敏腕エロマッサージ師、ワケアリスケベ女が集まるマンションの管理人になる のすべてのチャプター: チャプター 11 - チャプター 17

17 チャプター

ノンブレーキ・フルアクセル 前編

 何と言うか、おかしくなった感覚って奴は中々治らないんだなと実感してしまう。「新卒って、待遇良かったんだなぁー……うぅん」 初めて職業安定所というものに行ってみた感想がこれだった。  それだけに何と言うか、思っていた以上に大きな機会ってやつを失ってしまったんだと強く思う。「やっぱり海外か? 海外に行って働くしかないのか? むむむ」 現実逃避だとはわかっている。  仮に海外へ飛んで働いたとしても、日本より劣悪な環境だったり待遇だったりする可能性は十分に高いのだし。 なんともまぁ随分な社会不適合者になってしまったものだ。  どれだけ自分が社会ってやつを舐めていたのかと猛省する所存です。「――あれ? 八雲君?」 「ん? あ、店長じゃないですか。どうしたんですかこんな時間にこんなところで」 街中でばったりってのは十分にあり得る話ではあるけど、流石にオフィス街でこの人に会うとは思わなかった。  ぶっちゃけエロマッサージ屋なんてアングラも良いところの住人がいるのは違和感が強すぎる。「やめてくれよ、僕自身こんな場所は似合わないって思ってるんだから」 「やめてくれってのはこっちのセリフですよ、店長。見透かさないで下さい」 「あはは。わかりやすいキミが悪いんだよ八雲君。あぁ、ついでにその店長ってのもやめてくれないかな? キミはもう店員じゃあないし、何よりあの店はもう畳むつもりだから」 「えっ!? 店、無くなっちゃうんですか!?」 いやはや予想外は続くものだ。  苦笑いを浮かべながら頷いている所を見るにどうもマジらしい。 たかがバイトではあったけど、結構繁盛していたと思うし……経営が理由ってわけじゃあないと思うけど。「いや、経営上の理由だよ?」 「だから見透かさないで下さいって何度言えば。って、マジですか」 「マジもマジさ。どっかの大人気エース君が辞めちゃったから、苦しくてね。あぁ、ついでにガサ入れもぼちぼち怖くてねぇ! 色々タイミングってものがね! ははは!」 「……こういう時、なんて言えばいいかわからないものですね」 何処がジョークなのかわからなくなるからさ。「やれやれ。いつまで経っても僕がしょうもないジョークが嫌いだってのは、信じてもらえないみたいだね」 「俺ですか? 悪いの俺ですか? むしろ店長の自業自得だと思うんですけど」
last update最終更新日 : 2026-06-10
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ノンブレーキ・フルアクセル 後編

「お帰りなさい、管理人さん」 「――あー……はい。ただいま、です」 悲報か朗報か知らんが、帰ってきたら若奥様が三つ指ついて出迎えてくれた件について。 え? 何これ、ちょっと意味がわからないんだけど俺ってばどこぞの御曹司だったりした?  こんなお帰りなさいは初めてが過ぎてどうしたらいいのかまぁじでわかんないんですけど?「あ、あの、早瀬さん?」 「はい」 「えぇっと、そうやって家主を出迎えるのがフツー、だったりするんです?」 「あっ……ご、ごめんなさいっ! い、嫌でしたか!?」 嫌かどうかって話じゃないんですけれども。  というかその、そう言う心配するなら早く立ちあがってもらいたいんですけれどもって……あー。「嫌ってわけじゃないですよ、少し面食らってしまっただけです。いやほんとに驚きました、一瞬こんな可愛くて奥ゆかしい? って言うんですか? そんな人といつ結婚したっけって」 「か、かわっ!?」 「あはは、すみません。でもそうですね、お帰りなさいって言われるの久しぶりでしたし、うん。やっぱり良いものですね、ありがとうございます。それよりいい匂いですね? 夕食作ってくれてるってメッセ貰ったから楽しみだったんですよ」 「え、あ、は、はいっ! もう下拵えは終わってるのですぐできますよっ!」 よくよく見れば床についていた指が震えていたし、これが当たり前ってわけじゃないだろう。  緊張してたのか不安だったのか、それとも別の何かしらの感情か判断は出来ないけれど、一旦それは置いておいて。「って、ごめんなさい。上着、お預かりしますね」 「へ? あ、あぁ。えぇと、ありがとう、ございます」 め、めちゃくちゃ距離詰めてくるじゃん? いや近い、近いって。  言われるがままにスーツを脱ごうとしたらアシストが完璧すぎる。  というかネクタイ解くのも手慣れてるなおい、古き良き奥様像そのままじゃねぇかこんちくしょう。「あ、食事の前にお風呂のほうが良かったですか? このままお食事で大丈夫ですか?」 「……こんないい匂いしてるのに先に風呂でお預けは拷問ですよ。是非ご飯でお願いします」 「も、もう。やっぱり管理人さんはお上手ですね。それじゃあ、すぐに作ってしまいますので、少しだけゆっくりしていてください」 「わかりました」 ぼけっと未だに玄関で立ち竦んでし
last update最終更新日 : 2026-06-11
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たわわにあわあわ 前編

「――大きい、お背中ですね」「そう、ですか?」 言われてすぐにブレーキが効かなくなっていると言うより、無くなってしまっているということを実感してしまった今この頃、如何お過ごしでしょうか。 俺はもう正直タオル越しであっても触れられる早瀬さんの手にドキドキしっぱなしです。「そうですよ、やっぱり男の人、なんですね」「そりゃあ、はい。男、ですから」 はいそうです、俺も男なんですよ早瀬さん。 だからこういうことをされてしまったらですね、男の子の部分がうるさくなって仕方ないんです。「流しがいが、あります」「流しがいって」「ふふ。力加減は、大丈夫ですか? もう少し、強くしたほうが良いですか?」「あー……それじゃ、お願いします」 ただ、まぁ。 湯気で曇った鏡越しではあるが、伺える早瀬さんの表情は明るかった。「よいしょっ。こんな感じ、ですか?」「はい。いい感じです。気持ちいいですよ」「良かった、です。じゃあ続けますね」 そう、明るかったんだ。 これで照れてたり、あるいは挑発的だったりしたのならまた話は別だったんだけども。 少なくとも今は、エロティックな雰囲気は感じられない。 それが非常に不味いのだ、ぶっちゃけ俺だけが悶々としてしまっている。 でもさ、仕方ないじゃん? なんかこう、鏡でさ、ちらちらって映るんだよ、御立派な双子山さんがさ、たまんないんだよ。 誰だチラリズムは至高のエロスとか言ったヤツは。出て来い座布団10枚くらい進呈してやる。「は、ん……よい、っしょ……んっと」 しかもさ、一生懸命やってくれてるのはわかるよありがとうございます。 でもさ、そのちょっとくぐもった声がさ、もうごめんなさいちょっと喘ぎ声に聞こえちゃってさ、余計になんですよ。 あー……きっつい。 絶対この人なんかバグってるよ、主に異性との距離感とか。 あるいはそのせいなんじゃねぇの? 旦那さんと上手く行ってなさそうなのってさ。「あの」「えぁっ!? あ、はい。すみません、どうしました?」 あ、気づけば終わってるや。そりゃそうだよ、んな男と言えど背中の一つ5分もかからないで終わるだろっての。「重ねてすみません、つい気持ちよ――」「どうして、ですか?」「はい?」 どうしてって? それは多分どころか間違いなく俺のセリフなんですけどそれは。「どうし
last update最終更新日 : 2026-06-12
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たわわにあわあわ 後編

 ブレーキが無くなった代わりに生まれたものはスイッチだった。「じゃあ、失礼しますね」「は、はい……!」 不思議なものだ、ある種の職業病と言えるのかもしれない。 女の裸を前にして、ヤるぞと決めたら逆に落ち着くと言うか、さっきまでの動揺が嘘のように引いていった。「んっ!」 バスタオルは巻かれたまま。 背中にまで回されたタオル越しに指を這わせてみれば、なんともまぁガチガチだった。「そう緊張せずに……って言うのも違いますか。どうぞ、沢山緊張してください、どれだけ固くなってもしっかり解してあげますから」「う……や、やっぱり、その」「もちろんやっぱりナシでも構いませんし、なんだったらこの間の合言葉を今回も使いましょう。大丈夫、今度はちゃんと言わせてあげますから」「……わ、わかり、ました」 ちゃっかり背中を流すのではなくマッサージだと言ってみたが、切り替わっていることに疑問を抱いていない様子。 いいね、実に二回目のお客さんらしい。「あ……ん、んう」「早瀬さんって姿勢良いですよね。その分この腰上辺りって結構張るんですよ」「み、たい、ですね……気持ち、良いです」 そうだ、俺から触れられるということは性的に気持ちよくさせられるという認識が既にあるのだ。 だから仮にこの状態からいきなり腕を回して胸を揉んだりしても大丈夫だったりする。 そう、どうせ最後は触られると理解しているのだから。「けど、えぇと、そ、の……んんっ」「わかってますよ。大丈夫、心配しなくても、大丈夫ですから」「で、でも……これ、って」 故に、だろう。 普通のマッサージらしきものが始まることに違和感を覚える。 言ってしまえばマッサージの認識は、愛撫へと移行するための建前と言ったものだろうから。「――期待は、裏切りませんから、ね?」「ひゃうぅっ♡」 バスタオルの巻かれていない肩へと触れながら、耳元へと口を寄せて小さく囁く。 なんともまぁ劇的なびっくり反応を頂いてしまったが、効果は覿面ってことで一つ。「それにね、早瀬さん」「ん、んんぅ……♡ は、はいぃ♡ なん、ですか?」「この間も少し言いましたけど、相手に喜んで欲しいって別に女の人だけが思うわけじゃないですから」「ふ、ぇ?」 肩を軽く揉みながら、当たり前のことを言う。「相手が喜んでくれて嬉しい。それって普通
last update最終更新日 : 2026-06-13
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早瀬美香という女②

「――あ、れ……? わた、し?」 確か管理人さんの背中を流すためにお風呂へ行って、やっぱり気持ちよくしてもらえて。  一体何の熱なのか、まだぼんやりとする頭の中にはそのあとの記憶が残っていなかった。   「あ、気が付きました? 大丈夫です? 頭痛いとかありませんか?」 「え、管理人、さん? ……あ、そうか、私」 「ええ。やっぱり広いと言ってもお風呂場でああいうことをするのはダメですね、のぼせて危ないです」 ……あぁ、と。  狭い浴室の中であんなことをしていればのぼせもする、だって言うのに自分を止められなかったのだから何とも処置のしようがない。 「う……すみま、せん」 「いえいえ、なんて言うことはないですよ。お茶、どうぞ」 「あ、はい。ありがとう、ございます」 優しいな、と。  ペットボトルのお茶を受け取りながら、改めてそんなことを思う。 それとなく身の回りを確認してみれば管理人さんのだろう大きいシャツを着せてもらっていたし、頂いたお茶は少しぬるめでのぼせた身体には丁度いい。 こんな風に相手を気づかえる素敵な人に、私はなんてことを……とも、思う。  当たり前に自己嫌悪はしているけれど……本当に私はどうしてしまったのか。 でも、どうにも止められない。ううん、止まりたくないなんて気持ちがあることを否定できない。  少なくとも、自分ではもう無理だって確信がある。散々迷った一度目の時よりも、今回の方が簡単に足が動いてしまったから。 きっと私は三度目を望んでしまうと、わかってしまう。 ……こんなにはしたない女だったのか、私は。  自己嫌悪感は募るばかり、でも……同じくらいに、もっと、なんて。「早瀬さんは、フェラチオってしたことありますか?」 「んぐっ!? ごほっ! げほっ!? か、かんりにんさんっ!?」 ふぇらちおっ!?  きゅ、急に管理人さんは何を真面目な顔でっ!?「いえ、突然すみません。少し、気になることがあって」 「う、うぅ……もう」 あぁ、うん。  驚いたのは一瞬だった、それはやっぱり管理人さんの表情が真面目なもので、いやらしいものじゃなかったから。「……気になること、ですか?」 だから性的な話の内容だというのにも関わらず、気になることの中身が気になる。  何故か少し胸の奥がもやつくのだけれども、管理人さ
last update最終更新日 : 2026-06-13
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夜の繋がり

 あえて言うのであれば初手を間違えたということだろう。  とりあえずスッキリさせた後冷静になって着地点を一緒に探すなんてことをせず、最初から行きつくところまでヤってしまうか、すっぱり拒否した方が拗れる事は無かった。「店長の言葉をもう少し早く聞いていれば、なんて思うのは甘ったれか」 肉体関係を持つことで家賃を減らす。  早瀬さんが持ちかけた契約をそのまま受け入れていたのなら良かったのだ。  そうすれば問答無用で取るべき責任の形がわかりやすく見えていたことだろう。 しかしながら。「……ハマらせて、しまったんだよなぁ」 裏目に出たとは言わない、ある意味確信犯だと言っていい。  早瀬さんが望んでいる事を察しながら、確信がないからを言い訳にして結果的に女心を弄ぶクズとなった。 そうして表に出てきた早瀬さんとは、満たされない欲望を奉仕という行為で満たそうとする女だった。  そして俺は、今になって思えば彼女の全てを肯定してしまっていたなんて罪深いも良いところな事をしてしまっていたことに気づく。「うーあー……」 ベッドに背中から身を投げ出してみれば、やってしまったことの大きさを教えてくれるかのような反発が返ってくる。 艶々した顔で戻っていった早瀬さんの背中は、何かを吹っ切ってしまったような感じがした。  いや、何かをじゃあない。俺に溺れる事をヨシとしたんだ。流石にそこは受け止めなければならないだろう。 だが、バイトを辞めた俺に仕事だからという言い訳は使えない。  当たり前にさっきまでヤっていたことが管理人の仕事と言えるわけもないのだ。「どう、すっかなぁ」 多分早瀬さんは現状を維持するように動くことだろう。  むしろ、家庭を維持するためにという言い訳を持ち出して、より一層俺との関係に依存する可能性だってある。  そうしてしまえば待っているのは破綻と破滅だ。まだ未熟だったころによく見たお客さんたちのなれの果て。 そんな風に早瀬さんをしたいとは思えない、仕方ないという言葉も使えない。 ならばつまるところ、俺がするべきことというのは。「関係の清算になる、よな」 自分の持つ欲求の全てを肯定し受け止め認めてくれる人、それが早瀬さんにとっての俺だ。  言葉にすればぞっとしてしまうが、そうさせたのは他ならない俺である。反省しような? 反省で済む
last update最終更新日 : 2026-06-14
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悪い人 前編

 ――いつもの所に、いつもの方法で。 メイからのメールが届いたのは依頼してから丁度一日経った時だった。 いつもの駅で、いつものロッカーをいつもの方法で開けて入っていた一枚のレポート用紙へと目を通せば、まぁ。「よくある話、なんだよな」 なんて、苦笑いが勝手に出てくる内容が書かれていた。 肝心のメイにしても思わず何だろう、珍しくもなんともない話過ぎて報酬の件は一日無料でいいとか書く始末だ。 あるいは、だが。 夜の世界を知っているだけに、太陽が昇っている世界はこんなんじゃないとか勝手に思っていたなんて可能性もあるけれども、結局のところ。「仕方ない、か」 この言葉に行きつくのだろう。 政略結婚とでも言うのか、早瀬優作は志藤の会社でより高みに至りたいがために早瀬美香とお見合いを経て結婚した。 そこに愛情があったのかどうかは置いておいて、ともあれ結婚から三年で志藤の関係する会社がほとんど倒産へと追い込まれた。 結果、早瀬優作は望んだものを手に入れられることはなく、ただおまけとしてついて来た妻だけが手元に残った。「あいつを見ているとイライラする、ねぇ?」 早瀬優作が高級ラウンジでホステスへと零した言葉らしい。 論理としてならば理解できる。 早瀬……いや、志藤美香は早瀬優作にとって己の失敗とでも言うべき象徴だ。 しかし簡単に手放すなんてことは出来ないし、無理にでも離婚をとなればセカンドキャリアに響くことは見えている。 故に、外で発散を行って何とか心のバランスを保つ必要があると。「実に正しい風俗の活用方法だよ、まったく」 それこそ呆れるほどに、いっそ健全とすら言えるかも知れない。 唯一の汚点と言えるかもしれないってのが、大衆店から出禁食らいまくって、行くところが高級店しかなくなってしまったってくらいか。そりゃ、そんなある意味有名人なら情報を掴むなんて簡単か。「何にせよ早瀬美香は、その煽りを受けた家計状況を何とかしようと俺に接触してきたわけだ」 点と点がつながったことによる爽快感なんてものはない。 秘密なんてものは暴こうとしている時が一番テンションが上がるものだ。 祭りは準備が一番楽しい、だったか? そういうことなんだろう。「じゃあ、残るは」 早瀬美香がどうしたいのかを聞くだけ。 いや、夫婦関係の修復を望む可能性ってのは十分にあ
last update最終更新日 : 2026-06-15
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