媚薬ライフから始まる恋

媚薬ライフから始まる恋

last updateZuletzt aktualisiert : 24.06.2026
Von:  東雲桃矢Gerade aktualisiert
Sprache: Japanese
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Zusammenfassung

現代

純愛

チャラ男

年下

腹黒

片思い

仲直り

初恋

ラブコメ

エリュシオンというバーで働く遊び人の大学生、秋元修也。骨折したオーナーに代わって代理できた女性が試しに作ったカクテルを飲んで気を失ってしまう。 起きたら見知らぬ青年と共に閉じ込められていた。 部屋には様々なアダルトグッズや拘束具……。そして100本の媚薬。その近くには「媚薬を飲み切るまで出られない部屋となっております。よき媚薬ライフを♡」の文字が。 途方に暮れていると、青年が媚薬を飲み始めて……?

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Kapitel 1

1話

 ここはバー・エリュシオン。静かな雰囲気で、30代以上の男女に人気がある店。今は閉店後の片付けをしている。

「アキトくん、今ちょっといい?」

「はい、美奈子さん」

 アキトと呼ばれた金髪の青年が、掃除の手を止めてカウンターに入る。彼の名は秋元修也。映画鑑賞と女遊びが趣味の大学生。ちなみにアキトというのは源氏名のようなもので、エリュシオンではストーカー対策で本名を呼び合わないようにしている。

「モクテル作ってみたの。味見してみてくれない?」

 美奈子はにっこり微笑んで水色のモクテルを差し出す。彼女は骨折したオーナーの代理で来ている。オーナーとは古くからの付き合いで、結婚する前に小さな飲食店を経営していたため、代理を頼まれたと言う。

「うわ、可愛い色ですね。女子好きそー」

「でしょ? 味も女の子が好きそうな味になったと思うんだけど、どうかな? アキトくんはモテるから、分かると思って」

「あっはは、買いかぶりっすよ」

 笑いながら、美奈子の胸元に目をやる。バーテン服に隠れた胸は、意外と大きい。私服姿を何度か見たことがあるが、手に収まりきらないほどのサイズに見えた。

(ちょっと年上だけど、たまには人妻とかも良さそうだよな)

 美奈子をどう口説こうか考えながら、モクテルを傾ける。モクテルはほんのり甘く、後から柑橘系の爽やかな香りが鼻腔を突き抜ける。

「美奈子さん、これ絶対女子ウケいい、……あ、れ……?」

 強烈な眠気が襲いかかり、立っていられなくなる。

(一服、盛られた、か……?)

「アキトくーん、大丈夫ー?」

 妖艶に微笑む美奈子の口元を認識するのと同時に、意識を手放した。

「て……、起きてください」

「う、うぅ……」

 誰かに体を揺すられ、目を覚ます。何度がまばたきを繰り返してから見上げると、見知らぬ男がいた。男は華奢で、薄茶色のふわふわした髪をしていた。白いワイシャツに黒いスラックスというシンプルな出で立ちだ。

(なんだ、コイツ……)

 寝起きで回らない頭で男の顔を見る。中性的な小顔で、小動物を連想させる。おそらく、年下か同い年。

「誰だ、テメェ……」

 体を起こし、あたりを見回してぎょっとする。自分と男は同じダブルベッドの上にいた。室内にはAVでしか見たことがないような拘束具があった。異様な光景に一気に目が覚める。

「な、なんだよここ!」

「僕にも分かりません」

 男は困惑した様子でうつむく。

「僕も少し前に起きて、気づいたらこのベッドで寝てて……」

「マジかよ……」

「まずは、自己紹介でもしませんか? それから状況整理でもしましょう」

「あー、だな……」

 特にほかに案があるわけでもない。修也は同意すると改めて男を見た。彼と同じように座ってみると、やはり自分より小さい。もっとも、修也の身長は186センチもあるので、大半の人間は小さく見えてしまうのだが。

「では、僕から自己紹介をしましょう。僕は臙脂朱音、小説家です」

「園児? 幼稚園?」

「ふふ、園児ではなく臙脂。色の名前です」

「へぇ……。よく分かんねーけど、本名じゃないことは分かった」

「はい、ペンネームです」

「エンジ、シュオンねぇ……」

(エリュシオンに似てんなー)

 修也は自分が働くバーのことを思い出した。そして、美奈子から受け取ったモクテルを飲んで眠くなったことも。

「あんのババア!」

 腹が立って声を荒げると、朱音が小さく肩を震わせる。

「自己紹介もせずにいきなり怒鳴らないでください」

「思い出したんだよ! 俺、エリュシオンっていうバーで働いててさー。美奈子っていうババアに、モクテルの味見頼まれて、それ飲んだら眠くなったんだよ!」

「そうでしたか……」

 修也の話を聞き、朱音は顎に手を添えて考える素振りを見せる。

「そう言えば僕も、渡されたドリンクを飲んで眠くなりましたね……」

「んだよ、誰かに仕組まれたってことか!?」

「えぇ、そうでしょうね。とりあえず、君の名前を聞かせてもらっても?」

 朱音に言われ、まだ自己紹介していなかったことに気づく。

「あ、わりぃ。俺は……、アキトだ。よろしくな」

 彼が本名を名乗っていないことが気になり、修也も源氏名を名乗ることにした。本名を明かさない相手に教える名前は、それしか持ち合わせていない。

「アキトくん、ですか。改めて、よろしくお願いします」

 朱音は手を差し伸べて微笑む。この状況に似合わない穏やかな雰囲気に飲まれ、つい握手に応じる。

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1話
 ここはバー・エリュシオン。静かな雰囲気で、30代以上の男女に人気がある店。今は閉店後の片付けをしている。「アキトくん、今ちょっといい?」「はい、美奈子さん」 アキトと呼ばれた金髪の青年が、掃除の手を止めてカウンターに入る。彼の名は秋元修也。映画鑑賞と女遊びが趣味の大学生。ちなみにアキトというのは源氏名のようなもので、エリュシオンではストーカー対策で本名を呼び合わないようにしている。「モクテル作ってみたの。味見してみてくれない?」 美奈子はにっこり微笑んで水色のモクテルを差し出す。彼女は骨折したオーナーの代理で来ている。オーナーとは古くからの付き合いで、結婚する前に小さな飲食店を経営していたため、代理を頼まれたと言う。「うわ、可愛い色ですね。女子好きそー」「でしょ? 味も女の子が好きそうな味になったと思うんだけど、どうかな? アキトくんはモテるから、分かると思って」「あっはは、買いかぶりっすよ」 笑いながら、美奈子の胸元に目をやる。バーテン服に隠れた胸は、意外と大きい。私服姿を何度か見たことがあるが、手に収まりきらないほどのサイズに見えた。(ちょっと年上だけど、たまには人妻とかも良さそうだよな) 美奈子をどう口説こうか考えながら、モクテルを傾ける。モクテルはほんのり甘く、後から柑橘系の爽やかな香りが鼻腔を突き抜ける。「美奈子さん、これ絶対女子ウケいい、……あ、れ……?」 強烈な眠気が襲いかかり、立っていられなくなる。(一服、盛られた、か……?)「アキトくーん、大丈夫ー?」 妖艶に微笑む美奈子の口元を認識するのと同時に、意識を手放した。「て……、起きてください」「う、うぅ……」 誰かに体を揺すられ、目を覚ます。何度がまばたきを繰り返してから見上げると、見知らぬ男がいた。男は華奢で、薄茶色のふわふわした髪をしていた。白いワイシャツに黒いスラックスというシンプルな出で立ちだ。(なんだ、コイツ……) 寝起きで回らない頭で男の顔を見る。中性的な小顔で、小動物を連想させる。おそらく、年下か同い年。「誰だ、テメェ……」 体を起こし、あたりを見回してぎょっとする。自分と男は同じダブルベッドの上にいた。室内にはAVでしか見たことがないような拘束具があった。異様な光景に一気に目が覚める。「な、なんだよここ!」「僕にも分かりません」 
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2話
「そういや、お前も誰かに飲まされたって言ってたな。誰に何を飲まされたんだ?」「新しい担当です。といっても、一時的なものなんですけどね」「どういうことだ?」「僕の担当、原因不明の高熱を出してしまって、入院しているんです。それで、彼が治るまで別の方が担当をしてくださることになったんですよ」「その新しい担当って、30半ば過ぎのババアじゃなかったか? 黒髪巻いてる」「いえ、20代後半の茶髪の女性です。彼女からエナジードリンクを受け取って、それを飲んだら眠くなってしまって……。はぁ、妙だと思ったんですよ。そのまま缶で渡せばいいのに、わざわざグラスに注いで来たんですから」「それって、青かったりしたか?」「いえ、ピンクオレンジでした。おそらく、飲み物の種類はそこまで関係ないのかもしれませんね。睡眠薬を入れたのでしょうし」「睡眠薬……。それで俺が飲んだモクテル、青かったのか……?」 バーで働き始めた頃、先輩から聞いたことがある。睡眠薬は悪用防止の為に、水に溶けると青くなると。当時は青いカクテルもあるから無意味だろうと思ったものだが、まさか自分がその罠に掛かるだなんて、思ってもみなかった。「犯人は複数……。しかし、何故このようなことをしたのでしょう……?」「さぁな。とりあえず、出口探そうぜ。こんなところ、長居してられっか」「あ、待ってくださ……」「うおっ!?」 立ち上がった瞬間、目眩がして座り込んでしまう。頭がグラグラして気持ち悪い。「う、なんだ、これ……」「僕達は相当強力な睡眠薬を使われたようですので、もう少しじっとしていたほうがいいと思います」「うへぇ、マジか……」 目眩が収まってくると、なんとかベッドの上に這い上がる。朱音は既に横になっていた。「お前、こんな状況でよく横になれるな」「焦っても仕方ないでしょう? まずは体調を整えないと」「呑気だな」 ため息をつくが、朱音の言うことも一理ある。こんな状態では、出口もまともに探せない。(野郎と同じベッドってのが気に食わねーが、床よりはマシか) 朱音に背を向けて目を閉じると、睡眠薬が残っていたのか、深い眠りに落ちる。 次に目を覚ますと、どこからか美味しそうなにおいがする。ゆっくり起き上がってみると、目眩はもうしない。横を見ると、朱音がいない。「どこに行きやがった、あのチビ」 ベッド
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3話
「朱音……。お前は呑気っつーか、自由だな」「さぁ、食べてください。君の好き嫌いを知らないので、お口にあうか分かりませんけど」 朱音がテーブルに並べたのは、味噌煮込みうどん。そのチョイスに力が抜ける。「お前、ここから出る気あんのか?」「ありますよ。だからこその腹ごしらえです。あ、もしかしておうどん嫌いでした? 小麦アレルギーとか?」「いや、嫌いでもねーし、小麦アレルギーでもねーよ」「では、どうぞお食べください」「まぁ、食うけど……」 朱音の向かいに座ってうどんを啜る。想像していたよりも美味ではあるが、今はそれどころではない。「なんでそんなに落ち着いてんだよ。さっきも、1回寝ることをすすめてきてたしよ」「僕は小説家ですからね。色んな体験をしているんですよ。まぁ、今回のような拉致監禁は初めてですが。今のところ、命の危険が迫っているわけでもありませんし。焦っても、大事なことを見落とすだけですから」「色んな体験ねぇ。例えば?」「海外に行った時、近くで銃撃があったこともありますし、バスジャックに遭遇したことも。そうそう、動物園では脱走したワニに追いかけられたこともありましたねぇ。いやぁ、実にスリリングでした」 まるで楽しい旅行の思い出話をするかのように、とんでもない話をする朱音に、言葉を失う。「大抵の人間はどれも体験しねーよ!」「あっはっは、そうでしょうね。基調な体験でした。今回も、面白いことになりましたね」 にこにこする朱音に、苛立ちが募る。この男、あまりにも危機感がなさすぎる。「いつまでヘラヘラしてんだ。さっさと食って、とっとと出るぞ」「言ったでしょう、焦っても大事なことを見落とすと。腹ごしらえをしたら、他の部屋も調べましょう。僕達がいたあの部屋も、ロクに調べてませんし」「一応出るつもりはあるんだな」「もちろんです。締め切りが迫ってますからね」「はぁ……。確かに、お前の言う通り、焦っててもしかたねーか」 修也はため息をつき、再びうどんを啜った。 食事を終えたふたりは食器を片付けると、手始めに今いる部屋を調べた。細く短い廊下を通って今の部屋がある。ドアは出入り口のみで、他にありそうもない。 冷蔵庫と冷凍庫には飲み物と食糧。床下収納には常温の飲み物。食器棚やキッチンを一通り調べたが、変わったところは特に無い。「他に調べるべきは
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4話
「それも謎ではありますが、最大の謎はこのベッドルームでしょう。男ふたりをを閉じ込める部屋に、本格的な拘束具やアダルトグッズがあるのは、どう考えても不自然です」「あー、たしかにな……」 改めてベッドルームを見回す。X字の磔、ギロチン、開脚椅子に三角木馬。そしてディルドがついた謎の機械と、タンクとホースが繋がった謎の機械。「あれ、なんだ?」「ディルドがついてるものは、セックスマシーン。もしくは、ピストンマシーンですね。スイッチを入れれば、ディルドが出入りする機械です。向こうのタンクが繋がった機械は、搾乳機でしょう。それも、家畜用の」「うげぇ、なんでそんなモンがあるんだよ?」「この部屋を調べれば、分かるかもしれませんよ。あの棚とか」 朱音は壁際にある棚を指差す。4段の引き出しは、それほど幅もなければ、色も壁紙の白と同化していて目立たない。プラスチック製で、そのへんのホームセンターなどに売ってそうな見た目だ。「開けてみるか」「開けたら起動する爆弾が入ってたりして」「笑えねぇよ」 1番上の引き出しを開けてみると、長さが様々な本革のベルトが何本も入っていた。「なんだ、これ」「拘束具ですね。こちらは足枷、こちらは手枷でしょうか。おや、太ももと腰用まで」 朱音はひとつひとつ手に取り、どれが何用の枷か言い当てていく。「なんでそんなに詳しいんだよ?」「官能小説も書くことがあるので」「かんのー? なんだそれ」「えっちな小説のことですよ。それより、他の棚も見てみましょう」 朱音は他の棚も次々に開けていく。中はどれもアダルトグッズだ。朱音は聞いてもいないのに、アダルトグッズを手にとっては、どういった用途なのかを説明する。 修也はドン引きしながらその様子を見る。(なんなんだよ、このエロガキ。つか、楽しそうだな) ふたりはお互いの年齢を知らない。修也は朱音が年下だと思っている。小説家と聞いた時は、一瞬年上なのかと思ったが、以前、読書好きの姉が、
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5話
 修也は朱音にも見やすいように、カウンターに紙を置いて開く。「ほう、これは……」「んだよこれ! ふざけてんのか!?」 書かれていた内容に、ふたりは思い思いに反応をする。『可愛いバーテンダーくんと小説家くんへ♡ この棚にある瓶には強力な媚薬が入っています。100本飲み切るまで、あなた達はこの空間から出られません。媚薬ライフを満喫してね♡』 紙には丸みをおびたフォントで、そう書かれていた。「なーにが媚薬ライフだ! ふざけやがって!」「まぁまぁ、これは僕が飲みますから」「は?」「官能小説も書いているので、媚薬は何種類か飲んだことがあります。なので、耐性があると思うんです。もっとも、今まで飲んだ媚薬は、どれもプラシーボ効果頼りで、効果を実感したことはありませんが」「何言ってるかわかんねーところあるけど、とりあえず任せた」「はい、任されました」 朱音は媚薬をひとつ手に取り、ラベルを見る。「メーカーは……、書いてませんね。1本300mlで、それが100本ということは、3リットルですか……。味にもよりますが、それなりにかかりそうですね……」 独り言を言いながら、朱音はカウンターの下にある収納棚の中から、ジョッキを出し、媚薬を何本か入れていく。ピンクオレンジの液体が、ジョッキを満たしていく。「おい、そんなに飲んで大丈夫なのか? 最初は味見程度でいいだろ」「はやく出たいのでしょう? それに、どうせ効果なんて殆ど無いでしょうから」 そう言って朱音は、ジョッキを傾けてひと口飲む。味わうように口を動かし、考え込む。「おい、どうした? まずかったか?」「いえ、美味しいです。何かに似てるんですよね、この味……。なんでしょう?」 朱音はもうひと口飲むと、口角を上げた。「そうだ、ブラッドオレンジジュースに似てるんです。これなら、2、3日程度で飲み終えるかと」「へぇ、そりゃよかった。しばらく様子見て、お前に異常がなければ俺も飲む」「
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6話
「おい、どうした?」 朱音を見ると顔が赤くなっている。おまけに息も荒い。「まさか、ちゃんと効果のある媚薬が実在するなんて……」 その言葉に彼の下半身に目が行く。黒いスラックスは内側から押され、膨らんでいた。次にジョッキとそのまわりにある空き瓶を見る。ジョッキは空になっており、空き瓶は12個もあった。「マジかよ……。なんでそんなに飲んだんだよ」「言ったでしょう、今まで飲んだ媚薬は、ほとんど効果がなかったって……。それに、はぁ……♡ すごく、美味しかったし、はやく終わらせたくて……んっ♡」 媚薬の効果がだんだん強くなってきたらしく、朱音は足を擦り合わせ始める。瞳も潤み、色っぽく見える。(うお、エッロ……。って、何考えてんだ馬鹿! 相手は男だぞ?) 思わず朱音に手を出しそうになるも、頭を振って自分に言い聞かせる。中性的な顔立ちの朱音は、女好きの修也を惑わすほどの魅力があった。「すいませんが、処理をするので、別室に行っててくれますか?」「あぁ、分かった」 内心安堵しながら、修也は台所に移動した。あのままあそこにいたら、朱音の色香にあてられ、手を出していた。いくら性に奔放な修也でも、男を相手にするつもりはない。「はぁ、マジで面倒なことになったな……」 椅子と食糧があるから台所に来たが、娯楽物がないため暇だ。他の部屋にもそういった類のものはないが。「なんかねーかな……」『んあぁっ♡ もっとぉ♡』「は!?」 どこからともなく甘い声が聞こえ、驚いて立ち上がる。その声は朱音のものだ。彼の喘ぎが、室内のどこかからずっと聞こえている。「なんだよ、これ……」 声をたどると、食器棚から聞こえてくる。声を頼りに皿を動かすと、タブレット端末が伏せてある状態で置いてあった。タブレット端末を手に取って画面を見ると、朱音のあられもない姿が映っていた。 朱音は開脚椅子の上で足を開き、淫らに腰を振っている。乳首にはクリップローターをつけ、オナホで賢明に自慰をしながら。「嘘だろ……」 よく見ると、ピストンマシーンが朱音のアナルを犯していた。奥を突かれる度に朱音は嬌声をあげ、嬉しそうに腰を振る。「はぁ、クソ……! 男がこんなオナニーしてるところなんか、気持ち悪いだけのはずなのに……!」 朱音が中性的な顔立ちをしているせいか、彼に欲情し、勃起してくる。修也は男相
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7話
「はぁ、男のくせに、男のくせに! なんでこんなに気持ちいい穴してんだよ!」「あ、あ、あああっ♡」 修也は朱音の腰を掴み、ガンガン突き上げる。気遣いなど一切ない。ただ、鬱憤を晴らすように、思うままに犯していく。「はぁ、やべぇ……。なんだ、この穴……」 朱音のアナルは修也のペニスにねっとり絡みつくように蠢く。女性器とは違った快楽は病みつきになってしまいそうなほど。「ひゃうぅっ♡ 生ちんぽしゅごいいぃ♡ もっとぉ♡」「あー、クソ! このド変態野郎が!」「ひあああっ♡ 熱いいぃ♡」 舌打ちをし、激しく突き上げ、欲を放つ。絶頂したというのに、未だに腰をふる朱音に、喉を鳴らす。(あー、コイツ、かなりやべぇな……) 射精して少し冷静さを取り戻した修也は、朱音を見下ろす。彼は完全に正気を失っている。いくら絶倫の修也でも、この状態の朱音を相手にするのは容易ではない。かといって、放置するわけにもいかない。「ったく、男相手に正気でやってられっか」 舌打ちをしてペニスを引き抜くと、朱音は切ない声を上げる。「あぅ、あ~……。抜いちゃいやぁ……」「また突っ込んでやるから、少し待ってろ」 修也は脱げかけたズボンを脱ぎ、服を脱ぎ散らかしながらバーカウンターに行く。空のジョッキに媚薬を5本入れ、一気に飲み干した。口の中に爽やかな酸味とほのかな甘さが広がる。朱音の言った通り、ブラッドオレンジジュースに似た味だ。「カクテルによさげだけど、こんなのに酒混ぜたらぶっ飛びそうだな……」 再び5本の媚薬をジョッキに入れると、アダルトグッズが入った棚の上に置く。ここなら拘束椅子から近い。「あ、あ、うぅ……♡ ちんぽ、ちんぽぉ……♡」 朱音はオナホで自分を慰めながら、腰を振っている。「あぁ、今入れてやるよ」 朱音の腰を掴み、根本まで一気に押し込む。朱音は仰け反りながら射精し、舌をだらりと垂らしてみっともないアヘ顔をさらす。「んおぉ♡ ちんぽきたぁ♡」「最後まで付き合ってやるから感謝しろよ、このド変態作家が」 悪態をつくと腰を打ち付ける。媚薬は徐々に修也にも効き、体が火照っていく。感度も上がり、朱音に締められる度にイキそうになる。「はぁ、やっべぇ……。5本でこれなのに、コイツ、10本も飲んでるんだよな……? そりゃぶっ飛ぶわけだ」 はやくも修也の理性は溶け始め、目
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8話
「うぇ、げほっ!」 喉の渇きで目を覚ました修也は、ゆっくり起き上がる。どうやら床で寝てしまったらしく、体中が痛い上に倦怠感がある。特に下半身に違和感があった。「うっわ、なんだよ、これ……」 ペニスや太ももは、渇いたローションに覆われている。床もあちこちに白濁の水たまりができている。1番大きな水たまりを見つけ、その上を見ると朱音がぐったりしている。彼のアナルからは精液が溢れ、水たまりを大きくしていた。 起き上がって朱音を見ると、ペニスにはオナホが被さったまま。充電切れのクリップローターが、朱音の乳首を未だに挟み続けている。「はぁ、コイツとヤりまくったんだっけな……」 修也は浴室へ行き、風呂を沸かすと、今度は台所に行って水を飲む。体中が汗や体液でベタベタしていて気持ち悪い。一刻も早く風呂に入りたいところだ。「アイツにも、持っていってやるか」 グラスをもうひとつ出してふたつのグラスに水を注ぐと、ベッドルームに戻る。朱音はまだ、拘束椅子の上でぐったりしていた。「そういや……」 足りなくなるかもしれないと、5本の媚薬をジョッキに入れて持ってきていたことを思い出し、棚の上に目をやる。ジョッキは空になって、棚の上に転がっていた。周囲にピンクオレンジの液体が見当たらないことから、自分で飲んだか朱音に飲ませたかしたのだろう。「どっちにしろ、媚薬は残り80本か……」 5本飲んだ修也でさえ、途中で記憶が消えている。ともなれば、10本飲んだ朱音は……。 最悪のことを想定して朱音に触れると温かい。息もしていた。彼が生きていることに安堵すると、揺すり起こしてみる。「おい、起きろ。起きろって」「うぅ……」 朱音は小さく唸るばかりで、起きそうにない。「チッ、しょうがねぇな」 修也は朱音のオナホとクリップローターを外して床に放り投げると、彼を抱えて浴室に行った。湯船はまだ半分しか溜まっていない。「まずは、これどうにかしないとだよな……」 向き合う形になるように朱音を抱き、膝の上に乗せる。シャワーと指でアナルのナカにある精液を掻き出す。自分のとはいえ、精液入の風呂になんか入りたくない。ある程度掻き出すと、自分と朱音の髪や体を洗い、朱音を抱きかかえて湯船に浸かる。「はぁ、生き返る……」 倦怠感は未だにあるが、湯船に浸かることで溶けていくような感じがする。安心
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9話
 朱音が目を覚ましたのは、2時間後。彼は起きるなり咳き込み、修也が水を飲ませてやると、弱々しく礼を言う。「いったい、何が……」「記憶ねーの?」「媚薬を10本飲んで、効果が出たので、君を追い出して拘束椅子に……。覚えてるのは、ここまでです」「ってことは、ほとんどねーのか」「恥ずかしながら……。何があったのか、教えてくれませんか?」「ま、俺も全部覚えてるってわけじゃねーけど」 修也はそう前置きをすると、台所に行ったら朱音の声が聞こえ、タブレット端末を見つけたこと、自分も媚薬を5本飲んで朱音を抱いたことなどを話した。「なるほど、君は僕の相手をしてくれたのですね。ありがとうございます。正直、機械では物足りなかったので、助かりました」「ほとんど覚えてねーんじゃねーの?」「えぇ。ですが、機械では物足りないと思ったことと、その後に満たされる感覚があったのは、なんとなく覚えています」「そーかよ」 気恥ずかしくなり、そっぽを向く。「アキトくんの話を聞く限り、媚薬は一気に何本も飲まないほうがいいようですね」「少なくとも、5本は駄目だな。かといって、1日1本ずつ、チマチマ飲んでてもしかたねー」「それなら、次は2本で試してみるのはどうでしょう? それで1本にしたほうがいいのか、3本目もいけそうか、分かりそうですし」「いいな、それ。けど、試すのは後だ。疲れた……」「えぇ、僕も……。腰が痛いです」 朱音は力なく笑い、腰をさする。その様子を見て、聞こうと思って忘れていたことを思い出した。「そういやお前、なんでケツの穴にあんなモン入れてたんだよ? ホモでネコなのか?」「いえ、僕は同性愛者ではありませんよ。僕が得意とするジャンルはミステリーなのですが、恋愛小説や官能小説の依頼も来るんですよ。男性目線で書けても、女性目線は難しくて……。男性でも、おしりの穴で気持ちよくなったり、セックスしたりできると聞いて、開発してみたんですよ。本物を相手にするのは、今回が初めてですけどね」「はっ、ド変態作家が」「褒め言葉として受け取っておきましょう。それより、おなかが空きました……」「だな……。とりあえず、カップ麺でいいか?」「この際、食べられるものならなんでも……」 それは修也も同じ気持ちだった。時々キッチンを手伝うこともあるので料理もある程度はできるが、何かを作
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10話
「とりあえず、実験してみませんか?」 食後のお茶を飲んでいると、朱音が唐突に言い始めた。「実験?」「はい。このままバカ正直に媚薬を飲むもの馬鹿らしいでしょう? なので1本だけ捨ててみませんか?」「それで出られなくなったりしたら困るだろ」「その点は大丈夫だと思いますよ?」「なんでそう思う?」「僕もアキトくんも、天涯孤独で社会と関わっていないというわけではない。僕には作家仲間や出版社の知り合い。そして家族や友人がいます。アキトくんだって、そういう人達がいるでしょう?」「まぁ、家族もダチもいるし、バ先もある」「それなら、そういった人達が僕達が消えたと警察に届け出るはず。そうなったら、僕達を監禁してる人達も困るでしょう? だから、そう長期間監禁することはないと思うんです」「んじゃあ、なんにもしなくても、そのうち出してもらえたりしねぇかな」「うーん……。どうでしょう? すいません、僕もまだ、頭が回ってなくて」「しょうがねーよ。俺もそうだし。つーか、元々考えるの苦手だし」「まずは、状況を整理してみましょう。君の話を聞く限り、どこかにカメラがあるのでしょう」「カメラ?」「えぇ、そうです。君はタブレット端末で僕を見ることができた。それなら、そう考えるのが普通でしょう」「確かに……。でもよぉ、何が目的なんだ?」 それはこの部屋で目覚めた時から気になっていた。最初は身代金目当ての誘拐だと思った。小説家の朱音ならあり得るのかもしれないが、一般家庭で生まれ育った修也を誘拐しても、大金など得られないだろう。 何より、面識のないふたりを同じ空間に閉じ込め、媚薬を飲ませる意味が分からない。「あまりにもフィクションじみていますが、金持ちの娯楽ではないでしょうか?」「娯楽だと?」「えぇ。世の中、男同士の絡みを見るのが好きな方が大勢いますからね。そういった趣味の持ち主が犯人かと」「うえぇ、悪趣味すぎんだろ。なんで俺達なんだよ。会ったことねーのに」「分かりません。推測するにも、材料があまりにも足りなすぎる……。分かっているのは、僕の周囲にも、アキトくんの周囲にも、怪しい女性がいたことと、この空間にカメラが仕掛けられていることくらいでしょうか……」「たぶんな。あー、やめやめ。頭痛くなる」「今は、少し休みましょうか」「だな……。まだだりー」 ふたりはベ
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