今見えているのは両親の姿。 何度も怒った両親に叩かれて来たため目の前のバビロンが彼らに見えたのだ。「何でもっと普通に出来ないの⁈いい子にしてなきゃダメでしょ⁈」「母さんの気持ちを考えろ!お前にも心はあるだろう⁈」 そして何度も叩かれる。 そのうち罵声を浴びせて来る者の姿が少しずつ変化していった。「私だって辛いんだから」 姉である美宇の姿に変わりマウントを取ってくる。「お前なんかもう友達じゃない」 次は瀬川の姿になって絶交を宣言。「ヒーローはもっと選ばれた人がなるんだよ」 そして愛里の姿にもなる。 今の快にとってはキツい一言を浴びせた。『やめろ、やめてくれ……』 どんどん追い詰められて行く快の精神。 そして遂にみんなが一斉に最悪の言葉を発した。「「お前はヒーローになれない」」 その言葉を聞いた途端、快の精神は崩れた気がした。『……そんな』 その時何を思ったのだろう。『…………ウソだ』 無理やり言い聞かせるように否定をする。『………………そんな事ある訳がない』 しかし言葉とは裏腹に声は段々と弱くなって行く。 記憶に映る景色、覚えているのは殆ど辛い記憶ばかりだ。 いい思い出なんて殆ど残っていない。 そんな事があって良いのだろうか。『……ふざけるな、こんな事あっちゃいけない』 自分だけずっと辛い目に遭い続けるなんてそんなの。『理不尽すぎる!!!』 つづく
Terakhir Diperbarui : 2025-11-13 Baca selengkapnya