「悟司、防具を付けていない人間を、ふたりで確実に殺すならどうやる?」その血生臭い仮定を、あくまで仮定として考える。「長物が欲しい。できれば、背後から気づかれる前に。二人なら囮が注目を引き、後ろからやる」「いいわ。囮役は身を守る防具を付ける。盾も欲しいわね。攻撃を防ぐ。そして、もう片方の手に持つのは」──包丁を手に取る美咲「それで刺すのか?」首を振りながら、包丁も振る美人。メンヘラも真っ青の猟奇的なシーンだった。「傍に寄りたくない。遠間から刺し殺す。手槍を作るわ」その言葉に浮かぶ。──盾と槍。盾を構えて、槍を突く。ふたりで作る槍衾。想像する。敵が俺ならどう戦うか。一方の槍を掴む、盾を掴む。フリーの槍に腹を刺される死ぬ。蹴りつける、槍に切られる。盾持ちの体当たりで転がされて、手の届かない距離から滅多刺しにされる。死ぬ。逃げる・・・はできるかもしれない。それ以外は無理だな。ケガすらさせられない。運動神経抜群の美咲が槍を振るっているとすれば、猶更だ。何度も死んだ。考えた。だが、槍を振うのは俺だ。この装備は・・・強い。「盾と槍か。古代の戦士みたいだな。防具がない時代の最適解……か」「そうね。訓練せずとも突きなら殺しやすい。包丁と物干し竿。これをベルトとガムテープでグルグル巻きにして、穂先と柄の強度を高める。実用に耐えると信じましょう」「って、盾はどうするんだ?」「家にはないわね、調達できればいいんだけど。手で持てる、円形か四角で、硬い素材がベスト」
Última atualização : 2026-01-12 Ler mais