付き合っている彼氏・望月舟矢(もちずき しゅうや)の家が代々伝わるネックレスを探すため、私・杉本雨音(すぎもと あまね)は40度の高熱をこらえながら雪の中で5時間も探し続けた。やっと見つけた後、私は彼氏にそれを渡し、家に帰って休もうと思ったが、なんだかまだ気がかりで戻った。ところが、彼氏が私が見つけたネックレスをゴミ箱に投げ捨て、仲間と哄笑しているのを目撃してしまった。「舟矢さん、最高だよ!雨音の兄貴を懲らしめるために、妹の雨音をからかうなんてさ。これであいつ、悔しくて仕方なくなるだろうな!」「雨音も本当にバカだな。90回以上もからかわれてるのに、まだ舟矢さんにベッタリだなんて。佳奈こそが舟矢さんの一番好きな人だって、まったくわかってないんだよな」「雨音の兄貴が舟矢に逆らうからだよ。雨音に99回仕返ししたら、すべての動画をその兄貴に送ってやろうぜ。あいつ絶対キレるから!」それらの言葉を聞いた時、心臓が2秒間止まったかのようだった。それでも私は口を押さえ、涙を必死にこらえながら、彼らの話を聞き続けた。「それにしてもさ、買い物で貰ったおまけのネックレスを、舟矢さんが『家が代々伝わってきたものなんだ』って嘘ついただけで、雨音は雪の中を五時間も休まず探し続けたなんて、本当根性あるよ」「これでもう97回目だろ?あと2回やれば、舟矢さんは雨音を振って佳奈と付き合うんだよな?これでついでに雨音の兄貴に仕返しができるんだから、一石二鳥だぜ。舟矢さんさすがだ!」「海外留学の資格を諦めさせられたこと、ピアノの演奏会で壊れた天井、それと晩餐会で破れたドレス、全部俺たちの仕業だって、雨音は全然気づいてないよな?あははははは!」それらの会話を最後まで聞くと、私はまるで自分の心が凍りつく音が聞こえたような気がした。舟矢は私の兄・杉本陽翔(すぎもと はると)を目の敵にしている。三年前、舟矢が私に告白してきた日以来、ずっと彼に片思いしていた私は兄に内緒で舟矢と交際を始めた。舟矢のためなら何でもしたのに、結局舟矢にとって、私は兄への仕返しの道具に過ぎなかったのだ。狭い部屋で、舟矢はソファにだらりと横たわり、冷たい目つきで、私の名前を口にしても瞬き一つしなかった。「もういいだろ。話はまだ早い。99回までまだ2回ある。さっさと終わらせて
Read More