結局その後、並本雪花は“職場の風紀を乱した”という理由で契約を切られたらしい。 ……まぁ、当然の結果だろう。でも彼女のおかげで、鬱憤が溜まっていた営業部の女子たちが私たち経理フロアにやって来て、まるで憂さ晴らしのように文句を言っていった。結果的に『昨日の敵は今日の友』状態。彼女が去った後の職場は、見違えるように平和になった。ちなみに、営業部の一部のバカ男子と部長はこう言っていた。 「雪ちゃんは、嫌われ役を演じて女子たちを仲良くさせたんだよ」 ……どんな聖母設定よ。どこをどう見ても、ただのクラッシャー女でしょ。 (クラッシャー女って、どんだけよ)彼女が辞めた後も、後味の悪さは残った。そして、こんな伝説までできた。 「ずっと首が揺れてる女って、女の敵よね!」 ──そのとき、私は初めて“首が揺れてる女”というワードを知った。後に部長に連れて行かれたスナックでも、ホステスさんが同じことを言っていた。 「首が揺れてないとモテないんだって」 ……いや、どんな理屈!?想像すると、頭に浮かぶのはお土産屋の“赤べこ”しかない。でも、思い返せば──前世で死ぬ間際、婚約者の背後から顔を出した彼女の首は……確かに揺れていた。そして今、ソフィアになった私の首も揺れている。 「でも、なんで彼女は私だけ攻撃対象にしたの?」思わず、女神に問い詰めた。 「あなたの婚約者、ホテルから出てきたのは浮気したからじゃないのよ」 「え?」 「むしろ、彼女のことなんて相手にしてなかったの」 思わず目を丸くした。 「どういうことでしょう?」女神の話によると、彼はしつこく送られてきたメッセージをすべて無視していたらしい。あの日も、彼女から“渡良瀬さんが他の男とホテルに入っていくのを見た”と連絡があり、確かめに行ったら嘘
Last Updated : 2026-04-25 Read more