Todos los capítulos de 妹プロ ifストーリー柚希END: Capítulo 41 - Capítulo 50

51 Capítulos

その41

 文化祭本番まであと少しという事もあって演劇の練習にも熱が入る。 『私は貴方の気持ちには応えられません』 『何故ですか姫』 『私は……え? ちょっと待って!』 私は慌てて演技を止める。 皆が何事かと集まってくる。 その中の一人、脚本を書いた子に質問する。「香菜ちゃん。セリフが変わってるんだけど?」「脚本の相談に乗ってくれた先輩にソッチの方が良いって言われたから変えたんだ。勝手に変えてマズかったかな?」「そうだったんだ。セリフが急に変わってたから驚いただけだから大丈夫だよ」「ホント! よかった~」 何がよかった~よ! 相談も無しに変更しておいて! って怒ってもしょうがない。 問題はこのセリフを提案した先輩が誰かという事と、このセリフによって私の気持ちがバレないかという事だ。「ね、ねぇ。相談した先輩って誰?」「3年の桐谷先輩っていう人だよ。図書室で脚本書いてたらアドバイスしてくれたの」 間違いない、友華さんだ! そういえば演劇部の脚本を書く事になったって言ってたかも。「ご、ごめん。ちょっと体調悪いから今日は帰らせて貰っていいかな? 台本はちゃんと頭に入れておくから」「うん、わかった。無理しないでね」「ありがと」 お礼を言って素早く荷物を纏めて教室を後にする。 友華さんのクラスへ行くと「図書室にいるんじゃないかな」との事だった。 考えてみれば友華さんは図書委員だった。 そんな事も忘れてしまうぐらい我ながら焦っているのがわかる。 図書室に入ると受付で本を読んでいる友華さんの姿を発見した。 友華さんも私に気づいたらしく笑顔を向けてきた。「こんにちは。どうしたの? そんなに慌てて」「こんにちは。あの、今お話大丈夫ですか?」「丁度利用してる人も居ないし大丈夫ですよ」 そう言って受付から友華さんが出てきて奥の席に案内された。
last updateÚltima actualización : 2026-09-12
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その42

 新島先輩がお兄ちゃんにフラれてから数日が経つ。 グループの皆で詳しく聞かせてもらおうと色々質問したが、『今度きちんと話すから』とだけ返ってきた。 新島先輩らしからぬ反応に本当にフラれたんだと感じた。 その日以降の新島先輩の様子を水瀬先輩に聞いてみたが普段と別段変わっていないらしい。 普通なら落ち込んだりしてしまうが、話を聞く限りそんな素振りを全く見せないのは凄い。  ――――もし、私が告白してフラれたらどうなってしまうんだろう。 文化祭もついに2日後に迫り、私のクラスは準備も佳境を迎えていた。「もうすぐ文化祭本番だね。緊張してきた~」「もう、めぐは緊張し過ぎだよ! って言っても私も少し緊張してるんだけどね」「ゆずは主役だからね。私なんかモブキャラなのに失敗したらどうしようとか考えちゃう」「それは私もおなじだよ~。でも、絶対成功させたいよね!」「うん! 劇を観たらまたゆずのファンが増えるかもね」「そんなことないよ。めぐだって劇に出るんだから気をつけないとね~」「もう、揶揄わないでよ~」 教室の隅でめぐと他愛もない話をしながら休憩していると、急に名前を呼ばれた。「柚希ちゃん!」 その声に振り返ると実行委員のサチが私に駆け寄って来た。「どうしたのそんなに慌てて。何か問題でもあった?」「私の数え間違いで暗幕が一枚足りないの! これじゃ劇に支障が出ちゃう! どうしよう」「とりあえず落ち着いて。他のクラスに余ってないか確認はした? あと先生にも」「他のクラスに聞いてみたけど余ってないって。先生にも話して探して貰ってるけど見つかるかどうかは分からないって言われて……やっぱり私なんかが実行委員やっちゃダメだったんだ」 自分のミスの所為で劇がダメになってしまうんじゃないかと考えて思考がネガティブになっている。 もしこのまま暗幕が見つからなかったら物凄い責任を感じちゃうだろう。 「そんな事ないよ! 今まで順調に準
last updateÚltima actualización : 2026-09-13
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その43

 ハーレム解散を聞いた中居先輩の雰囲気がどんどん変わっていく。 それを察した水樹先輩達も黙ってしまう。「佐藤、前に言ったよな? 皆を悲しませるような事はするなってよ」「ああ」「最初にハーレムって聞いた時は驚いたぜ? だけどお前達の楽しそうな姿を見て、そういう関係もアリなのかもなって思った。けど、俺の考えが甘かったらしい」 そう言って中居先輩は立ち上がりお兄ちゃんに詰め寄っていく。 しかし、新島先輩と水瀬先輩が二人の間に立ちふさがった。「待って中居!」「トモは悪くないの!」「あぁ?」 中居先輩は不機嫌さを丸出しで二人を睨む。「これは俺と佐藤の問題だ。口出すな」 と言って二人の横を抜けようとするが再び二人に阻まれる。 その事が中居先輩の怒りのボルテージを上げている事は表情から察せられた。 だけど新島先輩と水瀬先輩は一歩も引こうとしない。「お願い! 話を聞いて」「そうだよ! 私達は部外者じゃないんだから」「だからこれは――――」「話くらい聞いてもいいんじゃないか? この二人がここまで必死になってるところなんて見た事ないだろ?」 中居先輩がいよいよ噴火というタイミングが水樹先輩が割って入る。 さりげなく肩を入れて新島先輩との間に割り込んでるのは流石だ。  水樹先輩の助言もあって中居先輩は大きく息を吐く。「わかったよ、聞いてやる」「ありがとう中居」「ありがとう~」「水樹もありがとね」「いいって。理由も聞かずに一方的にってのが好きじゃないだけだ」 何回か深呼吸を繰り返して中居先輩は元の席に座った。 それを見届けてから新島先輩が事の発端を話し始めた。「――という訳で私のワガママでハーレムは解散になったの。だから責めるなら私を責めて」「私も楓に賛同してハーレム辞めるって言ったんだから! だから私も責めて!」 話を聞き終わった中居先輩は大きくため息を付い
last updateÚltima actualización : 2026-09-14
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その44

 お兄ちゃんが一人の女性を幸せにしたいと断言した事で、さっきまで家庭科室を支配していた緊張感は一気に無くなった。 新島先輩を始めとして中居先輩も応援モードになっている。 「ここまで来たら佐藤が誰を選ぼうがもう驚かねぇ。自分の気持をぶつけてこい」「そうだな。友也もいよいよ漢になる時がきたな」「佐藤~頑張りなよ~? これでフラれました! なんてカッコつかないからね」 中居先輩・水樹先輩・及川先輩から激励が飛ぶ。 それを受けてお兄ちゃんは「任せろ!」と言い胸を叩く。 逞しくなったお兄ちゃんを見ていると胸が苦しくなる。 昔みたいに……それ以上にリア充になった事は素直に嬉しい。 だけどそれ以上に寂しさが込み上げてきた。 彼女が出来たらもう私に構ってくれないんじゃないか――そんな事を考えてしまう。 私の気持ちを悟られない様に遠巻きにお兄ちゃん達を見ていると、ふいに水瀬先輩と目が合った。 その目には不安や怯えの様なものが含まれている様に感じる。 次の瞬間、皆に囲まれていた筈のお兄ちゃんに声を掛けられた。「そういえば今更だけど柚希はどうして此処に居るんだ? 何か用事があったんじゃないか?」「あ! すっかり忘れてた。被服室から暗幕を借りて教室に運んでる途中だったんだ」「それじゃあ早く教室に戻らないと」「うん。それでは私はこれで失礼します」 私は隅に置いておいた暗幕を抱えながら先輩達に挨拶をし、急いで教室に向かった。  その日の夜、私は自室の机に突っ伏して考え事をしていた。 水瀬先輩と目が合った時、その目には不安や怯えの様なものが含まれている様に感じた。 新島先輩がフラれた今、ハーレムメンバーで残ってるのは沙月ちゃんと水瀬先輩だけ。 だから期待よりも不安が勝ってしまうのも仕方ないと思う。 友華さんに限っては、メンバーではあったけどお兄ちゃんとは友人でいたいと言ってたから問題は無いはず。
last updateÚltima actualización : 2026-09-15
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その45

 最後の曲が終わり、体育館は今日最大の歓声に包まれた。 私は知らず知らずの内に流れていた涙を拭いながらステージを後にするお兄ちゃんを見送る。「友也先輩凄かったね! ねぇゆず!」「うん、凄かったね」 本当に凄かった。 今回のライブでお兄ちゃんは誰もが認める学校一のリア充になったと思う。「トモちんヤバかったねー」「ホントホント」「私なんて目が合ったもんね~」「そんなの勘違いです~、ざんねんでした~」 私とめぐの隣で見ていた菜々達ギャルグループもとい友也ファンクラブが今でも騒いでいる。 これじゃあお兄ちゃんはリア充どころかアイドルだなぁ。 なんて思っていると菜々から声を掛けられた。「友也さん凄かったっしょ!」「凄かったけど、どうして菜々が自慢してるのよ」「そんなの友也さんのファン第1号だからに決まってるっしょ!」 訳の分からない理屈だけど菜々が満足してるなら余計な事は言わないでおこう。 特にめぐがお兄ちゃんとデートした事あるなんて知られた日には面倒な事になるに決まってる。「んじゃあたし等は帰るから。明日は友也さんのクラスに出向かなきゃならないし」「そっか。じゃあね」 菜々は地元が一緒だけど他の人達は藤宮に住んでる筈。今の感じだと明日もわざわざ藤宮からこっちまで来るみたいだけど……まぁいっか。精々お兄ちゃんのクラスにお金を落として貰おう。「私達もクラスに戻ろっか?」「あ、私は部活の出し物の手伝いがあるから」「そっか。頑張ってねめぐ」「ありがと。それじゃ行ってくるね」 めぐと別れ、人混みに流される様に出口から出ると、そこにはお父さんとお母さんが立っていた。「来てたんだ」「ええ、お父さんが今の友也を見てみたいって言うから」「母さん! ゴホン、友也はなかなか人気みたいだな」「うん! 学校中の人がお兄ちゃんを認めてくれてるよ」「…&hel
last updateÚltima actualización : 2026-09-16
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その46

 新島先輩に続いて水瀬先輩までフラれた。 そうなるとお兄ちゃんの好きな女性は必然的に沙月ちゃんって事になる。 沙月ちゃんには今まで色々相談に乗って貰ったり、私の唯一の理解者でもあった。 だからこそ私が沙月ちゃんを祝福してあげないと。「待たせて悪いな」「ひゃっ!」 考え事をしていたらいつの間にかお兄ちゃんが校門にやってきていた。 ビックリして変な声出ちゃったけど不審に思われないよね?「なんだよその反応は。ちょっと傷ついたぞ?」「ご、ごめん。ちょっと考え事してたからお兄ちゃんに気づかなくて」「まぁ遅くなった俺が文句言えないか。んじゃ行くか」「……う、うん」 水瀬先輩はどうしたの? という言葉を飲み込んだ。 私があの現場を見ていたと知ったら色々気まずいだろうし、何より水瀬先輩の事を思うと私が見てたという事実は無かった事にした方がいい。「文化祭は楽しかったか?」「楽しかったよ。特にお兄ちゃんのライブは興奮したなぁ~」「その話はやめてくれ。皆褒め過ぎなんだよなぁ」「とか言ってお客さんを凄い煽ってたりしてたじゃん」「あ、あれはああやれって言われたから仕方なくだよ」「それにちゃっかりクラスの宣伝までしちゃって~」「うぅ、あれは……もうなんとでも言え!」「あはは、ごめんごめん」 お兄ちゃんを揶揄っていると打ち上げ会場に着いた。 入店すると沙月ちゃんが出迎えてくれた。「柚希ちゃんいらっしゃ~い」「おじゃましま~す」 沙月ちゃんと軽いハイタッチをしながら挨拶を交わす。「あ、友也さん遅いじゃないですか~」「掃除当番だったから皆には先に行ってて貰ったんだ」「そうだったんですね。じゃあ早く着替えてきてください、忙しいんですから」「ああ、わか……って今日は客で来てんだよ」「え? 手伝ってくれ
last updateÚltima actualización : 2026-09-17
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その47

 昨日は凄い一日だったなぁ。 お兄ちゃんが水瀬先輩を振るシーンを見ちゃったり、その後参加した打ち上げの後での新島先輩とお兄ちゃんのやり取りを聞いたり。  新島先輩がなんで私にまで話を聞かせたかは未だに分からないけど、問題は水瀬先輩なんだよなぁ。 もしこれで水瀬先輩がお兄ちゃんから離れていってしまったら絶対お兄ちゃんのグループの雰囲気は悪くなる。そうなると中居先輩が黙ってないだろうし……。「それに……お兄ちゃんの好きな子ってやっぱり――」 試験勉強をしていたがどうしてもその事が頭に浮かんでしまう。 残る候補は沙月ちゃんだけだからほぼ確定なんだろうけど……沙月ちゃんはお兄ちゃんのことどう思ってるんだろう。  私のことを応援すると言ってくれてたけど、私の事を理由に断って欲しくない。 例えお兄ちゃんが沙月ちゃんと付き合ったとしても、私はお兄ちゃんの妹だし、これまで通り傍に居られるだけでいい。 そんな事を考えているとスマホの通知音が鳴った。 スマホを手に取り確認する。「水瀬先輩からだ……」 アプリを開いてメッセージを確認する。〈大切な話があるから今から話せないかな?〉 大切な話ってなんだろう? それよりも気持ちの整理はついたのかな。 とりあえず返信しないと。 〈大丈夫ですよ〉 〈ありがと。沙月ちゃんにも話すから今グループ作るね〉  わざわざ3人だけのグループを作って話すことってなんだろう? そう考えている内にグループへの招待が来たので参加する。 沙月ちゃんも参加して全員揃ったところで通話が掛かってきた。「もしもし、こんにちは」「南さんこんにちは~」「2人ともこんちはー。急にごめんね~」「いえいえ、大丈夫ですよ」「はい、丁度暇してたので問題ないです」 話し方や声のトーンはいつもと変わらない。
last updateÚltima actualización : 2026-09-18
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その48

 水瀬先輩の想いを聞いてから数週間が経った。 当初懸念していた接し方や態度も以前と変わらず、普段どおり接してきてくれるとお兄ちゃんから聞いた。 それに一番驚いたのは水瀬先輩が合コンにハマった事だ。 沙月ちゃんに無理矢理連れて行かれた合コンで、チヤホヤされたのが嬉しかったらしい。 合コンの度に「やっぱりトモより良い男いないや」とボヤいていたので、今でもお兄ちゃんの事は好きなんだと思う。 だけど水瀬先輩はお兄ちゃんにはそんな素振りを一切見せていないらしい。 多分それはお兄ちゃんが好きで、幸せを願っているからこそなんだと思う。 沙月ちゃんのお陰で水瀬先輩は気持ちの整理が出来たのは嬉しい反面、合コンにハマってしまっている事に関してはお兄ちゃんも心配していた。「沙月には感謝だけど、他にやりようはなかったのかなぁ」 とお兄ちゃんがボヤいていた。 まぁ自分の事を好きで居てくれた女の子がいきなり合コンにハマりだしたのだから複雑な気持ちなのだろう。 お兄ちゃんだけでなくグループの人達全員が水瀬先輩の変わりように戸惑っていたみたいだ。 それも最初の内だけで、今では水瀬先輩=合コンというキャラが定着しつつあるらしい。 実際私も何度か誘われたが丁重に断った。 そんな出来事がありながら中間試験も終了し試験休みに入ったのだが、休みに入った途端、お兄ちゃんが熱を出して倒れた。 そして今は看病の真っ最中だ。「もう、お兄ちゃんは無理し過ぎだよ」「ゴホッゴホッ! すまん……」 どうしてこうなったかというと、文化祭のライブが切っ掛けだった。 振替休日が終わり学校へ行くと、1年から3年まで分け隔てなく女子から猛アプローチを受けていた。 授業が終わり帰宅する時には、校門に他校の女子が出待ちまでしてたし。 アプローチされても軽く流せばいいのにお兄ちゃんは一人ひとり丁寧に対応し、睡眠時間をへらしてまでファン達の相手をしていた。 気持ちを無下にできないっていうお兄ちゃんらしい優しさではあったけ
last updateÚltima actualización : 2026-09-19
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その49

 『自分の気持に素直になってみたら?』 翌日になっても新島先輩の言葉が頭から離れない。 素直になっても報われないなら……もしかしたら気持ち悪い妹だと思われたらと考えてしまう。「ダメだなぁ……ネガティブな事しか浮かんでこない」 そう独りごちて、思考を振り払う様に頭を振る。それから大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせてお兄ちゃんの部屋のドアをノックして中に入った。「どう? お兄ちゃん。少しは良くなった?」「ああ、熱も下がって倦怠感も無くなったよ」 そう言って腕をぐるぐる回す。 「良かった。でもあまり調子に乗らないように! 今日一日は安静にしててね」「大丈夫だって」「ダメでーす。風邪はひき始めと治りかけが一番重要なんだから」「母さんみたいな事言うな」「はいはい、なんとでも言いなさい。とにかく安静にしてるんだよ」「はぁ、分かったよ」  諦めたようにベッドに横になるお兄ちゃんを見届けて部屋を出た。 少し体調が良くなったからって直ぐ調子に乗るんだから。 でも、良くなってよかった。  リビングでテレビを見ながら勉強しているとインターホンが鳴った。 まさかまた新島先輩が来たのかな? と頭の隅で考えつつモニターを確認すると、今度は沙月ちゃんが立っていた。 玄関を開けると沙月ちゃんは元気良く挨拶してくる。「柚希ちゃんやっほ~」「やっほー。もしかしてお兄ちゃんのお見舞い?」「うん。急だったけど大丈夫かな?」「大丈夫だよ。体調も良くなってきてるし」「よかった~」 家に招き入れお兄ちゃんの部屋まで案内する間、疑問に思った事を聞いてみる。「そういえば、どうしてお兄ちゃんが体調崩したって知ったの? 心配掛けない様に黙ってたのに」「昨日南さんから聞いたんだ~。南さんは楓さんから聞いたって言ってた」「そうだ
last updateÚltima actualización : 2026-09-20
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その50

 私は今何て言った? 部屋の前で盗み聞きをして、沙月ちゃんとお兄ちゃんがそういう会話が聞こえてきて……無意識に部屋に飛び込んだ。 その後に沙月ちゃんと口論になって……それから――――『お兄ちゃんの事が好きなんだから!!』 そうだ……お兄ちゃんを盗られたくない一心で――――「柚希……今のって」 お兄ちゃんは状況が理解出来ないといった感じで見つめている。 それもそうだ。突然妹からあんな事言われたら混乱するに決まってる。「やったね柚希ちゃん。やっと言えたじゃん!」 沙月ちゃんが嗜虐的な笑みを浮かべながら私の肩をポンッと叩く。  ハメられた! きっと私が部屋の外で話を聞いてると踏んで沙月ちゃんは最初からこうなる様にお兄ちゃんに色仕掛けしてたんだ! 「っ!」「柚希ちゃん!」「ちょ、待てよ!」 どうしよう! どうしよう! どうしよう! どうしよう! 言うつもりは無かったのに! 妹として傍にいようって決めてたのに! 幾ら沙月ちゃんに煽られたからってあんな事言っちゃうなんて!「はぁ、はぁ……ここは?」 お兄ちゃんから逃げる事しか考えて無かったから、いつの間にか公園に辿り着いちゃった。 でも、ここまで来れば流石に見つかんないよね……。「はぁ……これからどうしよう」 ベンチに腰を下ろすと、つい言葉が漏れてしまった。「ビックリしてたなぁ……」 そりゃそうだよね。実の妹が異性として兄を好きだなんて思ってもみないだろうし。 はぁ……流石に嫌われちゃったよね……。「柚希! ハァハァ&h
last updateÚltima actualización : 2026-09-21
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