LOGIN<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした> 両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになってもらいたい……そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれることは、ない。だから私は彼と姉が結ばれることを願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。それは私が大切な2人を同時に失う日でもあった。 甘く切ない恋、抑えきれない溺愛。そしてドロドロの愛憎劇が幕を開ける――
View Moreマンスリーマンションへ引っ越しをしてから5日が過ぎた。あの日以来、亮平から何度も電話やメールが届くようになり、とうとう私は亮平からの連絡を全て着信拒否にしてしまった。 今日は早番。そろそろ退勤時間になる頃、井上君と2人でビラ配りセットを倉庫で行っている時、不意に井上君が言った。「加藤さん。今夜、良ければ一緒にお酒飲んで帰らない?」「う~ん……。でもなあ……ちょっと節約しないといけないし……」そう言えば職場の人達に引っ越しした事まだ告げていなかったっけ……。でも大好きな姉に追い出される形で家を出たから、正直あんまり引っ越しをした事を言いたくは無かったのが本音なんだけどね。「ええ~一緒に飲めると思ったのに。そ、そうだ! 俺が奢るから……居酒屋行こうよ」「え、それじゃ悪いよ。だって一人暮らししてるとお金かかるじゃない! 奢って貰うなんて絶対出来ないってば!」必死で断ると、井上君は明らかにがっかりした顔つきになる。「ええ……そんな……」ひょっとして井上君は私を元気づけようと思って飲みに誘ったのかな?そこで私は閃いた。「そうだ、なら宅飲みしない?」「え? 宅飲み……?」「そう、私ね……実は1人暮らし始めたの。しかもここ、錦糸町で」「え……ええ!? まじで!?」「そう、まじで。だから私の部屋で飲もうか。スーパーで缶チューハイ買って、おつまみ買って……そしたらずっと安上がりですむよ」「えええ!? だ、だけど……それは色々まずいんじゃ……」井上君は真っ赤になっている。「別に私は構わないけど? どうする? 家に来る?」「い……行く! 行くよ!」「それじゃ、決まりだね」私はにっこり井上君に笑いかけた。「あ、ああ。き、決まりだな」井上君の顔は……耳まで真っ赤になっていた――**** 午後6時――「「お疲れさまでした~」」井上君と2人、挨拶をして仲良く代理店を出た。「ねえ、井上君は何飲むの?」2人で並んで歩きながら駅前のスーパーを目指す。「う~ん。やっぱり発泡酒か……缶チューハイかなあ……」「うん、私と一緒だね。それじゃスーパーで発泡酒と缶チューハイ買って帰ろう?」「あ、ああ! そうだな!」そして私と井上君は大型スーパーに入ると、発泡酒と缶チューハイを8缶と、他に色々なお惣菜を買って、2人仲良くスーパーを出た時。「
どんなにつらい日でも朝は必ずやって来る――ピピピピピピ……!「あ……」スマホにセットしたアラームで目が覚めた。「頭痛い……」朝、起きてすぐに頭が痛いなんて最悪だ。今日もビラ配りをしなくちゃいけないのに。こんな暗い気持ちで笑顔になんかなれないよ……。溜息をついて起き上がると、バスルームへ行き、鏡を覗きこんでみた。「いやだ……酷い顔……」目はウサギの様に真っ赤に充血しているし、瞼も何だか腫れぼったい。「シャワー浴びて顔を洗えば少しはましになるかな……」ポツリと独り言をつぶやくとバスタオルと着替えを取りに部屋へと戻った。昨日クローゼットの中にしまい込んだ着替えとバスタオルを持って、再びバスルームへ戻ると服を脱いで熱いシャワーを頭からかぶった。頭の中では昨日の出来事が思い出される。お姉ちゃんに無視され、逃げるように飛び出た家。そして亮平の耳を疑うような言葉……。そのどれもが私の心を深く深く抉っていく。「く……」駄目だ、また涙が出てきそうになる。私は必死で頭の中で数字を数え……昨日のことを頭から追い払った。****「ふ~……さっぱりした」シャワーを浴びて、すっきりしたので朝食でも食べよう。と言ってもやっぱりまだ何もする気力が出ないからは今日はシリアルでいいや。冷蔵庫から昨日買った牛乳を出し、レジ袋から未開封のシリアルを取り出す。器とスプーンを備え付けの食器棚からとりだし、器にシリアルを開けて牛乳を掛ける。「うん、朝は……これだけで充分かな?」牛乳を冷蔵庫にしまうと、スプーンでシャクシャクと食べる。「……味がよく分からない……」ひょっとして精神的ショックが強すぎて味覚がおかしくなっちゃったのかな……?「ううん! そんなことない! きっと一過性のものよ! 元気出さなくちゃ。せっかくの新生活なんだから!」うん、昨日の私はよく頑張ったと思う。だからきっと大丈夫。乗り切れる。「よし、今朝も頑張らなくちゃ」そして私は残りのシリアルを食べ終え、手早く後片付けをすると職場へ向かった―― **** 今日は早番。シャッターを開けて店舗の前に旅行案内のビラがいれられたパンフレットスタンドを並べていると、お客様がやってきた。「いらっしゃいませ」うん。大丈夫、ちゃんと笑顔で挨拶出来た。私は……大丈夫……。午前10時――「係
『鈴音! この馬鹿! お前、何やってるんだよ!』いきなり電話越しから亮平の怒鳴り声が聞こえてきた私は心底驚いてしまった。「りょ、亮平……?」何とか声を振り絞ると、さらに亮平の怒鳴り声は続く。『お前、何で家を出たんだよ! 忍さんを1人残して! どうしてお前はあの広い家に忍さんを残して家を出たんだよ!』私は亮平の言葉を信じられない思いで聞いていた。「え……? ちょっと待って。な、何言ってるの? 亮平……」震える声を振り絞って何とか言葉を発する。『あのなあ……それはこっちの台詞だ! 驚いたよ……。お前の家にいったら、忍さんしかいなかったから。だから俺は尋ねたんだよ。何故忍さんしか家にいないのか、鈴音は忍さんを残して何所へ行ったのかって! そしたら忍さんが言ったんだよ。鈴音が家を出て行ってしまったって!』え……?私は亮平の言葉に耳を疑った。「ね、ねえ……待って。お姉ちゃんが言ったの? 私がお姉ちゃんを残して家を出て行ったって……?」『ああ、そうだよ。全く可愛そうに……。俺が鈴音のことを尋ねたら顔を真っ青にしていたよ。忍さん、お前が勝手に出て行ったから…‥‥怖くてお前に連絡も入れることが出来なかったって震えていたぞ?』嘘だ……。そんな………姉はどうしてそんな嘘を亮平についたの……?亮平の怒鳴り声と、あまりのショックに激しい頭痛が起こってきた。ズキズキする頭を押さえながら尋ねた。「亮平……お姉ちゃんの様子見ておかしいと思わなかった……?」一縷の望みをかけて亮平に尋ねてみた。これで亮平がお姉ちゃんの様子を疑ってくれれば病院に連れて行ってあげてとお願いできるはず……。『はあ……? 何言ってるんだ? 忍さんがおかしいだって? むしろおかしいのは鈴音。お前の方じゃないか?』「え……? 私がおかしいって……?」どうして亮平は私がおかしいって思うの?『おかしいに決まっているだろう? お前たち2人は本当に仲の良い姉妹だったのに。忍さんは辛い経験をしているんだから、お前が傍にいて支えてあげないといけないのに。その責任を放棄して、お前は勝手に家を出たんだろう? そんなに1人暮らしがしたかったのかよ!』そんな……! 亮平は私がおかしいって決めつけるの? もう駄目……これ以上我慢出来ない……。「ひ、酷いよ亮平……。どうしてそんなこと言うの……?」『何だ
広さ8畳、南向きのエアコン完備のワンルームマンション。キッチンは一口コンロだけど、冷蔵庫も電子レンジも完備されている。そしてユニットバスに洗濯機付き。ベッドもあるし、小さな2人掛けのダイニングテーブルもある。クローゼットもあるしWi-Fiだって使い放題だ。「ここなら何もなくても住めるな。この部屋で今度は賃貸マンションを探して、家電を買って……はあ~やる事が沢山あるなあ……」家から持参したノートパソコンを見ながら思わずため息が出てしまった。それにしても……。バフン部屋のベッドに身を投げ出すと、天井を見上げた。とても綺麗だけど見知らぬ部屋。そして窓の外から聞こえて来る外の町の喧騒……。そのどれもが、もうあの家には戻れないんだと言われているようで悲しかった。「お姉ちゃん……」駄目だ、姉のことを考えるだけで涙が出てきそうになる。「こんなことしてられない!」ベッドから起き上がると、PCの蓋を開いて電源を入れる。そして不動産屋のページを開いて物件を検索し始めた――**** ……どの位、PCを見ていただろうか? 気付けば部屋の中はオレンジ色に染まっている。「あ……もう夕方なんだ……」立ち上がって窓に近付き、カーテンを開けて窓の外を眺めると町を行きかう人々が溢れていた。ぐう~。その時私のお腹が鳴った。「はあ……。どんなに悩んでもお腹はすくんだな……。何か買いに行こう」とても今夜は自炊をする気力が無かった。この近くにどんな店があるのか把握する為にも少し出歩いた方がいいかもしれないし。お財布を持つとアパートを後にした――****「へえ~ここは職場とは反対側の場所だけどいろんなお店があるんだな……」コンビニの袋をぶら下げてブラブラ歩いて、スーパーに酔って缶チューハイを買ってから私はアパートへと帰って来た。「頂きまーす」備え付けの電子レンジで温めたお弁当を前に手を合わせて、ポチッとテレビをつけた。そして1人で時々観ているバラエティ番組にしてもちっとも面白くなかった。「不思議……。いつも観ているテレビなのに……少しも面白くない……」コンビニ弁当も好きなはずなのに……味を感じない。「……」モソモソとお弁当を食べ終え、着がえを持ってバスルームへと向かった。狭いユニットバスで身体と髪を洗って、バスルームから出るとバスタオルでゴシゴシ身