日向静月(ひなた しづき)はA大学一の美女で、学内の男子学生全員の心を奪う存在だ。しかも、日向家の宝のように大切にされているお嬢様だ。しかし、彼女はなぜか「高嶺の花」のような存在である木村言朗(きむら ことあき)に惹かれてしまった。入学式で、言朗は色あせた白いシャツを着ていたが、その冷徹で孤高な雰囲気を抑えきれなかった。たった一目で、静月は心を奪われた。そして、彼女が目をつけたものは、今まで手に入らなかったことはなかった。翌日、彼女は言朗を止めて、周囲の注目を浴びながら、ラブレターを彼の手に押し込んだ。彼女は明るく自信満々に笑って言った。「言朗、私は日向静月です。付き合ってください」しかし、言朗はその香りが漂うピンク色の便箋に目を向けることなく、ただ淡々と彼女の明るくも華やかな顔を一瞥した後、冷淡な声で言った。「興味ない」そう言って、彼は彼女を避けるように、何も言わずに去って行った。周りは瞬時に静まり返り、次第に抑えきれないすすり泣きが聞こえた。静月は初めて拒絶されるという感覚を味わった。だが、その日の夕方、彼女は外のバーでアルバイトをしている言朗を偶然見かけた。彼は富裕な女性に絡まれており、必死に逃げ出そうとしている。もともと彼に近づこうと考えていた静月は、偶然にも彼を「救う」ことになった。言朗の清秀な顔に珍しく困惑が浮かび、目の奥に屈辱が隠されていた。そんな言朗を見た静月は、心の中で計画を練りながら、口元に微笑みを浮かべて大胆な提案をした。「あなたの問題を全部解決してあげる。卒業するまで、あなたのお母様の医療費と、あなたの学費や生活費も全部払ってあげるわ。その代わり……」彼女はつま先立ちになり、彼の耳元に近づくと、ふわりと香りが漂ってきた。「必要な時に、私に付き合って」言朗は目を上げ、深い瞳で彼女を静かに見つめた。その瞳には感謝の色はなく、ただすべてを見透かすような冷徹さだけが漂っていた。「日向さんのゲームは、遠慮させてもらう」「ゲームじゃない」静月はすでに用意していた契約書を取り出し、彼の手に押し込んだ。「全部、ここに明確に書かれているわ。ただ、必要なものを交換するだけ。期限は……私が飽きるまでよ」彼女は彼が再び断るだろうと思っていた。しかし、言朗はただ目を上げ、口元に
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