警察はすぐに、母の言ったことが本当だと証明した。そしてこの事実は、もともと魂が抜けたような状態になった時也にとって、致命的な一撃に等しかった。真相を知ってから、時也は茫然自失となった。昼も夜も、警察が何を尋問しようと、彼は永遠に同じ一言を繰り返すだけだった。「雪乃に会いたい。雪乃に会わせてくれ……雪乃が恋しい。会いたいんだ……抱きしめさえすれば、雪乃は全部良くなる。彼女が病気の時、いつもこうだったんだ……」彼が本当に私に会いたがっていると信じる人は誰もいなかった。警察を含む全ての人が、彼はただ演技しているだけだと思った。遅すぎる懺悔と深情を演じて、法の制裁から逃れようとしているのだと。警察に連れて来られて時也に会えた柚月は、もう演じるのが面倒くさくなったようだった。「そうよ。白石雪乃があなたを山から背負って降ろしたのよ。私はたまたま通りかかって見てただけで、ついでにあなたの命の恩人を演じたのよ。あの時、白石雪乃があなたを好きだって分かってたから、彼女の男を奪って、ちょっと楽しもうと思っただけよ。ただ残念なことに、遊びとしてあなたがちょろすぎ面白くもないわ」柚月は以前の姿を一変させ、冷酷で悪意に満ちた表情になった。「もし私の家がつぶれてなくて、あなたがまだそれなりに金持ちじゃなかったら、戻ってきてあなたなんか探さなかったわよ。わざと白石雪乃を挑発して、わざと彼女に階段から突き落とされたふりをして、私だって皮膚を擦りむいて、すごく痛かったんだから」時也のもともと虚ろだった目に、この言葉を聞いて、冷たい憎しみが溢れ出た。だがそれも、もう何の役にも立たなかった。柚月は彼を軽蔑した目で見た。「残りの人生、刑務所でゆっくり過ごしなさいよ」この互いに陥れ合った男女を見て、私はただ嘲笑したかったが、母がまだ私のために泣いていると思うと、どうしても笑えなかった。幸い、病院のスタッフたちが母に、これらのことをネットに公開するよう勧めてくれた。母は彼らの助けで、動画を撮り、私と時也、それから柚月の間の物語を語った。そして病院のスタッフや、近所の人々、かつての同僚たちも次々とそれを立証し、母の話を裏付けてくれた。あまりにも多くの要素が絡んでいたため、この件は一気に社会の注目ニュースになった。
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