私の名前は雨宮彩花(あまみや あやか)。かつて、湊川蒼(みなとがわ あおい)が命を賭けてでも結婚したかった初恋の人だった。結婚してから六年、彼は私を自分の命のように大切にし、片腹には私と同じペアのタトゥーまで刻んでいた。だが七年目、彼は私に愛人の桜庭遥(さくらば はるか)のアソコの型取りをしてオナホを作らせた。「彩花、これがお前が俺の命の恩人だと騙した代償だ!お前が一番俺の好みを知ってるだろ。遥の体温を再現する方法も考えろ。彼女は妊娠してるから、手を出せないんだ」遥は蒼の腕の中でぐったりと身を預け、笑いが止まらない様子だった。「彩花さん、本当に可哀想ね。私が妊娠して蒼とイチャイチャできないこの状況で、彼は私の模型を特注したとしてもあなたには触れたくもないそうよ。模型が壊れたら、また彩花さんに何個も作ってもらわないといけないわね〜」私は、蒼は遥を自分の命の恩人だと思い込んでいるのだと、ようやく理解した。そしてすぐに兄に電話をかけた。「お兄ちゃん、蒼が浮気したの。だから離婚することにしたわ」兄は私の決心を知って、狂喜した。「彩花、やっと目が覚めたか。蒼なんて恩知らずはお前に相応しくない!もっと早く離れるべきだったんだ」兄の雨宮颯太(あまみや そうた)の呆れ果てた顔が目に浮かぶようだった。私が通話を終えると、胸に苦々しさが広がった。そう、もっと早く離れるべきだった。私が卑しく過去の記憶だけを抱きしめた状態で、蒼の傍で何年も擦り減り、尊厳を失い果てたのだ。ちょうどその時、遥の声が聞こえてきた。「蒼、ここって私に似てる?」そちらの方を目にすると、蒼が顔を下げて悪戯っぽく笑ったのが見えた。「似てるかどうかは、使ってみないと分からない」遥が甘えた声で軽く彼を叩いた。「もう〜」彼はそのまま彼女の手を引き寄せ、そして私の目の前で、深く口づけた。唇と舌が絡み合う水音が聞こえ、私は目を逸らしたが、体は無意識に強張った。キスが終わると、遥は顔を紅潮させて蒼の腕の中にぐったりと倒れ込んだ。蒼はようやく顔を上げて私を見た。「模型は悪くない。だが体温を再現する方法を考えろ。それと、模型は完全に俺にフィットさせること」彼は少し間を置いて、意味深に付け加えた。「寸分も違わずにだ」何
続きを読む