今の景の行動は全く理解できないし、もう興味もない。彼はこちらを見て言った。「今日はやけにきちんとした格好だな」「今日から実家の会社に出勤するの」彼は薄く笑う。「それもいい。ついでに新婚旅行の行き先も考えておいてくれ」「新婚旅行?」思わず聞き返す。「景と私が?」その質問がおかしかったのか、景はふっと吹き出した。「他に誰がいる。お前は俺の妻だろ。お前と行かなくて誰と行くんだよ」ちらりと奈々の方を見る。彼女は慌てて目を伏せて、自分の仕事に戻っていった。何も言わず、朝食を口に運ぶ。心の中には「どうして?」という違和感だけが広がっていく。食後、景は一緒に家を出て、どうしても会社まで送ると言い張った。彼と同じ車には乗りたくないから、遠回しに断る。「帰りはタクシーになるからいいわ」「退社30分前に連絡しろ。迎えに行く」景は目で車に乗るよう促してきた。言い争う気力もなくて、大人しく助手席に乗り込んだ。道中、ずっと窓の外の景色を眺めていた。景も何も話さない。車が会社の前に停まると、すぐに降りた。耳元で「帰りは……」という彼の声が聞こえたが、最後まで聞かずにそのままビルの中へと入った。父から景との関係を尋ねられて、正直に答えることにした。彼が離婚に応じない、と。それを聞いた父は、少しホッとしたように見える。やはり会社が大切なのだ。それでも、もし私がどうしても離婚したいと願えば、父はきっと私を支持してくれるだろうことも分かっている。「お父さん、会社のこと……景に頼る以外に、本当に道はないの?」悔しさが滲む声で尋ねた。父は深くため息をついた。「今のところはこれしかない。一番確実で、安全な道なんだ」つまり、どれだけ努力しても、景の一言には敵わないということだ。……よく分かった。まずは、会社の現在の業務を把握するところから始めることにした。そんな時、結愛から電話がかかってきた。会いたいという。「何か用?」と尋ねる。結愛は少し黙ってから言った。「景のことで、会って話せないか?」「二人のことなら、彼と話して。今、ちょっと忙しいから……」「待ってる」結愛が私の言葉を遮った。「いつでもいいので、時間のある時に直接会って話したいの」「……分かったわ」そう言って電話を切って、仕事に戻った。夕方6時過ぎて、今度は
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