「すっ、すおおうぅ!?」 桃瀬は素っ頓狂な声をあげ、ビックリついでに、勢いよくベッドから派手に転がり落ちた。「なななんで、おまえとこんな……」 「なんでって酷い。自分から押し倒して襲っておいてー」 「そんな!? 友達に対してこんなこと、するわけがないだろ」 嘘みたいな現実を、どうしても受け入れたくないのか、桃瀬は俺に向かって酷いことを言いながら頭を抱えて、首をぶんぶんと横に振りまくった。「友達、ね。その友達に思いっきり手を出したのは、どこの誰だ?」 着ていたシャツを脱ぎ捨て、付けられたキスマークを、これでもかと見せつけてやる。「うわっ、ゴメン……その、なんか夢の中の出来事みたいな感じで」 「ももちんがしあわせな夢の中でも、俺の中ではリアルなんだよー。しかもなんなの、あの拙いキスは?」 「ええっ!? キスしたのか?」 薄暗がりの中でも、赤面した桃瀬がわかってしまった。(そんなかわいい顔するなよ、もっと欲しくなってしまうじゃないか)「……そうだよ。下手っクソなキスされた上に、この場に押し倒されてさ。あんなんじゃ恋人ができても、みんな逃げるっちゅーの」 見る間に落ち込み、俯いている桃瀬の顎を掴んで、強引に上向かせた。「こうやって、感じさせなきゃダメなんだ」(俺からの最初で最後のキス、受け取ってくれ――) 無防備な桃瀬の唇に優しくキスをして、一瞬離れてから角度を変え、するりと舌を滑り込ませた。「うっ、ふぅ……」 舌先を使って口内を犯す俺に、なんども躰をビクつかせて、甘い声をあげる桃瀬。「……っと、レクチャー終了!! もっと自分を磨けよな」 言いながら大きく振りかぶって、思いっきり桃瀬の頭を叩いてやる。「いって! 周防、酔っ払ってんだろ」(ああ酔ってるさ、おまえにな……)「なんなの、その口の利き方。酔っ払ってたら、ももちんをおぶって、ここに帰って来られないでしょ」 「あ……ごめん」 「罰としてそこのコンビニ行って、ビール買ってきてよ。俺、全然呑めてないんだから」 リビングに置いてある、桃瀬の服を手渡した。「桃瀬が帰って来たらシャワーを浴びて、失恋パーティしよう」 「え? 周防も失恋したのか?」 「恋人よりも、実習の患者さんを優先しちゃうせいかな。だからキスがうまくても、振られちゃうわけ」 肩をすくめて桃瀬を見つめ
Terakhir Diperbarui : 2026-07-02 Baca selengkapnya