文化祭本番まであと少しという事もあって演劇の練習にも熱が入る。 『私は貴方の気持ちには応えられません』 『何故ですか姫』 『私は……え? ちょっと待って!』 私は慌てて演技を止める。 皆が何事かと集まってくる。 その中の一人、脚本を書いた子に質問する。「香菜ちゃん。セリフが変わってるんだけど?」「脚本の相談に乗ってくれた先輩にソッチの方が良いって言われたから変えたんだ。勝手に変えてマズかったかな?」「そうだったんだ。セリフが急に変わってたから驚いただけだから大丈夫だよ」「ホント! よかった~」 何がよかった~よ! 相談も無しに変更しておいて! って怒ってもしょうがない。 問題はこのセリフを提案した先輩が誰かという事と、このセリフによって私の気持ちがバレないかという事だ。「ね、ねぇ。相談した先輩って誰?」「3年の桐谷先輩っていう人だよ。図書室で脚本書いてたらアドバイスしてくれたの」 間違いない、友華さんだ! そういえば演劇部の脚本を書く事になったって言ってたかも。「ご、ごめん。ちょっと体調悪いから今日は帰らせて貰っていいかな? 台本はちゃんと頭に入れておくから」「うん、わかった。無理しないでね」「ありがと」 お礼を言って素早く荷物を纏めて教室を後にする。 友華さんのクラスへ行くと「図書室にいるんじゃないかな」との事だった。 考えてみれば友華さんは図書委員だった。 そんな事も忘れてしまうぐらい我ながら焦っているのがわかる。 図書室に入ると受付で本を読んでいる友華さんの姿を発見した。 友華さんも私に気づいたらしく笑顔を向けてきた。「こんにちは。どうしたの? そんなに慌てて」「こんにちは。あの、今お話大丈夫ですか?」「丁度利用してる人も居ないし大丈夫ですよ」 そう言って受付から友華さんが出てきて奥の席に案内された。
Última actualización : 2026-09-12 Leer más