第231話 頭がおかしくなきゃ、こんなことはできない 「社長、ネットで桜庭音のファンが騒ぎ始めています……」 その言葉に、美月はゲーム設計の画面から顔を上げた。 いささか怪訝そうに尋ねた。 「騒ぎ? どうして?」 ――警察は証拠を掴んだからこそ、動き始めたはずだ。 まさか、あのファンたちには、まともな判断力すらないということだろうか? 「おそらく、盲目的なファンなんでしょうね。年齢も若く、桜庭音の影響を強く受けています。あの子たちは、きっと相手がよほど大きな過ちを犯したからこそ、女神がそんなことをするはずがないと思い込んでいるんです」 「中には、『絶対にうちの推しへの濡れ衣だ』と言っている人もいて……大勢で公式サイトに押しかけて、説明を求めているようです」 美月は、言葉を失った。「……」 ――呆れてものが言えない。 綾瀬は、社長の様子を何度か窺っていた。 美月は、彼女がまだ何か言いたそうなのに気づき、尋ねた。 「ほかに何かあるの?」 「神崎様が社長とご自身の情報を早いうちに遮断してくださっていなければ、あの偏執的なファンたちは、今ごろ社長のところに『硫酸をかけに行く』と叫んでいたでしょう」 美月は絶句した。「……?」 ――私が時代遅れなのかしら? それとも、あの人たちの考えを理解できない私がおかしいの? 「さ
Terakhir Diperbarui : 2026-09-25 Baca selengkapnya