私と明子は澄香の家から今度は私の実家の鈴井家にしばらく厄介になることにした。私の両親にとっては初孫だし。本当なら男の子が良かったのかもしれないけど。「よく来たなぁ。おうおうその子が明子ちゃんかい?よくお見せ?あぁ、孫は可愛いなぁ」しみじみというその姿にほっこりと笑いそうになった。「そうねぇ、この目の感じはサラに似ているかな?明子ちゃんの鼻筋は孝之さんに似たのかしら?あら?そういえば、孝之さんは?」マイペース過ぎて気付くのが遅いけど、それを抜きにしてこれまでの経緯を説明した。「あの男、うちに挨拶に来た時にお嬢さんを世界一幸せにするとか言ってたのに、このザマか?その義妹の制御もできない腑抜けだったとは驚きだな」父は鼻息荒く、孝之さんを非難する。「サラも大変だったのねぇ。澄香さんにはお世話になったのね。今度菓子折りでも持って挨拶に行かなきゃいけないかしら」「きゃー、恥ずかしいからやめてよ!澄香には両親が甚く感謝してたって伝えるから!」「ほら、この煮物はサラの好物でしょ?材料が都会じゃ早々揃わないものね。産後は体を労わらなきゃならないのよ。たーんとお食べ」「ありがとー。この子も母乳で育ててるのよね」「今どき感心」「あと、澄香のところの透君がお兄ちゃんになるんだ!って張り切ってるの」多分、のちのち互いに初恋とかになるんだろうなぁ。なんて思うんだけど、澄香はどう思ってるんだろ?*******サラと明子は鈴井家の方にお世話になるという話を聞いた。正直に言おう。僕はお義父さんが苦手だ。挨拶に伺った時にサラを世界一幸せにすると言った手前、今回の事はかなりご立腹だと思う。同僚(既婚)に相談しても「一度は伺った方が……」という返答を得た。やはり、会わなければならないのだろうか……。
Huling Na-update : 2025-10-27 Magbasa pa