All Chapters of 古い雨は、金木犀香るこの秋に降らず: Chapter 21

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第21話

司は、人だかりの一番外側にひっそりと立っていた。行き交う人々の頭越しに、庭の中央にいる新郎新婦をじっと見つめている。隣にいた航も彼の存在に気づき、体をわずかにこわばらせた。けれどすぐに、私の手を握る力をぎゅっと強めた。司の視線は、まず私に落ち、それから、航と私のしっかりと繋がれた手に落ちた。彼はまるで目に見えない鈍器で殴られたかのように、肩をわずかに揺らした。それでも、その場から動こうとはしなかった。かつては常に落ち着き払い、冷たいとさえ思えたあの瞳が、今はうっすらと涙で潤んでいた。彼は、ウェディングドレスを着た私の姿を見た。航が私の薬指に指輪をはめるときの、わずかに震える不器用な指先を見た。目を赤くしながら涙を必死にこらえる、航の間の抜けたその表情を見た。そして、私が心から笑いながら航のネクタイを直す、その自然で飾らない親密さを見た。かつては彼自身が確かにこの手で掴んでいたはずなのに、自分の愚かさで手放してしまったもの。そのかけがえのない光景のすべてが今、自分ではない誰かのものになっていた。皆の前で、司会の先生が温かい結びの言葉を告げた。航が私の耳元で照れくさそうに何か甘い言葉をささやき、私は笑いながら彼の肩を軽く叩いた。彼は私の拳を優しく掴み、そのまま自分の口元に運び、いとおしそうにキスをした。司は門の外から、その残酷なほどに幸せな一部始終を、瞬きもせずに見つめていた。ここへ来る前は、自分の中で十分に覚悟はできていると思っていた。「幸せに」と大人らしく心の中で告げ、そのまま静かに背を向けて立ち去れると信じていたのだ。けれど、実際にその光景を目の当たりにした瞬間。真っ白なウェディングドレスを纏った彼女が、別の男の隣で、あれほど軽やかに、あれほど何の遠慮もなく無邪気に笑っている姿を見た瞬間。胸に空いた穴へ、不意に重い絶望が流れ込んできた。鈍く、声も出せないほどの激しい痛みが全身を駆け巡った。彼はふと、あのカラオケ店の夜を思い出した。彼女が薄暗い廊下に立って、「どうしても、行かなきゃいけないの?」と静かに聞いてきたあの夜を。あのとき、彼女の瞳の中にはまだかすかな光があった。まだ自分への期待があった。まだ、かすかな懇願が残っていたのだ。もしも、あのとき自分が愚かな選択をせ
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