しばらくすると、理久の規則正しい寝息が聞こえてきた。 俺の胸にすっぽりとおさまる理久。俺は理久を優しく抱き締め、頭を撫でた。そして、理久の寝顔を眺めながら、俺は彼を守ると決めた日のことを思い出していた。 遡ること、十数年前。俺の隣の家に理久が引っ越してきた。その頃の理久は、とにかく可愛らしかった。俺は不覚にもときめいてしまった。しかし、その容姿が原因でいじめられることも多かった。 「お前、気持ち悪いんだよ」 「やめて、痛い!」 俺は理久が同級生に髪の毛を引っ張られている現場を目撃した。そして、居ても立ってもいられず応戦した。 「お前ら、妬みか?格好悪いぞ」 「なんだ。宗介か。宗介も思うだろ?こいつのこと気持ち悪いって」 俺は怯えている理久を見た。そして、同級生に言い放った。 「そんなこと思ったことないね。それよりも、俺の友達を傷つけたら許さないから」 小学生の頃から、俺は背が高く、喧嘩も強かった。そのせいか同級生たちは、血相を変えて逃げていった。 「もう大丈夫」 「ありがとう」 俺は理久に手を差し出した。 「僕たち友達なの?」 「嫌だったか?」 「ううん、嬉しい!!」 この時の理久の笑顔を俺は今でも鮮明に覚えている。 「よし、決めた。今日から俺が理久のボディーガードになる!」 「宗ちゃんが守ってくれるなら安心だ。」 「宗ちゃん?」 「ん!友達だから」 この瞬間、番犬が誕生した。 その日から毎日、俺は理久と過ごすようになった。朝、理久を家まで迎えに行くのが俺の日課になったのもこの頃だ。眠そうな理久の手を引いて、学校までの道のりを歩く。俺は理久のボディーガードだ。理久を傷つける全てのものから彼を守る。本気でそう思っていた。 月日は流れ、俺たちは中学生になった。思春期を迎えた俺と理久だったが、相変わらずいつも一緒に居た。俺達にはそれが当たり前だった。だが、周りの目は違った。ある日の放課後、委員会を終えた俺は理久が待つ教室へと急いだ。 「理久、お待たせ」 「宗ちゃん、お疲れ様」 「帰ろうか」 「うん」 俺たちはいつものように並んで帰り道を歩いた。ただいつもと違い、理久が一言も話そうとしなかった。理久の異変に気づいた俺は、彼に問いかけた。 「なんかあった?」 「変だって」 「何が?」 「俺と宗ちゃん。男同士なのに
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