当は再会した後で、一番彼に心がときめいた場所だからだ。「僕たちの運命が再び動き出したところかな」 彼はそう言いながら、顔を少し赤くして向かいの席に座った。「前も思ったけど、言って顔を赤くするなら言わなきゃいいのに」 私は笑いながら、ツッコんだ。「いやだってさ、なんかかっこよく言いたいじゃん」 彼は子どものように頬を膨らませていた。 彼の意外な一面をみて、胸が弾んだ。 まだまだ知らない彼がいると思うと別れを考えるのが惜しくなってくる。「なにそれ、おもしろい」 今私は自然と笑っている。 この場所にいることがすごく心地がいい。 彼といると、会った瞬間からずっと楽しい。こんなことってあるだろうか。 もちろん、卓也さんといる時間も楽しい。でもなんというかジャンルが違う気がする。 卓也さんといる時は安心感に包まれた楽しさで、彼といる時は驚きにあふれた楽しさだ。 どちらも楽しいことに変わりはない。「佐々木くんにとって、恋愛ってどんなもの?」 運命を超えるものを探すために、私はあえて彼にとってドキッとする質問をした。「うーん、思う人に尽くすことかな」 彼はまっすぐと私の目を見つめてきた。 私はいつの間にかふぅーっと息を吐いていた。 その息を吐いてすぐに、これは私がリラックスしている時にする行動だと気づいた。 私は今心からリラックスしているようだ。 彼といると私が私らしくいられる。 そして、彼の答えを聞いて、私は彼に惹かれる理由がやっとわかった。 彼は、かつての私だ。 似ているとかそういう
Terakhir Diperbarui : 2025-08-27 Baca selengkapnya