LOGIN番犬は従順なフリをして飼い主を束縛する。 全ては、拗らせた恋心ゆえ。 犬飼宗介は仁科理久は隣同士に住む幼なじみで、大学生になった今でもいつも一緒にいる。 イケメンだけど強面な宗介は、気弱な理久の番犬として彼に変な虫がつかないように見張ってきた。 宗介はこの関係がこれからも変わらずに続くと思っていた。 あの夜、理久が宗介の知らない男に抱きしめられている現場を目撃するまでは……
View Moreその日は突然やってきた。
俺はいつものように、理久が帰ってくるのを部屋の窓から見ていた。今日も理久が安心して眠れますように。
俺の願いはただそれだけ。理久への淡い恋心は、とうの昔に胸の奥にしまい込んだ。俺は、理久の1番近くに居られればそれでいい。理久の笑顔を守ることが俺の幸せだ。
理久は俺の事をよく〝番犬〟と呼ぶ。上等じゃないか。理久に寄り付くわるい虫を俺が全員追い払おう。理久に近づいていいのは俺だけだ。
俺は敵意剥き出しで、理久の周りの男たちを排除してきた。それはこれからも同じだと当たり前のように思っていた。
「おい……嘘だろ……」
窓から見える光景は俺の錯覚か? 理久が俺の知らない男に抱き締められている。この瞬間、俺の淡い恋心は音を立てて崩れ落ちた。
その男は誰だ? 今すぐ離れろ! 俺は窓から叫びそうになる衝動を抑えて、階段を駆け下りた。そして、外へと飛び出し、理久の背後に立った。
「理久、遅かったね」
俺の声に気づいた男は、気まずそうな表情を浮かべて理久から離れた。
「俺はこれで。返事は急がないから」
男はそれだけ言うと、足早に駅の方へと走っていった。
「さぁ、理久。話を聞こうか?」
俺は理久の手首を握り、俺の部屋へと連れ込んだ。
「宗介、今日はもう遅いから……」
「だめだ。おばさんには、理久は今夜、俺の部屋に泊まるって連絡しておいた」
俺が先回りしていたことを知った理久は、諦めたようにベッドに座った。
「それで、さっきの男は?」
「大学で同じ講義を受けてるひと」
「ふーん。それで、返事って何?」
「それは......」
俺は理久の隣に座って彼を見た。しかし、理久は気まずそうに俺から目を逸らした。
「俺に言えないんだ。しつこい男なら俺が守ってやらないとって思ったんだけど」
「あの、実は……告白された」
「告白?」
俺は理久に詰め寄り、彼を見下ろした。折角、今日まで理久を守ってきたのに。他の男のものになるくらいなら、いっそのこと俺のものにしてしまおうかという邪な考えが俺の脳を支配した。
さて、理久の言い訳でも聞くとしよう。
「でも、友達だと思ってたから、俺もどうしたらいいか分からなくて」
「それで、隙見せて抱き締められたって?」
理久はこくんと頷いた。
「ふっ、理久は押しに弱いからね。仕方ないな」
「宗介……」
理久は俺の言葉に安堵したのか、顔を上げた。
「なんて、俺が言うと思った?」
「え……」
「何の為に、今まで理久のことを守ってきたと思ってる?」
俺は理久をベッドに押し倒した。
「宗介、どうしたの?」
「何がどうしたの?だ。理久がいい子だったら、番犬のままで居られたのに」
俺は理久の両手を押さえつけた。
「いやだ!宗介。離して!!」
「なんで嫌なの?あいつには触らせたのに」
「だって……」
「もっと抵抗しなよ」
理久は泣きそうな顔で俺を睨んだ。
「番犬の躾ができてなかったな」
俺は理久の首筋に吸い付いた。
「んっ……」
「ついた」
俺は理久の首筋に付けた痕を舌で舐めた。
「あぁっ/宗介、何したの?」
「マーキング。これであの男は理久に近づかない」
俺は理久から離れた。これ以上、理久に触れたら俺の理性が崩壊する。
「俺、先に飯食いに行くから、その顔どうにかしてからこいよ」
俺は部屋に理久を残し、リビングへと向かった。
しばらくして、俺が夕飯を食べ終わる頃、理久は2階から降りてきた。
「今日、おばさんは?」
「母さんなら夜勤」
「そうなんだ」
俺と理久の間に、気まずい空気が流れる。
「夕飯、オムライスでいいか?」
「うん。宗介の作るオムライス美味しいよね」
「昔はよく食べに来てたのにな」
俺は昔を思い出しながら、オムライスを作った。 理久を守ることこそが、俺の使命だと信じて疑わなかった幼少期。その想いを拗らせた現在の俺。今も理久は俺の手の届く距離に居るのに、心が遠い。
「出来たぞ」
「美味しそう。いただきます」
理久は俺の作ったオムライスを美味しそうに頬張った。その笑顔は昔と何一つ変わらない。 変わったのは、俺の方か。
「美味いか?」
「うん!」
さっき、あんなに酷いことをした俺に、理久は笑顔を向けた。その純粋さが今は憎い。
「俺、先に風呂入るから理久はゆっくり食べてて」
「分かった」
俺は湧き上がる衝動を抑え、理久から逃げるように、風呂場へと向かった。
一限目の講義が終わり、次の教室へと移動しようとした俺を、実が呼び止めた。「宗介、ちょっと」「なんだよ」俺は立ち止まり、振り返った。「俺、この匂い嫌い」「はぁ?」「宗介の匂いと混じってる」「なんの事だ?」「だから、幼なじみくんの匂い」「なんで実が嫌がるんだよ」俺は怪訝な表情を実に向けた。「宗介って鈍感だよね」「だからはっきり言えよ。用がないなら行くぞ」俺は実に背を向けて教室を出ようとした。すると、実が俺の背中に抱きついた。「行くんだろ?あの子の所に」「そうだよ」「俺は理久しかいらない」俺はそれだけ告げると、実の手を振り解き、教室をあとにした。実に抱きつかれた。俺としたことが、隙を与えてしまった。 実のことは、無愛想な俺を気にかけてくれる良き友人だと思っていた。だが、俺への気持ちが特別なら話は別だ。今後、実が理久に接触しないとも限らない。実に告白されたことを理久に伝えるべきか。やましいことは何も無い。なのに、何故か理久に伝えることを躊躇している俺がいた。俺は2限目の教室へと移動している途中で、理久とすれ違った。理久は同じ学部の生徒と談笑しながら歩いていたが、俺に気づくと微笑んだ。「理久」俺は思わず理久を呼び止めた。すると、理久は友人とわかれ、俺の元へとやってきた。「どうしたの?宗介」「うんと……」俺としたことが、何を話すか考えないまま呼び止めてしまった。何も言わない俺を、理久は心配そうに覗き込んだ。「宗介?」俯いていると、実が俺の肩を引き寄せた。 「あ、ごめん。話してた?」「実、とりあえず離れろ」「あの、そちらの方は……?」理久が遠慮がちに問いかけた。「宗介と同じ学部の小鳥遊実です。そちらは幼なじみくんかな?」「あ、はい。仁科理久と言います」「理久くん、確かに可愛い」「おい!実、それ以上喋るな」俺が一番恐れていた事態が起きてしまった。俺と理久の間を掻き乱す者。実の存在は、俺にとっての脅威に値する。「わるい、理久。また昼に」「う、うん」俺は実の手を引いて、誰も居ない教室へ連れ込んだ。「宗介、痛いってば。宗介!」「なんで理久にあんなこと言った?」俺は実を睨みつけた。「なんでそんなに怒ってるの?」「…………」「俺が理久くんに可愛いって言ったから?」「……」俺は何も答えなかった。実は
久しぶりに昔の記憶が蘇った。あの頃は、ただ、理久の傍に居られたらそれで満足だった。 なんて、綺麗事か。俺はいつだって、理久の一番近くに居たかった。理久が欲しかったのだ。それが叶った今、俺の欲望は募るばかりだ。理久と何度身体を重ねても、またすぐに彼を求めてしまう。何度キスしても足りない。できることなら、理久をこの部屋に閉じ込めて、誰の目にも触れさせたくない。俺だけの世界に理久を連れて行けたらどんなにいいか。だが、実際にそんなことをしたら、理久は俺から逃げてしまうかもしれない。俺の事を嫌うかもしれない。そんなこと耐えられない。だから俺はこの願望を心の奥底に沈めて、理久に笑顔を向ける。そう、今、俺がしてるように……「理久、朝だぞ」「宗介だ。おはよ」理久が俺に抱きついた。「寝ぼけてるのか?」「うーん……」「可愛いなぁ」俺は理久に微笑んだ。この笑みの奥の感情は隠したままで。「ほら、早く起きないと遅刻するぞ」俺は寝起きのわるい理久の身体を揺すった。「宗介も寝ようよ」完全に寝ぼけている。「俺は一限から講義があるんだ。理久もだろ?」「あっ!そうだった!起きる」理久は思い出したかのように起き上がった。そして辺りを見回した。「どうした?」「眼鏡がない」理久は視力がわるく、普段はコンタクトをつけている。風呂上がりは眼鏡をかけているのだが、枕元に置いたはずの眼鏡を理久はよくなくす。「宗介、そっち落ちてない?」「ないけど」「まじか……」実は、床に落ちていた眼鏡を見つけた俺は理久に気づかれないように拾っていた。「理久、洗面所まで連れて行ってやるよ。階段危ないし」「ありがとう」理久は俺に掴まろうと立ち上がったが、バランスを崩して俺の上に倒れ込んだ。「ごめん!宗介。怪我ない?」俺を心配そうに見つめる理久が愛おしくて堪らない。「大丈夫」「良かった。って、それ!」俺の胸ポケットに入っている眼鏡に理久は気づいたようだ。「宗介、拾ってたんだ」俺は寝転んだまま、理久に眼鏡をかけた。「これで見えるか?」「よく見える///」理久は俺を見つめながら、頬を赤らめた。「おはよ、理久」「おはよう、宗介//」「キスしていい?」「恥ずかしいから//」俺は起き上がり、理久の口を塞いだ。「キスの時は眼鏡は邪魔だな」「もう、宗介ったら//」
しばらくすると、理久の規則正しい寝息が聞こえてきた。 俺の胸にすっぽりとおさまる理久。俺は理久を優しく抱き締め、頭を撫でた。そして、理久の寝顔を眺めながら、俺は彼を守ると決めた日のことを思い出していた。 遡ること、十数年前。俺の隣の家に理久が引っ越してきた。その頃の理久は、とにかく可愛らしかった。俺は不覚にもときめいてしまった。しかし、その容姿が原因でいじめられることも多かった。 「お前、気持ち悪いんだよ」 「やめて、痛い!」 俺は理久が同級生に髪の毛を引っ張られている現場を目撃した。そして、居ても立ってもいられず応戦した。 「お前ら、妬みか?格好悪いぞ」 「なんだ。宗介か。宗介も思うだろ?こいつのこと気持ち悪いって」 俺は怯えている理久を見た。そして、同級生に言い放った。 「そんなこと思ったことないね。それよりも、俺の友達を傷つけたら許さないから」 小学生の頃から、俺は背が高く、喧嘩も強かった。そのせいか同級生たちは、血相を変えて逃げていった。 「もう大丈夫」 「ありがとう」 俺は理久に手を差し出した。 「僕たち友達なの?」 「嫌だったか?」 「ううん、嬉しい!!」 この時の理久の笑顔を俺は今でも鮮明に覚えている。 「よし、決めた。今日から俺が理久のボディーガードになる!」 「宗ちゃんが守ってくれるなら安心だ。」 「宗ちゃん?」 「ん!友達だから」 この瞬間、番犬が誕生した。 その日から毎日、俺は理久と過ごすようになった。朝、理久を家まで迎えに行くのが俺の日課になったのもこの頃だ。眠そうな理久の手を引いて、学校までの道のりを歩く。俺は理久のボディーガードだ。理久を傷つける全てのものから彼を守る。本気でそう思っていた。 月日は流れ、俺たちは中学生になった。思春期を迎えた俺と理久だったが、相変わらずいつも一緒に居た。俺達にはそれが当たり前だった。だが、周りの目は違った。ある日の放課後、委員会を終えた俺は理久が待つ教室へと急いだ。 「理久、お待たせ」 「宗ちゃん、お疲れ様」 「帰ろうか」 「うん」 俺たちはいつものように並んで帰り道を歩いた。ただいつもと違い、理久が一言も話そうとしなかった。理久の異変に気づいた俺は、彼に問いかけた。 「なんかあった?」 「変だって」 「何が?」 「俺と宗ちゃん。男同士なのに
俺は理久を抱き締めながら、寝顔を眺めた。長い睫毛に、白い肌。俺は理久の頬にそっと触れた。「ん……」 「起きたか?」「……宗介」俺は理久の唇に軽くキスをした。「途中で寝ちゃったのか。ごめん」「ううん。それより起き上がれるか?」「なんとか」理久は腰を擦りながら起き上がった。すると、理久の中から出てきた俺の欲望がシーツを濡らした。「宗介//これって……」「理久が起きてから掻き出そうと思って」「ん//」「風呂場行こ。やってあげる」「自分でやるよ/」「立てないのに?」「それは宗介が!/」「わかったから、じっとしろ」俺は理久を抱きかかえると、強引に風呂場まで運んだ。「理久、ここ座って、足広げて?」「嫌だ/恥ずかしい//」「しっかり出さないと」理久は顔を真っ赤にしながら、俺の言う通りに足をひらいた。俺は理久の中に指を入れ、少しづつ自分の欲望を掻き出した。指には白くドロっとしたものがまとわりついた。「俺のたくさん入ってる」「だって、宗介が奥までするから//」「そう言いながら、今もここ、ビクついてるぞ」「んぁっ……/////」俺は理久の入口をそっと撫でた。「だめ、宗介/」「どうして?」「また欲しくなる//」「そうだよな。折角、綺麗にしたからな」そこで、俺は自分のモノを理久のモノに擦り付けた。「あぁっ/」「いれないから」「んん……/////」風呂場には、理久の喘ぎ声と、俺の吐息が響いていた。「宗介、激しすぎ。腰動かない」「わるかったって」「ほんとにそう思ってる?」理久は俺のベッドに寝転びながら、上目遣いで言った。「思ってるよ」「ふーん」「まだ怒ってるのか?」「怒ってない。けど……」「けど?」「そこは察しろよ/」と言われても、言ってくれないと分からないこともある。「大学の課題があるから、理久は先に寝てていいよ」「宗介は俺が先に寝てもいいんだ」また怒らせたか?「いや、そういう訳じゃ……」「宗介は昔から鈍感だからね」「ん?」「もういい。寝る!」理久は完全に拗ねてしまった。俺は一旦、課題にキリをつけるとベッドの縁に座った。「理久、こっち向いて?」「嫌だ」俺はそっと理久の首筋にキスをした。「ひゃっ/」「どんな声出してるんだよ」「宗介がそんな所触るから/」「理久、おいで。一
俺は自分の腕を噛むことで、なんとか理性を保とうと試みた。「ねぇ、宗介、はやく///」 だが、俺の葛藤なんて露知らず。理久は欲望のままに俺を強請ってくる。でも、ただではあげない。「理久、俺と付き合う?」「へ?」なんだその反応は? 理久は俺の身体だけが欲しいのか?「それは……」「付き合うか、付き合わないか。今、決めて」こんなやり方で、理久を繋ぎ止めても虚しいだけ。そんなこと分かっている。 だけど、そんなこともうどうでもいい。 俺は誰にも理久を渡さない。ただそれだけ。「……付き合う」「いい子だ」俺は理久の頭を撫でた。「宗介?」そして、俺は無言で理久を犯した。「あ
ずっと好きだった理久とやっとひとつになれた。俺は幸せの絶頂にいる。とでも言うと思うか。理久の全てが手に入らなければ意味が無い。俺は理久の心も欲しいのだ。理久が本心で俺の事を好きになってくれた時、俺の想いは報われる。それまでは、理久に変な虫がつかないように、俺の痕跡を残し続けなければならない。だが、迫りすぎもよくない。 飴と鞭を使い分けて、理久を手懐けなくては。当分の間、理久が俺を求めてくれるまで、俺からは一切、彼に触れない。 自分でも必死すぎて呆れるが、それくらい理久のことが好きで堪らないのだ。こうして、俺の禁欲生活の幕は上がった。俺は自分に課せたミッションを遂行すべく、理久に触れない日
理久は純粋だ。だから、俺の心を抉る。理久の心に触れる度、自分のずるさを思い知らされる。そんな俺を理久が後ろから抱き締めた。この手を振り解く強さが俺にあったらのなら。理久を抱き締める強さが俺にあったのなら。ふたつの相反する気持ちと俺は葛藤した。結局、俺には強さも何も無い。辛うじて繋ぎ止めていた理性が切れただけだった。俺は理久をベッドに押し倒した。俺は理久の腕に痕が付くくらい、強い力で押さえつけた。長年、我慢していた理久への欲望が爆発する。俺は理久の服を剥ぎ取ると、彼の身体の隅々まで舐め回した。「んぁっ……//あぁっ///」俺は理久の喘ぎ声を聞きながら、ゆっくりと入口に指を侵入させた。
俺は醜い感情を無理やり仕舞い込み、目を閉じただが、眠れるわけもなく何度も狭いソファーで寝返りを繰り返した。「宗介」「わ!?びっくりした」その声に驚き、飛び起きると、リビングの暗闇に理久が立っていた。「電気つけろよな」「ごめん。寝てるかもと思って」「眠れないのか?」「うん。だから一緒に寝よ?」「なぁ、理久。俺が何の為に、ここで寝るって言ったか分かってるのか?」理久の無神経さに、俺は苛立ちを隠せず、思わず声を荒らげてしまった。「俺だってそれくらい分かってる」「それが分かってても、理久は俺と一緒に寝るんだな」俺は理久に問いただした。「うん」「なら俺にキスしてみて」「分か
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