そらの話を聞いたティナは、瞳に温かい光を宿し、笑顔になり納得したように頷いた。「そう言う、考え方は素敵です。良いと思います」 ティナは、心からの微笑みを浮かべながら、そらの腕をぎゅっと掴んだ。その手に込められた信頼が、そらの気持ちを暖かくした。 そらは、ベッドでゴロゴロしていたフィオを優しく抱きかかえ、自分の膝に座らせて頭を撫でた。フィオのフワフワの毛並みが指先に心地いい。フィオは満足そうに喉を鳴らした。「でも、何か依頼を受けないと、お金が……」 そらの隣に座っていたティナが、不安そうな表情でそらの顔を見つめ言ってきた。彼女の真剣な眼差しは、生活への心配を物語っている。 そらは、ティナの言葉に驚いた顔をした。「え? お金が必要なの? 何か欲しい物でもあるの?」 そらは、理解できずに首を傾げた。「ありませんけど? その、生活が……」 ティナも、そらと同じように可愛らしく首を傾げて言ってきた。彼女の習慣的な心配が見て取れる。「ん? 食料はあるし。宿代は、かからないし。他に必要かな……?」 ティナはハッと気づいたように、張り詰めていた表情を緩めた。過去の苦労が無意識にそうさせていたのだろう。「あ、大丈夫ですね。昔から依頼を受けていないと生活ができなかったので……依頼を受けていないと心配になってしまうのですよ」 その真面目さに、思わず笑みがこぼれた。そらは、皆との生活が落ち着き、お金の余裕もできたと改めて実感していた。以前から皆で、出掛けてやってみたい事があった。それは、皆の笑顔を想像するだけで楽しくなることだった。「それじゃ、依頼じゃないけど、気分転換に皆で泊まりでキャンプに行こうか?」 そらの明るい提案に、エルが真っ先に飛び跳ねた。彼女の体が勢いよく弾む。「うん! 行く~っ♪ たのしそー♪」 アリアも負けじと、満面の笑みで声を上げて元気いっぱいに飛び跳ねて返事をした。「行くのですっ! わぁーい♪」 膝の上にいるフィオは不安そうに、そらの顔を見上げた。小さな瞳に期待と戸惑いが混ざっている。「わたしも? いいのー?」「もちろん、フィオも一緒だよ」 そらが優しく言い、フィオの頭をもう一度撫でた。 傍にいたステフが少し躊躇した様子を見せた。蚊の鳴くような声で尋ねる。「私は……どうしましょう?」 それに対し、ブロッサムが優雅
Last Updated : 2025-12-25 Read more