Mag-log in結婚3年目にしてやっと妊娠した西条サラ。夫にどういう風に伝えようか、心はウキウキ。そんな中救急で搬送されてきたのは義妹(仮)。付き添っているのは夫(仮)。二人の関係はどうなっているのか心中穏やかにいられません。だというのに、義妹は夫との関係を匂わすような言動をしてきて、サラの心は限界に。 サラはついには親友の澄香を頼って家出をすることにしました。 その後もいろいろと義妹である澪が…。
view more私は入り口で「ルームサービスは取っていないのでお引き取り下さい」と言ったが、澪は強引に部屋に入ってきた。透君には「奥の部屋に行って何があっても出てきちゃダメよ!」と伝えた。明子は…ベビーベッドだし、移動は物理的に無理よね……。澪は「サラがいなければうまくいったのに。サラガイケナイノヨ・・・」と言い、持っていた刃物で私の腹部を数回刺した。その場に倒れ込む私を見て、孝之さんが「どうした?」と顔を出すと、澪が孝之さんに抱きかかえられた明子を見つけ、「アキコ…サラノブンシン。ニクイ…」と孝之さんに近づいた。孝之さんは明子を庇うように抱きしめ、澪から遠くに離れようとしたが、澪は後ろから孝之さんをメッタ刺しにした。「チガウノヨ」と言いながら。澄香は警察と救急を呼んだ。この時点で「ニイサンハワタシダケノモノ……」と呟き続ける澪はもう壊れていた。明子ちゃんは、私の養子になってもらおうと思う。透にも懐いてるし。鈴井のオジサンを説得しないといけないけど。このことは明子ちゃんが成長し、受け入れるような器ができるまでは内緒にしておこう。「西条のオジサンとオバサン、死んじゃったの?」と、透は言うけれど、「うん、まあ」としか答えることが出来なかった。私はこの『親友の死』を受け入れるのに何年かかるのだろうか?数年後、私は透と明子ちゃんを連れて、孝之さんとサラのお墓参りに出かけた。毎年一人で来ていたが、今回は二人も連れてきた。「ここが西条のオバサンのお墓なの?悔しいなぁ。俺がオバサンも守るって言ってたのに」「このお墓が私の本当の両親のお墓なんだ」明子ちゃんは記憶にないんだよね、サラの事も孝之さんの事も。「そうよ。二人とも明子ちゃんの事が大好きだったのよ?」「ふ~ん」実感がないみたいでアッサリとしている。孝之さんの血で汚れている明子ちゃんの写真は明子ちゃんがもっと成長してから渡そうと思う。「さ、お墓とか辛気臭い場所からはさっさと帰るわよ!」「「はーい」」私達は振り返ることなく二人のお墓から去った。私は来年も再来年も訪れようと思う。Fin.
本日、やっと澪からの解放されたのかな?お父さんの許可も下りて、親子3人でホテルでディナーをとることになった。孝之さんに会うのは久しぶりだなぁ?明子はもしかして生まれて初めての父親と対面。ふふふ、おめかししなきゃね!なんて楽しみにしていたのに、あんなことになるなんて……。*******ああ、やっと二人と会うことが出来る!なんて解放感なんだろう?明子に会うのは初めてだよな?毎日写真で見るけど、可愛いよな。流石僕とサラの子だ!親バカと言われてもいいさ。楽しみなことには変わりはないんだから。そして、ホテルのロビーで待ち合わせをしていた。ディナーを食べるという事で、結構大人っぽいお客様が多くてドキドキした。明子がいい子にしていてくれて本当に助かった。ホテルのフロントの方には『小さなお子様がいても大丈夫ですよ』と優しい言葉をかけていただいていたものの、実際にぐずったりしたら?とか頭の隅にはあった。「あー、絶対明子ちゃんの事で緊張してると思った」そこに現れてくれたのは、私の親友・澄香と透君。「二人で会ってる時は明子ちゃん、預かってるよ。このホテルに部屋も取ったから、そこで遊んでるよ。ほら、透なんかすごいやる気よ?」「明子ちゃんと西条のオバサンは俺が守るんだ!」「ね?」「うーん、それじゃあお願いしちゃおうかな?孝之さん、多分今日が明子と会うの初めてだと思うから、それも頭に入れといてくれる?」「オッケー!」そうして私は豪奢なホテルのロビーで孝之さんを待っていた。普段とは違う世界にいるので、何だか落ち着かない気もしていた。それでも孝之さんを待っている時間は幸せだった。「サラ!」「孝之さん!」「なんだか久しぶりで変な感じね。キョロキョロしちゃって…明子を探しているの?明子なら、予め澄香がとってくれた部屋に先に行っているわ。部屋の方がゆっくりと食事ができるでしょう?」「そうだな。わかったよ、じゃあ行こうか」せっかちに感じるけど、私の腰を持ってエスコートしてくれてるし、私はなんだか幸せ気分。部屋に着くと孝之さんは澄香たちへの挨拶もそこそこに明子の元へ。ベビーベッドでスヤスヤと眠る明子をしみじみと見て「可愛いなぁ。やっぱり写真より実物の方がいいなぁ」と言った。私が毎日送っていた明子の写真をプリントアウトしていたんだろうか?なんだかくすぐったい気持ち
サラからのLineで僕は背筋から嫌な汗を感じた。どうして澪がサラの住所を知ってるんだ?僕のスマホを勝手に見たのか?手帳とか。仕事関係だってある。「澪!どうして君がサラの住所を知っているんだ?今日はあとをつけたらしいな?」「私がサラに付きまとえば離婚が成立するんでしょ?円満成立よ?」「何が円満だ!僕はサラと離婚したくないんだ。これ以上サラに付きまとわないでくれ。迷惑だ。これ以上の迷惑行為は知り合いの弁護士に……という話になる。サラの精神衛生上にも悪いしな」「どうしてサラばかり!」「どうしてって。そりゃ、僕の大切な奥さんだからな」「私だって家族じゃない!」「家族愛と恋愛をはき違えないでほしい。サラは完全なる恋愛対象で大切な奥さんだ。澪は家族愛で義妹。この違いはわかるか?お前も早く結婚相手見つけろよ。フラフラと遊んでないで。流産を繰り返してたら妊娠できない体になるぞ?」僕の考えが甘かった。澪は義妹として初めて会った時から僕が好きだったらしい。しかし、僕にはそんなことは関係ないことで、現在サラという大切な奥さんと明子という可愛い娘がいる。義妹としてあったのは偶然。親同士が結婚したからで、それがなければ街ですれ違う事すらなかったかもしれない。そんな関係だと僕は思っている。それなのに、澪の方は偶然じゃなくて運命を感じているらしい。はぁ、面倒だ。両親に相談しようか。澪が僕の奥さんに付きまとうせいで、僕が離婚危機。澪は僕との出会いに運命を感じているみたいだけど、僕は全く知らない。そんなのはどうでもいいから、澪をどうにかしてほしい。最悪僕を‘西条’の家から出してほしい。あ、これは無理があるか。腐っても跡取りみたいなもんだからな。それじゃあ、澪を家から追い出してほしい。‘西条’とは関係なくしてほしい。あーでもなぁ、精神的な問題だから、‘西条’と関係なくしても付きまとったりしそうで嫌だ。いっそのこと離島の男との縁談を組んでしまってほしい。そんなことを考えてたというのに、澪は……。
私の住所は澄香には教えている。というか、澄香と同じマンションで生活している。「うーん、多分ねぇ孝之さんと結婚している限り、澪がついて回るでしょ?親族にあたるから。そうなるから離婚は免れないかなぁ?」「私もそう思うけど…。サラ、あんた。子供に母乳をあげながらする会話じゃないわよ…」「あ、でもいつすれば?」「明子ちゃんが寝てる時かな」「なんでかこの子、抱っこしてる時は寝るのにそーっとベビーベッドに寝せると起きるのよ?」「ああ、背中にスイッチでも入ってるの?って思うやつ?」「そうそう!夜とか大変なのよ~‼」「ほら、言ったでしょ?子供は可愛いだけじゃないんだからって」「実感しております、はい」「よろしい」とはいうものの、育児の先輩が側にいるのは心強い。そしていつも澄香の家に入り浸ってしまう。澄香の旦那様にも悪いなぁ。と思いながら。澄香曰く、「いつもあっさりしたものだから平気よ」って言ってるけど。夜はきちんと自分の家に帰っています。やっぱり澪がいないってだけでなんだか気が楽な感じがする。今までの嫌がらせがヤラセとか作り話だったって聞いたけど、澪が孝之さんに兄妹以上の感情を持っていたことは事実だし、孝之さんに近づく女性は排除してきたみたい。自分はたくさんのセフレと関係してたみたいだけど。それも、孝之さんとどうにもならないっていう気持からなのかな?と思うとちょっと同情しちゃうけど、私に澪がしてきたことは許せない。ストレスで明子を流産する可能性だってあったんだし。近所に買い物に行く時でさえ、澄香が一緒に行ってくれているので何だか心強い。安売りのところとか、子連れでも買い物しやすい所を教えてくれるし。「サラ、気づいてる?あの義妹、どこから情報を得たのか知らないけど私たちをつけてるわよ」「本気なの?このまま警察に行く?」「買い物した生鮮食品を持って?」「あっ」今の生活に澪が付きまとうなら孝之さんと離婚するって約束だった。孝之さんは何を考えてるの?夜にサラの写真を送るついでに澪に付けられていることをLineで知らせよう。本気で離婚が嫌だったら、澪を叱るなり諫めるはず!
「孝之君、君は世界一サラを幸せにするんじゃなかったのかね?それがどうだ?サラを傷つけるだけ傷つけて。サラに戻ってきてほしい?調子がよすぎるんじゃないか?」「はい。返す言葉もありません。この度はお義父さんの大事なサラさんを傷つけてしまい申し訳ありません‼」「私はなぁ…このままだとまたサラを傷つけるんじゃないか?今度は明子ちゃんまで傷つけることになるんじゃないか?と思っているんだよ?サラは自分でなんとかできるかもしれないけど、明子ちゃんにはトラウマになるかもしれない」「はい。でも、僕はサラさんと離婚したくはありません!」「それなら、結婚してるけど別居って形をとったらいいんじゃないの?」突然の母の乱入。「それでもしつこくサラに孝之さんの義妹さんが付きまとってくるんだったらダメねぇ。サラと明子ちゃんが平和に生活できることが何よりよ。それから離婚するかどうかを検討するっていうのはどうかしら?刹那的に離婚するって決めちゃってもどうかと思うのよ。決め手みたいになった写真だって義妹さんの手作りなんでしょ?」まぁ、孝之さんがその程度で浮気とかするならアウト。だって、サラリーマンしてる以上は単身赴任をする可能性だってあるわけだし。「わかりました。僕からの提案はあの…明子の写真を毎日送ってほしい。娘の成長を毎日見届けたい!」この感じで話は決着した。私と明子の住所は孝之さんには教えるけど、澪には知らせない。私と明子で生活することが決まった。
私と明子は澄香の家から今度は私の実家の鈴井家にしばらく厄介になることにした。私の両親にとっては初孫だし。本当なら男の子が良かったのかもしれないけど。「よく来たなぁ。おうおうその子が明子ちゃんかい?よくお見せ?あぁ、孫は可愛いなぁ」しみじみというその姿にほっこりと笑いそうになった。「そうねぇ、この目の感じはサラに似ているかな?明子ちゃんの鼻筋は孝之さんに似たのかしら?あら?そういえば、孝之さんは?」マイペース過ぎて気付くのが遅いけど、それを抜きにしてこれまでの経緯を説明した。「あの男、うちに挨拶に来た時にお嬢さんを世界一幸せにするとか言ってたのに、このザマか?その義妹の制御もできない腑抜けだったとは驚きだな」父は鼻息荒く、孝之さんを非難する。「サラも大変だったのねぇ。澄香さんにはお世話になったのね。今度菓子折りでも持って挨拶に行かなきゃいけないかしら」「きゃー、恥ずかしいからやめてよ!澄香には両親が甚く感謝してたって伝えるから!」「ほら、この煮物はサラの好物でしょ?材料が都会じゃ早々揃わないものね。産後は体を労わらなきゃならないのよ。たーんとお食べ」「ありがとー。この子も母乳で育ててるのよね」「今どき感心」「あと、澄香のところの透君がお兄ちゃんになるんだ!って張り切ってるの」多分、のちのち互いに初恋とかになるんだろうなぁ。なんて思うんだけど、澄香はどう思ってるんだろ?*******サラと明子は鈴井家の方にお世話になるという話を聞いた。正直に言おう。僕はお義父さんが苦手だ。挨拶に伺った時にサラを世界一幸せにすると言った手前、今回の事はかなりご立腹だと思う。同僚(既婚)に相談しても「一度は伺った方が……」という返答を得た。やはり、会わなければならないのだろうか……。
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