月曜日、東都は大雪に見舞われた。神宮寺家で開かれるこの一連の騒動の話し合いは、神宮寺家の屋敷の広間で執り行われることになり、顧問弁護士や神宮寺グループの監事、さらには普段姿を見せない長老二名まで招集された。遥がその広間に足を踏み入れると、出席者たちの視線が一斉に集まった。「教養がない」「朔には合わない」「神宮寺家にふさわしくない」と、これまで影で彼女をさげすんでいた者たちも、この瞬間ばかりは黙りこくった。それは、誰もが察したから。遥が今日、許しを請うために来たわけではないと。遥は、凛とした黒いセットアップに、白いコートを羽織っていた。毛先をゆるく巻いた髪に、淡いリップの色が遥の気品を引き立てる。神宮寺家の人間であることを示す装飾品は、一切身につけていない。ましてや、かつては朔の妻だったという面影は一切なかった。彼女の後ろには、弁護士と修司、眞知子、そして北条家の顧問弁護士たちが続く。そして最後に、使用人に支えられながら紗絵が入ってきた。蔵に数日隔離されていたため、顔はやつれていたが、それでもまだ悲劇のヒロインを演じようとしている。上座に座る久美子の視線は、刃のように冷酷だった。「揃ったようだね。じゃあ、始めようかい」久美子は先手を打とうと、テーブルに申請書を投げつける。「遥はずっと情緒不安定で、放火や暴力的な傾向が見られた。だから、神宮寺家はこの女の精神状態が正常ではなく、離婚や財産分与の手続きを進めるにはふさわしくないと判断した――」「ちょっと待ってください」遥は手を挙げて久美子の言葉を遮った。遥は無表情のまま、録音データをテーブルの出す。「人に汚名を着せようとする前に、まずこれを聴いてみてください」ボイスレコーダーから流れたのは、「両家の体裁を保つためだ」と遥を言いくるめようとする勲の声、そして監視カメラの映像を隠蔽し、精神鑑定の手配を指示する久美子の声だった。広間が恐ろしいほど静まり返る。久美子の表情が、初めて崩れた。「こ、これは――」「他にもあります」遥はUSBメモリーを弁護士へ渡す。「階段に油を塗ったこと、仏間での火災、香炉での負傷事件、その後の誹謗中傷まで、すべてこの中に証拠があります。警察には、すでに届出済みです」顔を真っ青にしている紗絵が、反射的に蓮を
Magbasa pa