Home / BL / 番犬に噛まれた夜 / Chapter 11 - Chapter 12

All Chapters of 番犬に噛まれた夜: Chapter 11 - Chapter 12

12 Chapters

番犬の邂逅

しばらくすると、理久の規則正しい寝息が聞こえてきた。 俺の胸にすっぽりとおさまる理久。俺は理久を優しく抱き締め、頭を撫でた。そして、理久の寝顔を眺めながら、俺は彼を守ると決めた日のことを思い出していた。 遡ること、十数年前。俺の隣の家に理久が引っ越してきた。その頃の理久は、とにかく可愛らしかった。俺は不覚にもときめいてしまった。しかし、その容姿が原因でいじめられることも多かった。 「お前、気持ち悪いんだよ」 「やめて、痛い!」 俺は理久が同級生に髪の毛を引っ張られている現場を目撃した。そして、居ても立ってもいられず応戦した。 「お前ら、妬みか?格好悪いぞ」 「なんだ。宗介か。宗介も思うだろ?こいつのこと気持ち悪いって」 俺は怯えている理久を見た。そして、同級生に言い放った。 「そんなこと思ったことないね。それよりも、俺の友達を傷つけたら許さないから」 小学生の頃から、俺は背が高く、喧嘩も強かった。そのせいか同級生たちは、血相を変えて逃げていった。 「もう大丈夫」 「ありがとう」 俺は理久に手を差し出した。 「僕たち友達なの?」 「嫌だったか?」 「ううん、嬉しい!!」 この時の理久の笑顔を俺は今でも鮮明に覚えている。 「よし、決めた。今日から俺が理久のボディーガードになる!」 「宗ちゃんが守ってくれるなら安心だ。」 「宗ちゃん?」 「ん!友達だから」 この瞬間、番犬が誕生した。 その日から毎日、俺は理久と過ごすようになった。朝、理久を家まで迎えに行くのが俺の日課になったのもこの頃だ。眠そうな理久の手を引いて、学校までの道のりを歩く。俺は理久のボディーガードだ。理久を傷つける全てのものから彼を守る。本気でそう思っていた。 月日は流れ、俺たちは中学生になった。思春期を迎えた俺と理久だったが、相変わらずいつも一緒に居た。俺達にはそれが当たり前だった。だが、周りの目は違った。ある日の放課後、委員会を終えた俺は理久が待つ教室へと急いだ。 「理久、お待たせ」 「宗ちゃん、お疲れ様」 「帰ろうか」 「うん」 俺たちはいつものように並んで帰り道を歩いた。ただいつもと違い、理久が一言も話そうとしなかった。理久の異変に気づいた俺は、彼に問いかけた。 「なんかあった?」 「変だって」 「何が?」 「俺と宗ちゃん。男同士なのに
Read more

番犬の脅威

久しぶりに昔の記憶が蘇った。あの頃は、ただ、理久の傍に居られたらそれで満足だった。 なんて、綺麗事か。俺はいつだって、理久の一番近くに居たかった。理久が欲しかったのだ。それが叶った今、俺の欲望は募るばかりだ。理久と何度身体を重ねても、またすぐに彼を求めてしまう。何度キスしても足りない。できることなら、理久をこの部屋に閉じ込めて、誰の目にも触れさせたくない。俺だけの世界に理久を連れて行けたらどんなにいいか。だが、実際にそんなことをしたら、理久は俺から逃げてしまうかもしれない。俺の事を嫌うかもしれない。そんなこと耐えられない。だから俺はこの願望を心の奥底に沈めて、理久に笑顔を向ける。そう、今、俺がしてるように……「理久、朝だぞ」「宗介だ。おはよ」理久が俺に抱きついた。「寝ぼけてるのか?」「うーん……」「可愛いなぁ」俺は理久に微笑んだ。この笑みの奥の感情は隠したままで。「ほら、早く起きないと遅刻するぞ」俺は寝起きのわるい理久の身体を揺すった。「宗介も寝ようよ」完全に寝ぼけている。「俺は一限から講義があるんだ。理久もだろ?」「あっ!そうだった!起きる」理久は思い出したかのように起き上がった。そして辺りを見回した。「どうした?」「眼鏡がない」理久は視力がわるく、普段はコンタクトをつけている。風呂上がりは眼鏡をかけているのだが、枕元に置いたはずの眼鏡を理久はよくなくす。「宗介、そっち落ちてない?」「ないけど」「まじか……」実は、床に落ちていた眼鏡を見つけた俺は理久に気づかれないように拾っていた。「理久、洗面所まで連れて行ってやるよ。階段危ないし」「ありがとう」理久は俺に掴まろうと立ち上がったが、バランスを崩して俺の上に倒れ込んだ。「ごめん!宗介。怪我ない?」俺を心配そうに見つめる理久が愛おしくて堪らない。「大丈夫」「良かった。って、それ!」俺の胸ポケットに入っている眼鏡に理久は気づいたようだ。「宗介、拾ってたんだ」俺は寝転んだまま、理久に眼鏡をかけた。「これで見えるか?」「よく見える///」理久は俺を見つめながら、頬を赤らめた。「おはよ、理久」「おはよう、宗介//」「キスしていい?」「恥ずかしいから//」俺は起き上がり、理久の口を塞いだ。「キスの時は眼鏡は邪魔だな」「もう、宗介ったら//」
Read more
PREV
12
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status