嘘に塗りつぶされた真実・改

嘘に塗りつぶされた真実・改

last updateDernière mise à jour : 2025-10-27
Par:  satomiComplété
Langue: Japanese
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結婚3年目にしてやっと妊娠した西条サラ。夫にどういう風に伝えようか、心はウキウキ。そんな中救急で搬送されてきたのは義妹(仮)。付き添っているのは夫(仮)。二人の関係はどうなっているのか心中穏やかにいられません。だというのに、義妹は夫との関係を匂わすような言動をしてきて、サラの心は限界に。 サラはついには親友の澄香を頼って家出をすることにしました。 その後もいろいろと義妹である澪が…。

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Chapitre 1

第1話

「妊……妊娠した……」

その医師の言葉はまるで雷に打つかのように私の心を打った。涙が止まらず、妊娠を証明する紙を胸に抱きながらも私の手は微かに震え、顔には抑えきれない喜びが溢れていた。

「うふふ、そんなに喜んで。なんだかこっちまで幸せな気分よ?おめでとう!西条さん!」

私が『西条』になってもう3年。

子供はできないのか?とか言われ、時には私の体に問題があるんじゃないかとか中傷を受けたりもしたけれども、ついに、妊娠を!

ついに私も母になるんだ!

この喜び(地に足がついているのかわからないような、頭の奥でファンファーレが聞こえるような)を一刻も早く彼…じゃなくて夫に伝えたくて仕方がなかった。彼だって一緒に中傷されたりしてきたんだから。

―――西条孝之、私の夫。彼がこの知らせを聞いた時の表情を思い浮かべ、胸の鼓動は速まり、飛び出そうだった。

 (喜んでくれるよね?だって二人の子供だもの!)

でも、喜びに満ち満ちながらも診察室を飛び出した瞬間、息が止まるかと思った。

え?別人?…だよね?そうに決まってる。

夫(仮)が金髪の女性をかけて救急室に駆け込んでいた。その声は夫そのもので別人疑惑がなくなった。あの女性は……まさか、彼の義妹・西条澪?

義妹なの?なんで彼が救急で?今、仕事中だったんじゃないの?

ナンデ?

心臓がぎゅっと締め付けられ、全身が硬直する。次の瞬間、医師から鋭い声が院内に響き渡った。

「お子さんは守れません……」

義妹と誰の子供なの?と心臓が激しく揺さぶられ、全身が硬直する。前代未聞の衝撃と疑念に包まれた。彼と義妹の関係はどうなってるの?兄妹よね?だって……そういうふうに紹介された……。

こんなにストレスだらけだと妊娠した母体に悪いのは頭では理解してるけど、現実がのん気になどしていられない。私はどうすればいいのだろう?

病院の無機質な空気が私の心を癒すことはなかった。

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第1話
「妊……妊娠した……」その医師の言葉はまるで雷に打つかのように私の心を打った。涙が止まらず、妊娠を証明する紙を胸に抱きながらも私の手は微かに震え、顔には抑えきれない喜びが溢れていた。「うふふ、そんなに喜んで。なんだかこっちまで幸せな気分よ?おめでとう!西条さん!」私が『西条』になってもう3年。子供はできないのか?とか言われ、時には私の体に問題があるんじゃないかとか中傷を受けたりもしたけれども、ついに、妊娠を!ついに私も母になるんだ!この喜び(地に足がついているのかわからないような、頭の奥でファンファーレが聞こえるような)を一刻も早く彼…じゃなくて夫に伝えたくて仕方がなかった。彼だって一緒に中傷されたりしてきたんだから。―――西条孝之、私の夫。彼がこの知らせを聞いた時の表情を思い浮かべ、胸の鼓動は速まり、飛び出そうだった。 (喜んでくれるよね?だって二人の子供だもの!)でも、喜びに満ち満ちながらも診察室を飛び出した瞬間、息が止まるかと思った。え?別人?…だよね?そうに決まってる。夫(仮)が金髪の女性をかけて救急室に駆け込んでいた。その声は夫そのもので別人疑惑がなくなった。あの女性は……まさか、彼の義妹・西条澪?義妹なの?なんで彼が救急で?今、仕事中だったんじゃないの?ナンデ?心臓がぎゅっと締め付けられ、全身が硬直する。次の瞬間、医師から鋭い声が院内に響き渡った。「お子さんは守れません……」義妹と誰の子供なの?と心臓が激しく揺さぶられ、全身が硬直する。前代未聞の衝撃と疑念に包まれた。彼と義妹の関係はどうなってるの?兄妹よね?だって……そういうふうに紹介された……。こんなにストレスだらけだと妊娠した母体に悪いのは頭では理解してるけど、現実がのん気になどしていられない。私はどうすればいいのだろう?病院の無機質な空気が私の心を癒すことはなかった。
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第2話
そんな精神状態で帰宅すると、思わず親友の前川澄香に電話をかけていた。澄香はシングルマザーで一人で男の子を育てている。「今日…さっきね病院に行ってきたの。妊娠したって」「へぇ、よかったじゃん。ずっと悩んでたもんね」澄香とは中学からの腐れ縁といえばそうだけど、なんでも話せる唯一の友達。内緒の話を本当に内緒にしてくれるから、信頼している。他の女友達は「ココだけの話…」と結構漏らしているので(私も聞てしまう)、とてもじゃないが本当に信頼はできない。「それで……病院で見ちゃったのよ。孝之さんが澪を救急で抱えてくるのを!そのあとお医者さんは「お子さんは守れません」って……」「はぁ?なにそれ?昨日は平日だから、仕事中のはずの旦那が義妹を産婦人科の救急に抱えてきた?しかもそのあと医師が「お子さんは守れません」?……あの義妹は何考えてるんだか。その子供はまさかのあんたの旦那と義妹との子供じゃないでしょ?」「怖くて孝之さんに確認してないよ」「そこ大事なんだから確認しないと!っていうか、平日の仕事中の時間に義理の兄を呼び出す?何考えてるの?あの義妹!」澄香は澪に会ったことがあるけど、印象がよくなかったみたいでいっつもこう。「サラには言ってなかったんだけど……あんたの旦那が義妹と外でいるところを見たことあるのよ。恋人同士みたいに親密だった。なんか恋人つなぎしてんの」恋人つなぎ?手を繋いでたってこと?ただ繋いでても変なのに、恋人つなぎは変過ぎる。「あー、やっぱり衝撃だった?こうなると思って今まで黙ってたのよ。あぁ、ゴメン!うちの子が幼稚園から帰ってきた。また今度電話でもしてきてよ。愚痴でもなんでも聞くから、黙ってたらストレス溜まるよ?妊婦さんにストレスは大敵なんだからね!それじゃあ、またね!」そうして澄香との会話は終わってしまった。聞いてもらってストレス解消になるかと思ったけど、新たに疑念を植え付けられちゃった。気付くと私の手は冷たくなり、鼓動は胸を打つ太鼓のよう。細部が脳裏に再び蘇り、消えない不安が胸を締め付けた。その時、家のドアが開き彼が帰宅した。「昨夜は帰れなくて……」彼は低い声で説明した。複雑な眼差しが一瞬交錯した。「澪の突発的な問題に対応していてさぁ。……明け透けに言うと、彼女、一夜限りの関係ってやつで流産しちゃってさぁ。胎児の父親は不明。全
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第3話
翌日は休日だったので、私と彼は病院へ澪を迎えに行った。正直言って、彼は澪に対して過保護なんじゃないかな?と思う。迎えに行く必要はあるんだろうか?一人で自分の家に帰ることができるんじゃないかと思うけど、私が冷たいんだろうか?帰りの車内、澪はわざと助手席に座り、私に挑発的な視線を送ってきた。なんで私が澪に挑発されないといけないの?「病院じゃリラックスできなかっただろう?しばらく我が家に泊まるといい」孝之さんが言うので、澪は我が家の客間でしばらく生活することになった。そこまで至れり尽くせりなのかなぁ?帰宅し、私は澪の荷物を片付けるのを手伝っていたけど、さらに衝撃的な光景を目にした―――澪の荷物に彼の衣類…下着まで入っていた。澪は鼻歌交じりに片付けているけど、どう考えても私に見せつけている感じがする。「え?兄さんの服が入ってるって?だって……ねぇ?」とクスクス笑うばかり。やっぱり澪は私に対して挑発的だと思う。私の考え過ぎとかじゃない。「澪!洗濯物も出しておけよ!」と孝之さんは言うけど、その洗濯物の中には彼の衣類も含まれていた。なんというか……二人だけの空間が澪という義妹に侵害され、私が排除されるような感覚が胸に押し寄せ、心が強く締め付けられた。今までは孝之さんが仕事をして、私は専業主婦。という形態だったけど、これからどうなるんだろう?疑念、緊張、挑発される圧迫感に加え、私は完全に葛藤の渦に巻き込まれた。柔らかな空気に包まれていたはずの我が家が何だか冷たく感じる。気のせいだろうか?妊娠してるし、ホルモンバランスが乱れてるのかな?気のせいだと思いたい。
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第4話
思い切って彼に、澪の荷物の中に孝之さんの服(下着を含む)が入っていたことを告げた。「澪は昔からただ僕の服を着るのが好きなんだよ。気にしないで」彼はそう説明するけど、私の心は鎮まらない。だって下着……。澪は下着まで孝之さんの服を着るのが好きなの?変だよ。孝之さんもそれを容認してるの?小学生ならいいかもしれないけど、思春期越えたらナシでしょう?それも、下着は……。「もう仕事に行く時間だ。それじゃあ行ってきます!」足早に孝之さんは仕事に出かけてしまった。孝之さんが仕事に出かけると、仁王立ちで澪が私に言い放った。「本当に兄さんがあなたを大事に想ってると思う?」澪は低く冷笑した。「あなたは兄さんの人生の中で元カノの代わりなのよ」私は固まった。「代わり?何言ってるの?」「え?兄は元カノのこと、話してくれなかったの?」澪は軽薄で意地悪な口調で言う。私は答えず、背筋が自然に伸びた。澪はスマホを取り出し、数回操作して画面を私に向ける。「見て」私は少し躊躇して近づき、写真を一目見た。澪は同情を装いながら、まるで私を刺す準備でもしているかのように私を見つめた。「兄さんがあなたと結婚したのは、兄さんの元カノに似ているからよ。そうじゃなきゃ、あなたみたいな人に興味を持つはずがないでしょう?」「あなたは元カノの代わりに過ぎないのよ」澪は低く挑発的に続けた。「取るに足らない代用品。兄さんは心の痛みを和らげるために、馴染みのあるものが欲しかっただけよ」澪の最後の方の言葉はもう頭に入ってこなかった……。モウ ゲンカイ ダ
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第5話
「僕は西条のオバサン好き~‼優しいもん!」「うふふ。ありがとう。私も透君好きよ?」「わーい!西条のオバサンと僕は両想いなんだね!」「ちょっとサラ~、うちの透に変なこと吹き込まないでよ!」「もちろん!子供は可愛いわね、無邪気で」「サラだってもうすぐ母親になるんだから、子供っていうのは可愛いだけじゃないのよ。ハァ、結構苦労もするのよ…」「はい。澄香の愚痴も聞きます」私は荷物をまとめて、家を出た。とてもじゃないけど、柔らかい空気に満たされてたはずの我が家に闖入者が入り、悪く言うと空気が汚されあの家にいたくないと思った。オナカの子にもその方がいい気がした。澪は会うたびになんだか挑発的だし。どっちか言うと、居候なのだからもっと低姿勢であるべきだと思うけど、孝之さんが澪に甘いから、澪も態度が大きいんだろうなぁ。「そういえば、サラ。旦那に妊娠してること言ったの?」「なんだかんだと言ってないわね。言う機会もなくて……。妊娠した!と思ったら、澪が同居することになって、孝之さんと二人でじっくりと今後について話す機会ってなかったのよね」「澪に「元カノの代わりに過ぎない」とか言われたって?それはそうなんだけど、そうするとさぁ、サラの旦那に付きまとうっていうとなんかストーカーみたいね、その付きまとってる澪だって全く相手にされてなかったってことじゃん?澪はサラを傷つけてるつもりで、自分まで?笑えるんですけど?」そう思うとちょっと気が楽になる。「その元カノさぁ、そんなにサラに似てたの?」「見た目も似てたかなぁ?あと、雰囲気?」「それ本当に元カノなの?なんで澪があんたの旦那の元カノの写真を後生大事にとってあるの?」ライバル~とか思ってたんなら、消しちゃうかも。元カノの写真じゃなくて、私の写真を偽造?澪ならあり得るところがコワイ。
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第6話
“ただの作り話とかなのに、あの人は真に受けて家を出ていった。ウケる!いくら何でも兄さんの下着を身につけるわけないでしょ?あんなのはただの仕込みに決まってるでしょ?確かにさぁ、兄さんの服を着たりするけど?それは普通にTシャツをパジャマにしたりとか?手足の長さが違うからズボンとかシャツとかは無理なのよね。彼シャツとか想像したのかな?わざと挑発的な視線を送ってみたりしたけどさぁ?冷静に考えればわかるような気がするけどなぁ。兄さんの元カノの写真?昔の彼女だよ?写真なんかあるわけないでしょ?あってもリアル写真かなぁ?そうだったら燃やしちゃうかも!あの人に見せた写真なんて作りもの!あの人を写して、昔っぽい服をネットからダウンロードしてパソコンで加工。それをスマホに送ったというものなのに、真に受けちゃってさ。まぁ、確かに兄さんは元カノを大事にしてたよ。あの人は不治の病だったから……。健気だったなぁ。流石に邪魔はしないで見守ってたよ。どうせそのうちいなくなる人だもん。”そう私は日記に記録した。これでも毎日記録をつけてる。つけることが出来る時はね。外泊してる時とかできないけど、これでも一応誰といつ寝たとか、記録してる。父親がわからない子供とか、母親があまりにも適当過ぎて不憫だと思ってるから。兄さんも私が性に奔放とか思ってるみたいだけど、セフレが多いだけでそうでもないんだから!本当に父親がわからないとか言ってる友達がいたりしたけど、縁切ったよ。子供が可哀想すぎて。
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第7話
「ただいま~」僕が家に帰ると、いつも「お帰りなさい」と言ってくれる声がない。一体どうしたんだろう?「お兄さん、お帰りなさい」「ああ、ただいま。サラはどうした?」「なんかねぇ、この家出て行っちゃった。責任とか感じないのかなぁ?」「澪は止めなかったのか?」「え?なんで?」「なんで?って、お前の義姉だぞ?」どうしたんだろう?思い当たる事……僕と澪との関係?サラはもうわかってくれていると思っていたんだが。僕は思い当たる場所として、サラの親友、前川澄香さんのスマホに電話をかけた。「夜分にスイマセン。そちらにうちのサラがお邪魔していないでしょうか?」「あー、いますけど、そちらに西条澪さんがいらっしゃるうちは帰らないでしょうね」「それは……サラが僕と澪の関係を疑っているという事でしょうか?」「詳しくは澪さんにお聞きください」「あのっ!」ツー、ツー、ツー、と通話が切れた音が耳に響いた。「詳しくは澪に聞くようにという事を言われた。澪、お前はサラに何かを言う若しくはしたのか?」「ちぇっ、もうバレちゃったのかぁ」「なんだ?その態度は?」「何よ、あの女が必要なの?今夜から二人きりなのよ?誰にも邪魔されないで過ごせるのに」「そういう問題じゃない!僕にはサラが必要なんだよ!」「知ってるよ。だから、この家から出て行くようにいろいろと仕組んだの。今夜から二人っきりだよ!」澪は僕の首に腕を回してくる。胸と胸が当たる。「あの女に「あなたは兄さんの元カノの代わり」って言ってやったの。そしたら、茫然自失になっちゃってさぁ。スマホで写真も見せてあげたんだけど、ほら、これ偽造よ?上手くできてるでしょ?私がパソコンで加工したのよ。今のパソコンってすごいわねぇ」僕は澪を突き飛ばした。「何するのよ!」「お前はなんてことをするんだ。二人の女性を侮辱するような真似をして……」ああ、こんな澪を我が家に留めたのが間違いだった。昔のイメージだった。もっと素直な子だったんだが。それでサラは出て行ってしまったのか……。その時ふと手元にぶつかった紙があった。
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第8話
その紙は産婦人科のもので、サラが妊娠しているということを証明するものだった。「えっ?あの人妊娠してたの?」「僕も聞いてない」産婦人科からの紙に書いてある日付…澪が救急で運ばれた日の物。サラは僕が澪を抱えて救急に連れて行ったのを目撃したのかもしれないな。澪は金髪で目立つし……。仕事中のはずの時間に義妹を抱えて救急に、しかも産婦人科に夫が現れるのは不快というか、嫌な思いをしただろうな。僕と澪の関係も疑ったかもしれない。「サラさん、兄さんと私の関係を疑ったんじゃない?いやだ、兄妹で不潔~!」「お前は黙っていろ!」自分の妊娠がわかってすごく嬉しかっただろうなぁ。もう天にも昇るような気持ちだっただろうな。それなのに、僕が不用意に姿を現したから、天国から一気に地獄に落とされるような気持ちだったんじゃないだろうか?その後だって、澪を我が家に泊まらせたりと僕は何かと澪を気遣う行動をしていた。サラの妊娠を知っていれば……。僕は気づかないうちに涙が頬を伝っていた。もう、サラを傷つけたくない!手放したくない!僕は俯いたままで澪に言い放った。「澪……。この家から出て行ってくれ。お前には帰る場所があるだろう?」「…え?突然何?どうしたの?」「澪がサラを傷つけていた。澪はサラに近づかないでほしい。これ以上無駄にサラを傷つけるのはやめてくれ」僕は澪をこの家から出て行くようにしむけた。そもそも澪は一人暮らしをしている部屋があるのだから、そっちで暮らすことが出来るはずだ。今なんかは無駄に家賃だけを払い続けている状態なんじゃないか?と思う。タクシーも使えたはずなのに、僕を呼びつけたのはサラへのあてつけだろうか?なかなか妊娠をしなかったから。いや、澪の要求に簡単に応じてしまった自分にも非はあるが、どうしたらいいものだろう?
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第9話
前川さんに電話をし、澪は家から追い出し、サラに近づかないでほしいと要求をした。と告げた。僕はそうすればサラは戻ってくるものだと思っていた。「えーっとですねぇ。対策としてはいいのですが、今までサラを傷つけたことについてはどのように思っているのですか?」「僕の軽率な行動でサラを傷つけてしまって本当に申し訳ないと思っている」「具体的には?」「仕事中だというのに、澪の要求に応じて産婦人科に澪を連れて行ったこと。本来ならば、澪はいい大人なのですから、一人で行くべきです。タクシーでも利用して。まさかそれをサラが目撃しているとは思わなかったのですが……」「他にもいろいろあるんですよね。サラはもう心が限界で貴方とは離婚を決意しているそうです。そうですよね、また同じことを繰り返しそうですし、サラの決断は正しいと思いますよ?」「そんなっ。僕は…本当に反省をしていてこれ以上サラを傷つけたくないし、手放したくないと思っています」「サラとしては、亡くなった元カノが気になっているようです。結局自分はその元カノの『代用品』ではないのか?と」「なんだ?それ。そんなこと澪が言ったのか?―――あいつなぁ、厄介なもんで。『西条君が付き合ってくれないならここから飛び降りちゃう!』って校舎の屋上からマジで飛び降りたんだよ。そのけがは全治半年とかだったんだけどな。元々病弱で不治の病持ちだったんだよ。『病室の白い天井を見て死ぬくらいなら、学校に通ってみたい』って学校に通ってた子でさぁ。彼女がベッドの住人になった後から付き合ってたなぁ。サラとは見た目も何もかも違う子だよ。それがどうした?」「サラ曰く、澪に元カノの写真って見せられたのが致命的みたい。サラにそっくりだったって。」「あの写真は…澪の手作りパソコンでサラの写真を加工したものです!僕が学生をしていた頃にスマホは存在していません!」説得力がある。私はそんなに澪に恨まれていたんだろうか?哀しくなる。これもホルモンバランスのせいだろうか?「西条のオバサン、泣かないで!」透君に言われて気付いた。私は涙を流していた。やっぱり哀しかったみたい。「大丈夫よ。透君は優しいわね」「母さんに言われてるんだ!西条のオバサンの子供のお兄ちゃんになるんだ!オバサンのお腹の子のお兄ちゃんになるんだ!」「頼りにしてるわよ!お兄ちゃん‼」透君は眩しい
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第10話
時間が流れ、私はお腹がポッコリとしても澄香の家に居候させてもらっていた。「なんだか罪悪感が…」「いいのよ?困った時はお互い様よ!」あれから毎日のように孝之さんから電話がかかってくる。私のスマホのLineにもメッセージが届く。澄香は「着信拒否にしちゃえば?」とか言うけど一応……。書類上は夫だし。―――そろそろ臨月じゃないのか?―――体調は大丈夫なのか?―――食事はできているのか?―――まさか、もう生まれてたりしないよな?ラストのメッセージはちょっと笑えるけど……。「澄香……なんか破水したっぽいけど?」「はぁ大変ねぇ。ここからが勝負よ!さぁ、準備はしてあるわね?道具を持っていざ出陣よ!」「……戦じゃないのよ?」「戦みたいなものよ。最悪1日以上の戦いなんだから!」「最短でお願いします」「世界最短記録は1分以内ね~」「……それはナイハ~」私は予め準備しておいたものを持って、陣痛タクシーを利用し、病院へと行った。澄香は透君が幼稚園から帰ってきてから、病院に来るらしい。幼稚園児に分娩とかいいのかな?と思ったけど、澄香は「うちは何でもあけっぴろげにする教育方針なのよ。性教育とか?」らしい。幸い、私の分娩は6時間程度で終わり、なんと透君が名付け親となる事に決まった。「透君、この子。女の子なんだけど、名前つけてくれる?まだ名前がないのよ」「うーん、明子‼俺と二人で透明なんだ!」へ~、いろいろ考えてるもんなのね。って幼稚園児なのに漢字まで覚えてるの?「透ね、オバサンの子は俺の弟か妹なんだから、名前考える!って結構前から考えてたのよ」と澄香からこそっと聞いた。孝之さんにはLineで『明子が生まれました』とだけメッセージを送った。
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