付き合い始めて、一週間が過ぎた。透と神谷は、毎日のようにカフェで会っていた。手を繋ぐことも、自然になってきた。でも、まだキスはしていなかった。神谷が、まだ躊躇っているのが分かった。透は、急かさなかった。神谷のペースで、いい。そう思っていた。金曜日の夜。透は、神谷と例の公園を歩いていた。「来週、休みが合う日はありますか?」透が聞いた。「えっと……」神谷は、スマホでスケジュールを確認した。「水曜日なら」「じゃあ、その日に俺の好きな場所、案内させてください」「楽しみです」神谷は、微笑んだ。ふたりは、ベンチに座った。夜風が、心地よい。「朝倉さん」神谷が、少し真剣な表情で言った。「はい?」「あなたは……私たちのこと、誰かに話していますか?」透は、少し驚いた。「いえ、まだ誰にも」「そうですか」神谷は、安堵したような顔をした。「実は、私も……まだ、誰にも言えていなくて」「言えない、理由があるんですか?」
最終更新日 : 2026-07-30 続きを読む