大学入学共通テスト一日目。僕は同じ会場のクラスメイトたちと学校で落ち合い、一緒に出発することになっていた。しかし、恋人の二宮朝香(にのみや あさか)は、なかなか現れない幼馴染の藤村駿(ふじむら しゅん)を待つために、出発時間を遅らせていた。しかし、試験開始まで残り1時間もなかった。このままでは確実に間に合わない。前世で学級委員だった僕・神崎嶺(かんざき れい)は、みんなに先に試験会場へ向かうよう忠告した。だが、返ってきたのは感謝ではなく、みんなからの冷たい視線と不満の声だった。「駿と朝香の仲が良いから嫉妬してるんだろ?駿が受験に間に合ってほしくないって思ってるでしょ!」土砂降りの中、僕が必死に頼み込んで、ようやくみんなは重い腰を上げた。試験開始5分前、僕たちはなんとか会場へ滑り込んだ。しかし、試験後に駿に会場の窓から突き落とされ、僕は無残な姿で死んだ。それなのに朝香は、クラスメイト全員を引き連れて警察に嘘の証言をした。「駿が共通テストを受けられなくなったのは嶺のせいです!嶺はその罪悪感で飛び降りたのですよ!」駿はその一件で世間の同情を買い、ネットで人気者になった。母は僕の潔白を訴え続けたけれど、真相を知らない世間は彼女にまで容赦なく誹謗中傷を浴びせた。心をすり減らした母はある日運転中に事故を起こし、そのまま崖下へ転落して亡くなった。命を落として初めて、すべてが駿の仕組んだ罠だったのだと知った。僕が受験会場の窓から突き落とされた時、耳元で駿が得意げに笑う声が聞こえた。「神崎、教えてやる。俺は自分の学力じゃあ大学に行けないことを知ってて、わざと遅刻したんだ。お前が罪悪感で『自殺』してくれれば、俺は被害者ぶってネットのファンを増やせるからさ」……突然、頬を打つ雨の冷たさで、混濁していた意識が一気に覚醒した。目を開けると、 僕は共通テストの会場ではなく、なぜか高校の校門前に立っていた。目の前にはクラスメイトたちが送迎用にレンタルした貸切バス。そしてその運転手と言い争っている二宮朝香(にのみや あさか)。あの日と寸分違わぬ光景に、僕は動悸を抑えられなかった。死に戻った――その事実に混乱していた僕だったが、次の瞬間、朝香が怒りに燃えた目でこちらを睨みつけていることに気づいた。「嶺、なんて自分勝手なの
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