All Chapters of 婚約破棄を告げたら、氷の侯爵の溺愛が限界を超えました: Chapter 11 - Chapter 12

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第十話

◆新婚初夜 結婚式は、夢のような時間だった。 白いウェディングドレスを纏い、バージンロードを歩く。エドワールが祭壇の前で待っていた。いつもの無表情ではなく、柔らかい笑顔で私を見てくれた。 誓いの言葉を交わし、指輪を交換した。私たちは、正式な夫婦になった。 七歳の頃からの夢が叶った。エドワールの妻になること――。 寝室に入ると、エドワールが扉を閉めた。鍵がかけられる音が響く。エドワールが振り返り、私を見つめる。熱を帯びた瞳には抑えきれない欲望が滲んでいる。「レティシア、ウェディングドレス、とても綺麗だったよ」 エドワールが囁いた。一歩、近づいてくる。(綺麗って言ってもらえて良かった) 彼に気に入ってもらえるように、吟味して選んだのだ。「ウェディングドレス姿の君は、天使のようだ」「それは……言い過ぎです」 褒め言葉に、頬が熱くなる。エドワールが私の頬に手を添えた。「今からドレスを脱がしてもいいか?」 囁きに、心臓が跳ね上がった。エドワールの手が私の背中に回り、ドレスのファスナーを下ろしていく。ゆっくりと、愛おしそうに。ドレスが床に落ち、白い下着姿になった。エドワールの視線が私の身体を這う。「美しい」 囁きに、恥ずかしさが込み上げてくる。身体を隠そうとすると、エドワールが手を掴んだ。「レティシアの全部を見たい」 真剣な声で言うとエドワールが私を抱き上げ、ベッドへと運ぶ。柔らかい感触が背中に伝わった。エドワールが私の上に覆いかぶさってくる。「今日からは、遠慮しない」 囁きが耳元で響いて、身体が反応してしまう。(今までだって、遠慮しなくて良かったのに) 彼は優しいから、私の心と身体を大切に扱ってくれていた。それはそれで、嬉しいけれどすれ違って辛い思いをするくらいなら、遠慮してほしくない。 エドワールの唇が私の唇に重ねられた。最初から深く、激しいキスだった。舌が侵入してきて、口内を蹂躙していく。息が苦しくなるほどの長いキス。離れると、糸が名残惜しく引いていった。「エドワール様……」 思った以上に甘ったるい声で名前を呼んだ。エドワールの瞳が優しく細められる。「今日からは、敬称なしで呼んでくれないか」「え……?」「エドワールと」「エドワール……」 緊張しながらも名前を呼ぶ。エドワールの表情が嬉しそうに蕩けた。「ああ、い
last updateLast Updated : 2026-01-16
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第十一話

◆幸せな日常 侯爵夫人としての生活が始まった。 朝は、エドワールの腕の中で目を覚ます。仕事がどんなに忙しくても、夜は必ず帰ってきてくれた。 外交でしょっちゅう出張だと結婚前は屋敷を開けていたのに、今は全くその気配はない。それにもし出張が入った場合は、これからは私も連れていくからと宣言されている。 離れたくないと言われてしまったら、私も嬉しくてつい「ついていきます」なんて勢いよく答えていた。 朝食も、夕食も、一緒に取る。たまに昼食も――。仕事が詰まってなければ、一度帰宅してくれるのだ。 エドワールは仕事の話をしてくれるようになった。外交機密に関することは口にはしないけれど、仕事場であった面白い話を教えてくれる。「レティシアの意見を聞きたい」 エドワールがよくそう言って、私の考えを尊重してくれる。 社交界にも、一緒に出席するようになった。エドワールが必ず隣にいてくれる。他の男性がただ挨拶目的で近づいてきても、すぐに腰に手を回してまるで「俺のだ」と言わんばかりに睨みを利かせていた。 その光景を目撃されるたびに、「嫉妬深い夫はすぐに嫌われるわよ」と、ミリエルに嗜められていた。 一時期は二人の関係を勘違いしていた私だったが、ミリエルとは友人になった。お茶会に招かれは、時間も忘れてミリエルと話し込んでしまう。夕方になると、エドワールが迎えにきて帰る――というのが今では通常の流れになっている。「エドワールったら、レティシアのことばかり話すのよ」 ミリエルが笑いながら言う。「可愛いって、綺麗だって、愛おしいって。もう、聞いているこっちが恥ずかしいわ」 頬が熱くなる。エドワールは、私のことをそんなふうに話しているのか。「お恥ずかしいです」「幸せそうで、良かったわ」 ミリエルが優しく微笑んだ。「あなたたち、本当にお似合いよ」(嬉しい) ミリエルの言葉に、私はにっこりと微笑んだ。「あの――ミリエル様は秘密の恋をしてるって聞いたのですが」 恐る恐る尋ねると、ミリエルは満面の笑みで「秘密にしているつもりはないのよ」と言い、振り返って背後に立つ男性を愛おしそうに見つめた。「騎士のリカルドよ」 凛々しい顔つきの青年だった。リカルドは私と視線が合うと、軽く頭を低くして挨拶をする。私も会釈を送る。「か、格好いいですね」「惚れちゃ駄目よ?」「惚
last updateLast Updated : 2026-01-16
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