結婚してから生活リズムが整い、とても充実した日々を送っている。 しかし、一つ問題がある。 ……ディートハルトが帰ってこない。 正確には、帰ってきてはいる。 結婚してから一応同じベッドで寝ているが、深夜にディートハルトが帰宅して朝早く出発してしまうのだ。 いまだ初夜は行われていない。 私は毎夜、カトレーヌに湯あみできれいにされて、透け感のあるナイトドレスを着せてもらっている。 週末の晩餐でお義母様から、「そろそろなんじゃないの?」という視線が刺さる……。 先に結婚したディートハルトの弟夫婦が妊娠したと、うれしそうに報告していた。 義両親も目を細め、義妹を気遣っていた。 ——今日は金曜日。 明日は私もディートハルトも仕事がお休み……。 今夜こそ初夜を決行しないと——私の立場が危うい。 今夜は寝ずに待っていよう。 私は大好きな月刊魔道具という雑誌を開いた。 月刊誌で、今一番熱い魔道具の紹介やレシピ、研究者の紹介などが書かれている。 私の愛読書で、いつか私もこの雑誌に載ることが夢なのだ。 キィ……と扉が開いた。 扉に目を向けると、瞳を大きく開いたディートハルトと目が合った。 「アーシュ、どうしたんだ?」 「おかえりなさい。いつも先に寝てしまうから、今日こそは起きて待っていようと思ったの……」 「そ、そうか……。ありがとう」 彼の視線が泳ぎ、目が合わなくなった。 「何か飲む?」 「あぁ、ありがとう」 カトレーヌが用意しておいてくれた、保温力抜群の魔道具ポットからお茶を入れる。 「疲れが取れる、ハーブティーよ」 「あ、ありがとう」 ディートハルトは形の良い唇で、ハーブティーを口に含んだ。 喉仏がゆっくりと上下し、私は目を離せなかった。 (なんだか、私より色気がある……) これから初夜のやり直しをすると思うと、心拍数が上がっていった。 ——でも、頑張らないと……。 私は早くなる鼓動を押さえて、立ち上がった。 「な、なんだか暑いわね……」 私は上に着ていた厚手のガウンを脱いだ。 薄手のナイトドレスは下着が透けていて、体のラインが良く見えるものだ。 チラリとディートハルトを見ると、こちらを見て口を結んだ。 (良かった……、効果はあった
Terakhir Diperbarui : 2026-07-06 Baca selengkapnya