夫である斎藤海斗(さいとう かいと)との行為の最中、彼のスマホに突然、知らない誰かからのメッセージが表示された。【今の私、あの頃よりずっときれいになったよ。会いたい?】「また迷惑メッセージかよ」私、柳田清美(やなぎだ きよみ)がよく見る間もなく、海斗はスマホを遠くに放り投げ、そのまま私と続けた。一か月後、私はあの日の差出人から届いた新しいメッセージを再び目にした。【やっぱり前と同じ場所で会わない?】その一行を見て、私は固まった。彼のスマホをアンロックしようとすると、指先がどうしても震えてしまう。メッセージ画面を開くと、その番号には名前の登録もなく、過去のやり取りもない。あるのはこの一文だけで、それ以外は何もない。心臓の鼓動が速くなり、どうしていいのか分からなくなった。そのとき、海斗が風呂から上がって部屋に戻ってきた。私が彼のスマホを見つめているのを見て、くすっと笑いながら私を抱き寄せた。「どうした、ぼーっとして。俺のスマホのパスワード忘れた?俺がロック解除してやろうか」「もう解除したよ」私は画面を彼に向けた。「このメッセージ、どういう意味?」海斗は一目見ただけで、表情を崩さなかった。「迷惑メッセージだよ」と、海斗は困ったように笑い、私の頬をつまんだ。「バカだな。こんなのをずっと見てたのか?」彼はそのままスマホを取り上げ、手際よくその番号をブロックした。彼が何気なくスマホをベッドサイドに置くのを見て、私は思わず口を開いた。「前のメッセージと同じってこと?」彼は身をかがめてベッドを整えながら、何気なく答えた。「ああ、前のと同じ」胸がぎゅっと締めつけられるような感じがした。彼の性格なら、メッセージが初めて来た時点で、もうその番号をブロックしているはずだ。あのメッセージを覚えているのに、なぜこの長い間ブロックせず、ただ削除していただけなのか。もしかして最初から、この番号と連絡を取り続けるつもりだったのではないか。考えれば考えるほど、手足が冷たくなり、胸が重くなった。海斗はそれに気づくこともなく、いつものように優しく私を寝かせ、電気を消した。私はまったく眠れない。彼も、どうやら同じだ。しばらくじっと横になっていると、彼の呼吸が眠りに入っていないのが分かる。
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