太陽が高い時間帯に空を飛んでいては目立つ。他の悪魔祓いに見つからないように、林の中に降り立つと、羽根と尻尾を消し、歩き出す。「畜生、どこだここ」 無我夢中で飛び回った上に、土地勘があまりない。ヴェルガーはロキを一度おろしておんぶすると、近くに村や街がないか、探し回る。 人間のふりをして助けを求め、ロキの手当をしてもらうためだ。「ん、うぅ……」 耳元で小さな唸り声が聞こえ、立ち止まる。「ロキ、起きたのか?」「ヴェル……? ここは……」 はっと息を呑むのが聞こえた直後、ロキはヴェルガーの背中から飛び降りる。だが、やけどした足ではうまく着地出来ず、そのまま倒れてしまった。「う、くぅ……! 行かなきゃ……」「バカ、その足でどこに行けるってんだよ」 再び抱き上げようと腕を掴むも、すぐに振り払われてしまう。「離して! 彼らを説得しなければ!」「バカか、アイツらは興奮状態だ。お前の話なんか聞かない!」「じゃあどうしろってんだよ!」 ロキの悲痛な叫びに、言葉が詰まる。彼が感情をむき出しにするのを見るのは、これが初めてだ。「あの時から、僕は……」 その声は、蝋燭の火のように、消え入りそう。ヴェルガーは一言も聞き逃すまいと、耳を傾ける。「僕は、なにもしてなかった! 好きでフィニトスを殺したんじゃない! 好きでアルマディナを出たわけじゃない!」 悲痛な叫びが、林に響く。それは幼い頃から押し殺していたロキの本音であり、魂の叫びだ。「逃げてばかりじゃダメだと思って、精一杯尽くして、祈って、研究してきた……。なのに、なんで誰も僕を認めてくれないんだ!」 気づけば、子供のように泣きじゃくるロキを抱きしめていた。ロキは今まで封じてきた感情を爆発させ、ヴェルガーの厚い胸板に小さな拳を何度も叩きつける。(あぁ、コイツも、ひとりだったんだ……) 感情をぶつけるロキを抱きしめながら、ヴェルガーはようやく自分の気持ちに気づいた。自分は間違いなく、ロキに惹かれている。自分と同じ、否、それ以上の嫌われ者なのに、ロキは笑顔を絶やさない。それに、研究のためとはいえ、自分を知ろうとしてくれたのが嬉しかったのだ。「ロキ……。お前は大した奴だよ」 涙が落ち着き、大きく呼吸を繰り返すロキの背中をさすりながら、ぽつりと本音を零す。「ヴェル……、僕は……」「今は何も言う
Terakhir Diperbarui : 2026-04-28 Baca selengkapnya