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第8話

Author: ちょうどいい
恵津と会ったあの日から、一か月が過ぎた。

私の弁護士が海斗と連絡を取り、離婚協議書の署名のための面会を設定した。

場所は法律事務所の会議室だ。

海斗は遅れて現れ、ドアを開けた瞬間、顔色はひどく沈んでいる。

弁護士は準備していた書類を彼の前に差し出し、丁寧に言った。「斎藤さん、ご確認ください」

海斗はそれを手に取り、ざっと目を通しただけで閉じた。

「この内容には納得できない」

明らかな拒絶の色が表情に浮かんでいる。

私は彼を見上げ、ただただ馬鹿らしいと思った。

離婚すれば、彼は堂々と恵津と一緒になれるはずだ。

それなのに、今さら何を不満そうな顔をしているのか。

それとも、体裁のいい結婚を保ったまま、二人の間を行き来するつもりなのか。

それ以外の答えは、もう思いつかない。

私は、彼という人間が分からなくなっている。

弁護士は冷静に尋ねた。「どの点についてご不満でしょうか?」

「全部だ。財産分与とその処理についてだ」

私は書類を彼の方へ押し出した。「問題があるなら、今ここで具体的に言って」

彼はもう書類に目を向けず、私を見る目には深い無力感がある。

「清美
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