Todos los capítulos de 裏庭が裏ダンジョンでした: Capítulo 51 - Capítulo 59

59 Capítulos

翼竜討伐 5

 肉を喰らい、エールをぐいっと飲んでアシノは話し始める。「ムツヤ、まず最初に言っておくがお前は何も悪くない」 悪くないと言われたが、ムツヤはまた自分はそれに近いことでもしでかしたのだろうかと不安になった。「みんな、自分が思っていたよりも数倍お前の本気が凄すぎて頭が整理しきれてないんだよ」 また肉を1口、アシノが食べ終わるまで誰も言葉を出さない。「正直嫉妬したよ。多分私が能力を失う前だったとしてもお前の方が遥かに強い」「いえ、そんなごと……」 エールを飲み干してぷはぁーっとため息を1つ、そしてアシノは笑う。「お前は凄い奴だよ、自信を持て」 ムツヤは喜んで良いのかよく分からなかった。そんな間にいつの間にかルーがムツヤの後ろに回り込み、抱きつく。「ル、ルーざん!?」 小柄な割に大きな感触、ムツヤはいつものデレデレとした顔になった。「勇者からお墨付きを貰ったんだから喜びなよー、ムツヤっちぃー」 モモが軽く咳払いをすると、ルーはパッと離れた。そして焚き火の前でクルクル回る。「はーい皆、翼竜討伐記念にテンション上げていこー!!! かんぱーい!!」 今度は皆が乾杯の音頭に乗った。アシノ、ルー、モモの酒豪達は勢いよくエールを一気飲みし、ムツヤは初めて飲むエールに顔をしかめている。 程よく皆酒が聞いていた頃、またムツヤは号泣していた。「うええええユモトさあああんんん、オデは裏の道具をオオオウワァアアッハハー!!!! この世界を!!! この世界を救いたい!!!」「大丈夫れすよぉー、ムツヤさんならできますれすよー」 二人は見つめ合う。「ユモトざぁん!!!」「ムツヤさん!!!」 二人は抱き合っていた。ヨーリィの目がいつもより冷ややかなのは気のせいだろうか、その様子を見ながらマイペースに食事を摂る。「あれ、モモちゃん飲んでなくなーい? ほらーいっきっきーのきー!!! いっきっきーのきー!!!」 ルーはモモを囃し立ててそれに乗せられてモモは腰に手を当ててエールを一気飲みする。「僕、先走っちゃいました……」 ルーの足元には無残にも倒れた仲間達、誰も意識は無い。「ユモトちゃん!? 大丈夫?」 ぐったりとしたユモトを抱きかかえてルーが喋る。「僕の旅はここまでみたいです」 そう言ってユモトも意識を失う。「ユモトちゃん!! どうして、どうし
last updateÚltima actualización : 2025-12-29
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せんとうみんぞく 1

 翼竜を倒し、6人はスーナの街へ戻っていた。山道を超えた疲れからか、ヘトヘトで門をくぐり冒険者ギルドを目指す。 受付嬢にアシノは翼竜討伐達成と、2匹いた事を報告している間、残りのみなはギルドの椅子でぐったりとしていた。「うううーん!! 疲れたもぉー!!」 ルーは大きく背伸びをして言った。同調するようにユモトも頷く。「疲れましたね……」 足をバタバタさせてルーは駄々をこねる。「すっごいキツかった!!! もうすっごいキツかった!!!!」「本当、山道は普段慣れているとはいえ、大変でした」 モモもうんうんと頷くが、それに対してルーはブンブンと首を振る。「ちーがーうーでーしょー? 山道なんかより翼竜とのあの激しい戦い、私なんて食べられそうになったんだから!!」 ハッとモモは気付く、うっかりしていた。 翼竜はアシノとルーが主戦力として戦って、自分達はサポートをしていたという事に話を合わせようと言うことになっていたのだ。「そ、そうでしたね、私達と違ってルー殿とアシノ殿は前線で翼竜と戦っておられたのだからさぞかしお疲れのはず」 モモは嘘が下手だった。大きな声で周りに聞こえるように、だが早口気味、そして棒読みで話す。 そんな話を聞いていたのかいないのか、そうだと突然ルーは立ち上がって目を輝かせて言う。「ねぇねぇ! 皆でこの後お風呂入ってさっぱりしていきましょうよ!! この時間なら空いてるし!」 今は朝方なので、近くの銭湯はあまり客のいない時間帯だ。確かに、数日風呂にも入らず歩き回った疲れも汚れも落としたいとモモも思った。「騒がしいやつだな」 アシノは報告を終えて面倒くさそうに帰ってくる。「アシノ、お風呂行くわよ!」 あーっとアシノも少し考えた。ルーにしては悪くない提案だ。「だけど着替えねーだろ」「その辺は大丈夫でしょ、ねー? ムツヤっち?」「えっ? あっ、はい」 半分寝ていたムツヤは我に返って返事をする。「よーし、決まり銭湯へゴー! イこうぜ☆銭湯!!!」 ルーはノリノリで言って拳を天高く突き上げた。 ムツヤのカバンを借りて女性陣はギルドの小さい会議室に集まった。「よーし、何か服出ろ服出ろ」 ルーはそう言いながらカバンに手を突っ込む。すると手に布の感触がする。「よーし、これよ!」 ルーは上質なブラウスを手に入れた。こんな
last updateÚltima actualización : 2025-12-30
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せんとうみんぞく 2

「あぁー、生き返るわぁー」 女湯は人がおらず貸切状態だ。湯に浸かったルーは開口一番に言うと、アシノは隣にちゃぷんと入って呆れていた。「ババ臭いぞルー」「ババ臭いって何よー」 モモとヨーリィもトプンと湯に入ると、じんわりとした温かさが身に染み渡る。「っくー…… でも本当に、良いものですね」「でしょー? お風呂来てやっぱ正解だったって!」 ルーはぐっと親指を立てて、チャプチャプと半泳ぎでモモの正面にやってくる、そしておもむろに。「ふんっ」 両手で胸をわしづかみにした、突然のことに驚くモモ。「ふみゃっ、ん、な、何をするのですか!!」 わさわさと揉まれて変な声が出た、ルーはニヤリと笑う。「お主、なかなか良いモノを持っておるのう」「気を付けろー、そいつセクハラ大好きだから」 アシノは面倒くさそうに言う。モモは腕で胸を隠してしまった。「隠さなくても大丈夫よモモちゃん、映像化したあかつきには謎の光が守ってくれるから」「まーた何を意味分からないこと言ってんだ、おとなしく風呂ぐらい入れ」 ルーの暴走はまだまだ続く、次の標的はヨーリィだ。「ヨーリィちゃんはツルッツルね、肌がよ、肌!! そしてこっちはまだ成長中って感じがしてなんとも」 ヨーリィを後ろから抱きしめてルーは言う、抱きしめられている本人は顔色1つ変えずにいたが。「いい加減にせい!!」「あばし!!」 アシノのチョップを食らってルーは湯に沈む。「それにそんなでかい声で騒いでたら男湯に聞こえんぞ」 それを聞いてモモはあわあわと湯で赤くなった顔を更に赤くしていた。 一方コチラは男湯、客はちらほら居たが、視線がユモトに集まっているのは気のせいだろうか。 ユモトは気まずそうにお湯に浸かっている。その最中先程の会話が女湯の方から壁一枚隔てて聞こえてきた。「あ、あの、あっちの方凄そうですね」 もじもじとしてユモトが言う、顔を赤くして恥じらっている姿は美少女のようだ。「みんな楽しそうで良いんじゃないですかねー」 初めて入る大きな風呂にムツヤは満足そうだったが、そのゆったりとした時間をぶち壊す声が脱衣所の方から聞こえてきた。「てめぇ、泥棒かー!!!」 番台は警戒していた、この道50年の感が告げている。あの男は何かやると。 ムツヤ達が浴場に入った後にやってきた男、どう見ても不審だ。
last updateÚltima actualización : 2026-01-02
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ギルスを仲間に 1

 6人は銭湯を出て町外れのギルスの店へと向かった。 さきほど襲撃を受けたばかりなのでルーは探知盤を持って歩いている。幸いにも反応は無かったが。 しばらくしてギルスの店へとついた。ドアを開けるとカランコロンというドアチャイムが迎えてくれたが、店主はコチラを見るなり不機嫌そうだった。「よう、いらっしゃい。赤髪の勇者」「だからその呼び名はやめてくれ」 アシノは額に手を当てて言った。そしてその隣にムツヤは立ち、カバンから重そうな麻袋を取り出しカウンターにドンッと置いた。「なんだコレ…… ってまさか!?」「そうだ、お前が言った100万バレシだ」 ギルスは麻袋を開けて中身を確認する。確かに金貨が山程詰まっていた。「何だ、本当に用意したのか? あんたの貯金か?」「いや、私の金は魔人を倒すためにほとんど使っちまった。コレは翼竜を倒して手に入れた」「翼竜だと!? いや、勇者なら簡単か……」 そこまで聞いて、気まずそうにアシノは打ち明ける。「あー、そのだな…… 私は事情があって勇者としての力や技術ってのは全部失ったんだ。倒したのはほぼムツヤが1人でだ」「本当なのか?」「あぁ、本当だ」 ギルスは頭を抱える、全てが信じられない話だが、現実に起きているのだから信じるほか無い。だが頭が追いついていないのだ。「分かった、いくつか質問をさせてくれ」 ギルスは店を閉めて自分が納得できるまで何度も質問をした、それに対してムツヤ達は包み隠さず全てを話す。 アシノの能力のこと、ヨーリィの生い立ち、ムツヤの昔話を補完しながらもう1度おさらいもした。「あーもう、信じられねぇが信じるしかねぇじゃねぇか!」 枯れ葉に変わるヨーリィやムツヤが次々取り出す裏の道具を見てギルスは叫んだ。「もう分かった、金も用意されちまったし、道具の研究をしてやるよ」「本当でずか!?」 ムツヤはパァーッと明るくなり、他の仲間もほっと胸を撫で下ろした。「それに、俺もやっぱ研究が好きだしな」 ちょっと照れてギルスは言う。ルーはニヤニヤとそれを見逃さない。「あらー、ギルス満更でもない感じじゃない?」「う、うるせぇ」 -とにもかくにもギルスが仲間になった!- ギルスはムツヤ達に連れられて冒険者ギルドへと連れられた。アシノが受付に話をしてギルドマスターのトウヨウへ面会を取り付けた。 
last updateÚltima actualización : 2026-01-05
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ギルスを仲間に 2

 ユモトは試合が始まると共にモモへ支援魔法を掛ける。モモは体の内側から力が湧いてくるのを感じ、ムツヤへと距離を縮めた。 支援魔法のおかげでモモは体が軽い。走るモモに合わせてユモトは詠唱を始めて今度は攻撃用の魔法の準備をする。 モモはムツヤ目掛けて思い切り袈裟斬りをするが、ムツヤは最小限の動きでそれを躱した。 そのまま剣を横薙ぎに振るうがムツヤは後ろに飛び退いて、ひらりとまた躱す。 そのムツヤの着地点目掛けてユモトは氷柱を10本ほど発射した。 ムツヤは1度バク宙をした後に手から着地をし、右に身をよじって立ち上がるとそのまま走り出して全ての氷柱をかわす。(普通のやつだったら今の連携で仕留められたろうが、ムツヤ相手じゃ厳しいだろうな) アシノはそんな事を思いながら試合を眺めていた。モモは走るムツヤを追いかけて突きを繰り出したが、自身ごとムツヤに飛び越えられてしまう。「いまだっ!!」 小さくユモトはひとり言を言って、空中で身動きが取れないムツヤに向かって雷撃を放った。 雷は遠くまで飛ばせないが、標的目掛けて多少軌道修正し、自動で追跡をする習性がある。 ユモトの魔法は完全に標的を捉えていたが、ムツヤが右手を前に伸ばすと強力な魔法の防壁が現れて、雷を軽く消し飛ばしてしまった。 モモは振り返り、ムツヤを切りつけようとしたが、剣は宙を切るだけだ。 ムツヤの戦い方は誰に教わったわけでもないので、メチャクチャだ。基本の型やセオリーも無く、言うなれば獣や魔物の戦い方に近い。 そこに加えて高い身体能力、なので動きは予測不能だ。 モモは必死にムツヤに追いついて攻撃を繰り出すが、それらは全て躱され、ユモトが放つ攻撃魔法も同じ結果だった。 15分もすると2人は段々と息が上がってきて、ついにユモトはしゃがみこんでしまう。 体力に自信のあるモモも鎧を着て全力疾走しながら剣を振り続けていたので疲れが回ってきている。「はい、終了ー」 アシノは手をパンパンと大きく叩いて言った。その瞬間緊張の糸が切れてモモも地面に片膝を着く。「連携は悪くなかったが、2人共まずは基礎体力づくりだな」「め、面目ありません……」「すみません……」 モモとユモトは息を荒くしながら情けなさそうに言う。 ムツヤはと言うとピンピンしてカバンから飲み物を取り出し、2人へ手渡してい
last updateÚltima actualización : 2026-01-07
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ムゲンジゴクVSムゲンジゴク

「ムツヤ殿!!」 吹き飛んだムツヤに思わずモモは駆け寄った。「危ない!」 魔剣を構えた男がムツヤに近づき出す。ユモトとルーは魔法で氷柱を出して牽制をするが、男が魔剣で数回薙ぎ払うと全て溶けて消えてしまう。「ムツヤ殿、ムツヤ殿!!」 モモがムツヤを揺さぶるとうーんと言ってムツヤは上半身を起こす。ホッとしたモモの背後に魔剣を携えた男が立っていた。「モモさん危ない!」 思わずムツヤはモモを押し飛ばし、しゃがんだままで振り下ろされた魔剣を受け止める。また爆風が生まれてムツヤは吹き飛ばされる。「ムツヤ殿!!」 モモは叫ぶ、ゆらゆらと歩く男にアシノはビンのフタを、ヨーリィは木の杭を無数に投げつけた。 男は薙ぎ払おうともせず、雄叫びを上げると業火が男を包んでそれらは燃え尽きてしまう。「あまり調子に乗らないでくれるかしら」 ルーは精霊を数体呼び出して男を襲わせる。精霊の振り下ろされた重い拳は確実に男を捉えていた。 しかし、男が突きを繰り出すと、その拳はピタッと止まり、精霊は炎に包まれて崩れてしまう。 その隙に2体の精霊が挟み撃ちで攻撃をしたが、男はぐるっと回転してどちらも切り崩してしまった。「轟け雷鳴よ!!」 ユモトは長い詠唱をして強力な雷魔法を放つ、この攻撃は確実に男を貫いてダメージを与えたが…… 一瞬男は仰け反って、その後はまた魔剣を構えて歩き出した。 同時にムツヤは立ち上がって男と戦い始めた。剣同士をぶつかり合わせないように攻撃をかわし続け隙を伺っている。「なんなの!? あいつ人間!?」「あれは多分、魔剣に喰われてる」 ルーの言葉にギルスは答えた。「言い伝えだが、魔剣は絶大な力を与える代わりに、所有者の力量が魔剣に見合っていないと魂を喰われるらしい」「魂を喰われる……ですか?」 ユモトが言うとギルスは頷く。「力量不足の分は、所有者の魂と命を代償にあんな力を手にすることが出来るって言い伝えだ」 そう言ってギルスは男を見た。 ムツヤは男と一定の距離を取ると、ムゲンジゴクを仕舞って氷の魔剣を取り出した。 そして走って斬りかかってきた男のムゲンジゴクと鍔迫り合いになる。 ジューという音とともに激しい湯気が辺りを包む。 そして、数秒後ムツヤはパキッとした音を聞いた。氷の魔剣が折れたのだ。 男の降りかかる剣をすんでの所でかわ
last updateÚltima actualización : 2026-01-15
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剣を握る資格は 1

 家に帰るまでの間、会話は無く気まずい空気が支配していた。 ルーは黙って探知盤を見ているが、赤い点は浮かび上がらない。 そうこうしている内に家に帰ってきてしまった。 特にすることもなく、ユモトは気まずさに負けて提案をする。「あの、お昼の為に作っておいたお弁当を食べませんか?」「そうね、お腹すいたしー」 ルーは少しでも場を和ませようとしているのか、いつもの様な口調で言った。「私はいい、疲れたからちょっと部屋で休む」 アシノはそう言い残して自室へ行ってしまった。ムツヤはソファーに座って下をうつ向いたままだ。 モモはギュッと拳を握り、その後胸に手を当ててムツヤに話しかけた。「ムツヤ殿ッ!! その、お昼を食べ終わったら一緒にその辺りを散歩しませんか?」 モモの提案にムツヤは上の空で一瞬返事が遅れる。「あ、えっと、はい、わがりまじだ」「なになにー? デートのお誘い?」 ルーがちゃかして言うとモモは少し顔を赤らめた。「そういうわけでは無いのですが、少し、その……」「あーあー、初々しいって良いわねー」 ユモトが机の上に広げたサンドイッチを食べながらルーは言う。「ギルスー、私もデートしてあげても良いわよー?」「地下室で裏の道具の研究ってデートプランなら歓迎だ、それ以外はパス」「えー、何かその言い方ムカつくんですけど!!」 はははとユモトは笑ってそのやり取りを見ていた。昼食を食べ終えた後、外へ出ようとするモモにルーは一言話しかける。「モモちゃん、ムツヤっちのこと頼んだからね」「はい」 何を頼まれたのか言わなかったがモモは分かっていた。 そして、久しぶりにムツヤと2人きりの時間が始まる。 外へ出ると少し暑いぐらいの快晴だった。夏の始まりを予感させるような陽気だったが、ムツヤは浮かない顔をしている。「気持ちの良い天気ですね」「そうでずね」 モモの言葉にもムツヤは上の空だ。2人は家の後ろにある雑木林を歩いていた。「あ、あの、モモさん……」 ムツヤは何かを言いかけたが、何を話せば良いのか自分でもわからない。「ムツヤ殿、食事の後のちょっとしたデザートでもいかがですか?」 ムツヤの言葉を聞き返すことをせずにモモはそんな事を言った。「デザート、ですか? 何か持ってきたんですか?」 モモは何か手荷物を持っている様子はない。不思議
last updateÚltima actualización : 2026-01-23
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剣を握る資格は 2

「あぁ、あるぞ」 さも当たり前のようにアシノは言う。 ムツヤは質問をしたは良いが、それ以上何を言えば良いのかわからなくなってしまい、言葉に詰まる。「斬ったことも、首を飛ばしたこともある」 紅茶を飲みながら、まるで何気ない日常会話のようにアシノは話し続けた。「山賊や狂人、腕試しで私に挑んできた奴。まぁ色々いたわな」 茶菓子のクッキーに手を付け、サクサクとアシノは食べている。「初めて斬ったのは強盗団だな、ちょうどお前と同じぐらいの年の頃かな」 アシノはムツヤに根掘り葉掘り聞かれたわけでもないのに、聞きたかったことをほぼ全て話してくれた。「その、初めて人を斬った時って…… アシノさんはどんな気持ちになりましたか?」 そう恐る恐る聞くと、アシノは急にハッハッハと笑い始め、ムツヤは驚く。「いやー、新米の冒険者ってよくその質問するんだよな」 一通り笑い終わるとアシノはさっきまでのそっけない態度ではなく、ムツヤの方を向いて話し始めた。「初めて斬ったのはさっきも言った通り強盗団だ。偶然だったんだが、滞在していた村に強盗団が来てな、その下っ端が襲いかかってきたから斬り伏せたよ」 そこまで言ってアシノは紅茶を一口飲む。「そん時は私も必死だったから、その後も村の警備隊と一緒に戦って3人は斬り殺した。戦ってる間は特に何も思わなかったよ」 アシノはふぅーっとため息を吐く。 ムツヤは真剣にアシノの言葉を聞くだけでなく、一挙一動を見つめていた。「それで、後になって強盗団の死体を村外れの1箇所に集めたんだ。その時、もちろん私が殺した奴もいてな、それを見た時は……」「正直、怖くなった」 寂しげな目をしてアシノは言う。「もちろん村の奴らにも警備隊にも感謝され、英雄扱いされ、冒険者の先輩からも『初めてで3人も仕留めるなんて上出来だ』って褒められたよ。でも素直に嬉しくはなれなかった」 アシノは軽く苦笑いをする。そんなアシノの表情をムツヤは初めて見た。「一段落してもその夜は眠れなかった。魔物じゃない、人と命のやり取りをした興奮と恐怖、斬った感触と血しぶきが上がる光景が頭にこびりついて忘れられなかった」「アシノさん……」「だが、降りかかる火の粉は払わなけりゃならない。それに、覚悟を決めて敵を殺さなきゃ…… 自分や仲間が死ぬことになる」 最後の言い方にムツヤ
last updateÚltima actualización : 2026-01-25
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反撃開始 1

「俺のせいだ……、俺のせいでギルスさんがッ……!!」 ムツヤは歯を食いしばって地面を殴った。 ムツヤ達はしばらく呆然としたり、泣いたりしていたが、アシノが家から持ち出した担架にギルスを乗せて白い布を被せた。「スーナの街へ戻るぞ」 アシノの言葉に全員頷いて、担架はムツヤとモモで持ち上げた。 話は昨日まで遡る。 みんなガヤガヤと家の中へ入る。居間には先に帰っていたヨーリィとギルス、アシノが座っていた。「お、やっと来たか」「せっかく昼寝でもするかと思ってたのによ」 アシノは不満そうに言う。ユモトは「お茶を淹れてきますね」と言ってモモと台所へ消えていく。「そう言うな、研究発表と今後の作戦の提案だから皆に聞いて欲しいんだ」「そうそう、主に私の、私による、私が考えた皆のための作戦よ」 ギルスが言うとルーは身を乗り出して激しい自己主張をしてくる。 そんなルーの頭をギルスが押さえつけると「へぎゃぶ!!」と言って椅子に落ちていった。 しばらく待つとユモトとモモによるおいしい茶と菓子の用意が出来たので、ギルスは1口紅茶を飲んでから話し始める。「まずこれを見てくれ」 ギルスはとある物を取り出して言った。それは横に長く探知盤の画面が2つ並んで取り付けられているものだった。「ん? ナニコレ? 探知盤並べただけじゃない、こんなの作りたくないよーだ!」「ほんのついさっきだが探知盤を分解したら、どうやら連結が出来そうな事に気付いてね。簡単にだが連結させてみたんだ」 ギルスはルーを無視して探知盤に魔力を込める。「これを見たら『私も作りたい』って騒ぎ出すに決まってるぞ」「ほんとかしらー?」 すると探知盤の2つの画面に同じ地図と、ムツヤ達がいる辺りに赤い点が浮かびだす。「ナニコレ? 壊れてるじゃない!」「この探知盤の石が同じ場所にあるからだ」 そう言ってギルスは探知盤の核である青い石を2つテーブルに並べた。「1つの探知盤が映し出せる地形は、魔力の扱いに慣れたものでも石を中心にして半径20kmが限界だ」「あっ」と何かに気付いたようにユモトは言う。「つまり、映し出せる地図の端っこ同士をうまく合わせるように石を置けば……」「そう、ご明察。巨大な1枚の探知盤ができる、ユモトくんはルーよりも賢いな」「やー!!!」 先に正解を言われてルーは騒ぎ出す。ま
last updateÚltima actualización : 2026-01-30
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