第11話 これからは『あなた』か『ダーリン』って呼んでくれ そのひと言で、逆上しかけていた美月はすっかりなだめられてしまった。 美月は自分がちょっと過剰反応だったと感じ、頬がほんのり熱くなった。 「あの……そこまで大きなダイヤじゃなくてもいいんじゃない?」 「これからは『あなた』か『ダーリン』って呼んでくれていいぜ」 桃花の瞳がきらきらと光を湛え、じりじりと熱を帯びていた。 「げほっ……ごほっ……」 美月は自分の唾液にむせてしまった。 「なんだ、感激したのか?」 「……」美月は言葉を失った。 やっぱり、この世にタダで稼げる金は一つもない。 「乗るわ」 さっさと乗らないと……でなければ、次に何を言い出すかわかったもんじゃない。 彼女は体も心も差し出すつもりは毛頭なかった。 彼女が車に乗り込むやいなや、次の瞬間には長身の影がドア全体を塞ぎ、ただでさえ狭い空間はさらに圧迫された。 空気中に、彼の傍若無人なフェロモンの匂いが迫ってくる。 「奥、詰めてくれ」 その声には人を惑わす甘やかさがあった。 美月は顔をかすめる熱気を感じた。彼の膨らんだ筋肉にぴったりと触れてしまい、 顔がわけもなく赤くなった。 そしてす
Last Updated : 2026-06-07 Read more