「……アルデンヌ方面攻略作戦は以上となります!」 ビデオチャットの会議にて、シェリオ伯爵の副官シオン少佐の説明を受けた。 蛮王様も参加しているので、私が二次元萌えだのヘガクサイだの言われることは無い。今の私はエールパ星系の主、蛮王ブルーと実質的に傭兵契約もしていたからだ。【アルデンヌ方面攻略艦隊】〇攻略部隊……マールボロ星系艦隊司令官・シェリオ伯爵戦力スコア:11200BP<内訳>・星間航行戦闘艦10隻・地上軍強襲揚陸艦8隻〇兵站部隊……エールパ星系艦隊司令官・蛮王ブルー(現場指揮はヘッツアー軍務卿)戦力スコア:1800BP<内訳>・星間航行戦闘艦3隻・大型輸送船6隻……そう、我々は前線配置では無かった。☆★☆★☆ アルデンヌ星系。 それはかなりの辺境地帯だった。 我がリーリヤ星系もかなりのド田舎だが、さらに輪をかけて辺境な独立星系である。 この星系に棲んでいるのは水棲魚人たち。ちなみにみな鰓呼吸である。 本来は中立星系なのだが、共和国軍がこの水棲魚人たちの自治政府に先月宣戦布告した。 これに伴い、我が帝国は自治政府の独立を守るための出兵となった。 ……何のことは無い、ただの大国の勢力争いなだけである。 共和国軍は星間航行戦闘艦8隻。 対する我が帝国軍は13隻であり、戦いは優勢に運ぶと思われた。☆★☆★☆ 帝国暦849年11月。 両軍はアルデンヌ星系外縁の小惑星帯にて遭遇。 なし崩し的に砲撃戦となった。 この戦いに際し、シェリオ伯爵は大包囲作戦を立てていた。 その作戦はある意味、壮大な芸術作品だった。 しかし、あまりの緻密な指示に、味方は大混乱する。「前衛はなにしているのだ?」「右翼は何をボサっとしている!?」「あ~つかえない奴らだな!!」 シェリオ伯爵は指令室で酷く苛立つ。 彼の立てた作戦は細かいガラス細工のように繊細だった。 よって、各艦長が生き物として当たり前に犯す小さなミスによって、戦線は連鎖的に崩壊していった。 緻密に組み立てられていた回線網は、味方の艦船同士の罵声がよく響く。 誰しも相手が全て悪いといった口調だった。 責任をなすり付け合う通信がとても酷い。 まさに真の敵は味方といった具合の内容だった。 開戦2時間後には、帝国軍は味方艦を盾にするように後退し始める。
Last Updated : 2026-05-11 Read more