目が覚めて隣を見るも、朱音がいない。「また飯でも作ってんのか?」 台所に行くと、甘酸っぱいかおりが広がっている。朱音は座ってオムライスを食べていた。向かいの席にもオムライスがある。きっと修也の分だろう。「おや、おはようございます」「はよ。体はもういいのか?」「はい、おかげさまで。オムライスを作ったので、どうぞ」「おう。ところで、この甘い匂いはなんだ?」「あぁ、これですか。媚薬を加熱してみました」「はぁ!?」 斜め上の回答に、素っ頓狂な声が出る。朱音は美味しそうにオムライスを食べるだけ。「なんでそんなことしたんだよ」「熱を加えれば媚薬成分がなくなるかと思いまして。オムライスを作る前に飲んでみましたが、今のところなんともありません」「マジか……」 朱音の行動力に、修也はドン引きする。あれだけ酷い目にあったというのに、自ら媚薬を飲む勇気には敬意を表するが、普通だったら考えられない行動だ。修也だってどうやって媚薬を回避するか考えていた。「ちなみに何本?」「2本です。即効性のことを考えると、媚薬成分はほぼ死んだと思いますが、もう少し様子を見て、問題なさそうだったら全て煮詰めてしまおうかと」「お前、すげぇな……。けど、助かるわ」「いえ。僕も、はやくここから出たいと思っていますから」「ま、だよな……。媚薬さえなけりゃ快適っちゃ快適だけど、遊べるモンがねーし」 修也はうんざりしてため息をつく。これでスマホをいじれたり、映画でも観れたらもう少し滞在してもいいが、ここには娯楽などない。強いて言うなら、朱音と話すかセックスするか。 ヤりたい盛りの修也でも、媚薬無しで彼を抱くのは難しいが。「今日は、加熱した媚薬を飲んだ際の変化を見たいので、飲まなくてもいいと思います」「ん、りょーかい」 この日はモクテルを作ったり、食事をしたりと、比較的平和に終わった。朱音に変化は見られず、明日から加熱した媚薬を飲むことになったが、出られる日が近くなったと思うと喜ばしい。 翌日、ふたりは大きな鍋にすべての媚薬を入れ、火にかける。「さぁて、媚薬を煮詰めてる間に、ごはんを作りますね。煮込みハンバーグなんてどうでしょう?」 わざわざ声を出してメニューを言う朱音に、彼の意図を察した修也はうなずく。「いいな。ポテトサラダとスープもあると嬉しい」「ふふ、いいで
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