結局、この日姉は家に帰って来ることは無かった。私がお風呂から上がってくるとス、マホに姉からのメッセージが届いており、今夜は彼氏とお泊りデートになるとの内容が書かれていたのだ。……やれやれ、全くラブラブなカップルだ。でも今年、2人はハワイで結婚式をあげるのだから今は最高に幸せな時期なのだろう。しかもお姉ちゃんの婚約者はお姉ちゃんが結婚して出て行くのを私が寂しがるだろうと思い、結婚後はこの家で住むことにしてくれたのだ。私に気を使ってくれるなんて……。「本当に優しい彼氏さんだよね……」と言う訳で、今朝は私一人の朝食だから手抜きをしようトーストにウィンナー、野菜ジュースにヨーグルトを頂く事にした。「いただきまーす」蓋を開けてヨーグルトを口に入れる。モグモグ。うん、美味しい。確かネットで朝食前にヨーグルトを食べると食事の脂質や糖質を分解してくれるって書いてあったんだよね〜。別に私は太っている訳ではないけれど、それでも体型は気になるものね。なにせまだ22歳なんだし!ヨーグルトを食べ終えた頃にお湯が沸いたので、マグカップにインスタントコーヒーを淹れて、熱湯を注ぎスプーンで混ぜる。私が好きなコーヒーの飲み方は何も入れずにブラックで飲む事。「う〜ん……いい香り。……但し、インスタントだけどね」トーストを食べながら、手元にあったテレビの電源をポチッと入れて、毎朝見ている朝の情報番組を眺めた。丁度テレビでは今朝の占いをやっている。「どれどれ……かに座の運勢はどうかなあ……?」ウィンナーを口に頬張りながら画面を食い入るように眺め……がっくりと肩を落とした。何と今日の運勢は12星座中、かに座が一番悪かったのだ。「はあ……見なければ良かった……」その後、情報番組は天気予報へと変わる。今日の天気は1日快晴。ということは、今朝もビラ配りに行かなければならないのかなあ……。私的にはデスクワークをして一刻も早く仕事を覚えたいのに。手元に残った最後の食パンの欠片を食べ終えると、私は席を立った。手早く食べ終えた食器を洗い、出勤の準備をする。「洗濯……する暇なかったなあ……まあ、いいか。お姉ちゃんは今日も仕事が休みだし……お願いしちゃおう!」****「鈴音」玄関を出て鍵をかけていると、声をかけられた。振り向くと亮平が玄関のドアを開けてこちらを見ている。「あ、おは
Last Updated : 2025-12-27 Read more